| 小径をたずねる |
2001年暫定版
この大学のとりえは広さなのかもしれない。下手な競争原理に振り回されて、ぶ厚い業績本の目方を誇示するよりははるかにましである。これだけ広いと数多くの「小径」ができるのもひとつの成り行き。さまざまな顔をもつ「小径」をおりおりにたずね歩くのもまたおもしろい。
よく知られた小径といえばやはり、ポプラ並木沿いの道
と中央ローンの散策路
であろう。が、これらはあまりにもお馴染みなので、とりあえずは別格としよう。
ひとくちに小径といっても、たとえばなにかの記念にお金をかけて奇麗に整備された道から、必要に迫られて勝手にできてしまったようなほとんどけもの道まであり、様相は随分と異なる。
前者の例としては 、百年記念館南側の道
、ポプラ並木脇にある花木園内の遊歩道
、あるいは理学部横から農学部へ延びる道
などがあげられる。
小径というよりもはや生活道路に近いのが農場をほぼ横断する道
である。この道が閉ざされたら、西側に住む職員や学生、あるいは歩いて構内を横断せざるをえない市民はたいへんな不便を被るに違いない。
農場内にはこのほかにも散策するには手ごろな農道が縦横に走っている。田んぼへの道
の脇の貯水池では鴨の一家がくつろいでいる
。
ほとんどは「関係者以外立ち入り禁止」となってはいるけれども、ここに立つと180万都市の真ん中にいることをひととき忘れさせてくれる
。
このくらいで驚いていてはいけない。野生の鹿が逃げ込んだらとても探し出すことができないほどの「原始の森」でもあるのだ。たまにはその中に踏み込んでみよう。
「都ぞ弥生」の石碑から工学部裏手のテニスコートの北側を歩いていく
といよいよけもの道にさしかかる
。しばし踏み分けていくと、なんとその先には太古の昔から横たわりつづけているかのような倒木の橋がかかっているのである
。
この橋の下を流れる川
は中央ローンを流れる小川の下流に当たり、サクシコトニ川と呼ばれる。かつてはサケも溯上してきたというが、さすがに今ではその面影はない。おそるおそる橋を渡り短い藪を抜けるとそこには、農場が一気に開ける。7月のある週末、藪の出口は見定めるのが難しいほどだった
が、その僅か一週間後に行ってみると下草がみごとに踏み倒されていた
。
この日は最後に、知る人ぞ知る「低温峠」
をのり越えて、大学構内を去った。