コラム「日常の中のバードウォッチングのすすめ」
 
 10月も残るところわずかとなり、朝晩もめっきり寒さを感じるようになってきましたね。白鳥が飛来することで有名な「酒田市のスワンパーク」にも、北の国からのお客様第一陣が飛来したとニュースで伝えていました。昨年の調査では、白鳥の飛来数が日本で一番になったそうです。私は日本野鳥の会の会員なのですが、まだまだ鳥たちのことは知らないことばかりです。一番好きな鳥は「サギ類」で「コサギ」、「チュウサギ」「ダイサギ」などの白鷺がいいですね。純白の羽を身にまとい真っ青な空を飛ぶ姿が、とても美しい鳥です。そんな姿を見つけたときには、とてもうれしい気分になります。水田の脇の用水路や、川の中で獲物を「ジーッ」とねらっている彼らを見かけることができると思います。結構、おどけた表情を見せるので見ているとおもしろいですよ。
これからの季節、秋も深まり冬がやって来ますが、冬の楽しみの一つにスキーと「白鳥にパンをプレゼント」というのがあります。松田果樹園のある天童市より、北に一時間程のところに尾花沢市があります。大相撲の幕内力士である「琴乃若」関の出身地です
ここにある人工のため池の「徳良湖」(花笠踊り発祥の地といわれています)に「白鳥」たちが「カモ」たちと一緒に毎年やってきます。エサ場が雪に埋まってしまった彼らのために、パン屋さんに分けてもらったパンのミミをたくさん持って「徳良湖」に行きます。冬になったら毎週のようにパンをやりに行くこともしばしばです。天気が良いときはパンをやりに行く人もたくさんいるのですが、天気が悪いときはほとんど訪れる人がいないので、私は彼らのことが心配になってしょうがありません。いても立ってもいられない状態です。猛吹雪の中、クルマを走らせてたどりついたときに、白鳥はあの長い首を大きく上下に揺らし「コォーッ、コォーッ」と大きな声で鳴きながら迎えてくれます。あの表情がとてもかわいくて、また次の週末も出かけてしまうのです。冬になるといつも私の愛車には「パンのミミ」が積んであります。彼ら、渡り鳥たちがもう皆さんの近くにもやって来ているかもしれませんね。そんなときに「遠くから、ようこそ」と声をかけてあげてください。言葉は伝わらないかもしれませんが、きっとその暖かい気持ちは彼らに伝わると思いますよ。
 彼らも、私たち人間も「宇宙船地球号の乗組員」です。
大きな大きな宇宙、「宇宙という海にぽっかり浮いている船」の仲間です。
 
 
 
 
 
 
 
 
           1998      10月17日 松田果樹園 松田信彦



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