法人の概要
 

光輝ある並河七宝  展覧会趣旨

並河靖之(1845〜1927)は有線七宝を手掛け、明治29(1896)年に帝室技芸員を拝命して、近代の工芸史に七宝家として名を残した人物です。

靖之はもともと高岡家の三男として武家に生まれますが、十歳の頃に並河家の養子となり、青蓮院宮入道尊融親王(後の久邇宮朝彦親王1824〜1892年)の近侍として仕えます。しかし、幕末維新の混沌とした世情の移り変わりの中、家従としての俸給だけでは生活が厳しく、明治6(1873)年に同僚と事業を志して七宝を始めました。

当時、七宝は尾張から発祥して京都にもその製作所が作られ始めた頃で、「何分他家では、七宝を焼きますに一々定まった法ばかりでございますが、此方は法も何も知らんのですから、赤色一つ焼くのでも、何の薬と何の薬何匁といふぢやございません。皆な自分が調合しては考へ出しますので、それ故赤色などは一月や二月では出来ませなんだ。」(黒田天外 『名家歴訪録上編』明治36年) と語っています。

靖之は、焜炉を片手に日々釉薬の研究をすすめ、玻璃薬を用いた釉薬や茶金石の色目等の製法、植線の独自の方法を案出して、自身が目指す七宝作りに邁進して、七宝制作の探求は50年に及びました。

靖之の熱心な七宝制作を讃えて、当館の座敷には、久邇宮朝彦親王の第三王子久邇宮邦彦王より賜った扁額が掲げられています。

『万物生光輝』(万物光輝を生ず)「陽春布徳澤 萬物生光輝」

一説の意味は、春の陽気は恵みを与えてくれ、あらゆるものがいきいきと自ら光り輝いているということです。靖之が人生をかけて挑んだ七宝は今でも光り輝き続け、私たちを魅了してくれます。巧緻の限りを尽くした煌めきの世界をお楽しみください。

並河靖之七宝記念館

   〒605-0038 京都市東山区三条通北裏白川筋東入堀池町388 TEL/FAX 075-752-3277
   休館日:毎週月曜日・木曜日(祝日の場合は翌日に振替)
 
(C)2007 Namikawa Cloisonne Museum of Kyoto