瓦屋根が出来るまで



瓦屋根が出来るまでを画像付きでご説明します。
ちなみに切り妻(きりつま)と呼ばれる最も一般的な瓦屋根です。

・1 まず、大工さんの手によって、ベースとなるこの状態まで作られます。
・2 ルーフィングと呼ばれる防水材を屋根全面に敷きます。建築中むき出しになる、のじ板と言われる屋根板を保護するのが目的ですが、
雨漏り防止材としても利用出来るため、このまま次の作業に入ります。
・3 軒先に打つ木材は鼻算(はなざん)と言い、軒先瓦の高さ調整に使います。
・4 瓦を敷くため、瓦残(かわらざん)と呼ばれる木材を打ちます。
・5 鼻残の上に打つ板をヌキと言い、軒先瓦を固定するための板です。
・6 鼻残につけるプラスックを軒先メンド(雀止め)と言い、鳥を屋根の中に入れないための物で有り、
袖にも板金雀止めをつけ、雀の侵入を防ぎます。
・7 軒先瓦(唐草)付けを行います。
今回使用している瓦は一文字瓦と言い、一般的には万十軒瓦(まんじゅうのきがわら)を使います。
・8 袖瓦付けを行います。
・9 糸を張り、糸にそって平瓦を葺き、4枚に一枚の割合でステンレス製スクリュー釘を瓦に打ち込み、地震対策にします。
・10 軒先瓦、袖瓦、平瓦が葺き終わると、この状態になります。
・11 棟際の平瓦が寸法通りにいかない場合、平瓦の上部を切り、寸法合せをして調節します。
・12 棟に鬼吊り、巴吊りと言う銅線をステンレス製スクリュー釘に撒きつけ打ち込みます。
・13 鬼吊りは鬼瓦の後ろに有る竜頭と言う穴に通し、落下防止にします。
・14 寸法合せをした瓦は小さくなった為、勾配が足りず雨漏りをする恐れが有りますので、雨漏りを防止するために粘土を置き勾配を調整します。
・15 この画像が、先程12でお話した巴瓦です。
・16 そしてこちらが棟を作るのに使うナンバンと言うしっくいです。
このしっくいは、年月が経つと白くなる特徴が有ります。
・17 ナンバンを棟際袖瓦に置き、巴瓦に銅線を通し袖瓦に置いたナンバンに置きます。
・18 次に鬼瓦を設置しますが、まず巴の長さに合わせて形を整え、巴瓦の上に置き、銅線を通し設置します。
・19 棟を設置する土台もナンバンで作ります。
・20 この画像に有る瓦をのし瓦と言い、よく空手家の瓦割りパフォーマンスに使用される瓦です。
この瓦は裏面の中央に溝があり、この溝の上を金槌で叩くと二つに割れます。
・21 のし瓦に銅線を通し、ナンバンで作った土台に置いて行きます。
・22 棟はのし瓦を互い違いに積んで作るので、一段目の一枚目をのし瓦一枚で始めたら、次の二段目一枚目は半分に割った状態で積みます。
・23 一段目、二段目の間に粘土を入れのし瓦に勾配をつけます。こうする事でさらに雨漏り防止にします。
・24 22と23の作業を繰り返し、最後に丸瓦を乗せ、一番下ののし瓦に通した銅線を延長し、丸瓦についている穴に通します。
・25 仕上げに銅線を丸めて固定します。
・26 完成です。