JR四国バス「大栃線」
(土佐山田駅〜大栃)

 国鉄の分割民営化で誕生した各JRバス会社も運行の中心は都市間の高速バスが多くなってきた。JR四国バスも高速道路網の整備が進み、一般路線は愛媛の松山高知急行線(松山〜落出)とこの大栃線の2路線のみとなってしまった。
 こじんまりとした土佐山田駅の駅前広場に待っていたのは、バイキンマンのイラストが描かれている。沿線の「アンパンマンミュージアム」に合わせてキャラクターをあしらったバスが6台活躍している大栃線。駅に背を向け、高知龍馬空港方面に向かって走り出す。
 国道195号線と交差する信号で左折、県立山田高校の裏を走る。山田市街地を抜けると、右にショッピングセンターが見え「大栃21q」の看板が建っている。国道は緩やかな下り坂になり、物部川を渡る。さらに進むと右に高知工科大学。土佐電鉄バスはここで折返し、この先はJRの独檀場となる。人家のまばらな夢の温泉(停留所は夢野温泉前)付近を50km/hで快走し杉田発電所。そして山中へ。山越を果たすと釈迦堂前、あたりはひらけて人家も増える。美良布は国鉄時代は拠点だったようで、「美良布駅」と表示された駅舎と発着場がある。が、駅舎は待合室の他は閉鎖され、もちろん駅員もいない。
 美良布の次はアンパンマンミュージアム前。アンパンマンの顔がバス停ポールになり出迎える。といっても訪れる人はほとんどが自家用車のようで、駐車場が広がっている。その先に「大栃まで10q」の看板が建つ。土佐山田からここまでおよそ25分。
 再び山中へ入るが停留所はこまめにある。元国鉄の路線だからか? しかし乗降は全くといっていいほどない。
 国道と並んで流れる川はいつしか蕨野川と名乗り、吉野発電所、永瀬発電所と過ぎ、山道をさらに登る。前後するが土佐吉野、土佐白石、土佐高尾と旧国名を冠した停留所があるのも全国組織だった元国鉄の路線らしい。トンネルをいくつか抜け、永瀬ダムに架かるトラス橋を渡ると国道から県道49号へ。県道を行くと程なく終点の大栃。かつてはこの先、影まで路線が伸びていた。
 美良布同様駅舎があり、さらに夜間停泊用の車庫を構えるJR四国バス大栃駅。もちろん駅員はいないが、かつての繁栄をうかがわせるかのように売店が営業している。

2006.11.17 up