名鉄バス「起線」
(名鉄一宮駅〜起)

名古屋鉄道において運行されていた路面電車は平成17年3月の岐阜市内線を最後にすべてが廃止になったが、近年における廃止理由は自動車の増加による定時運行の困難と乗客の減少が主なところ。
昭和28年に軌道線の営業休止、翌年廃止となったこの路線はその理由が「乗客の増加により輸送力の限界を超えたため」と今では考えられない理由。敷設されていた道路の拡幅工事ができず全線単線。5km強の路線は今では考えられないほど混雑していたという。
バスになった現在でも大型車が10分毎に発着する現状を見るとあながち大袈裟でもないように感じる。
地上駅だった新一宮駅(現在は名鉄一宮駅)の構内から発着していた起線も高架線化とともに駅に隣接するバスターミナル2番のりばから発着。10分毎に出る起行きの合間をぬって西中野行き、蓮池行きの起線の支線系統が発車している。
バスはかつて軌道が敷かれていた八幡通りと呼ばれる通りに出る。駅を離れて程なく広大な駐車場を持つショッピングセンター、繊維の街らしく紡績工場が沿道に並ぶ。そして林立する小さな喫茶店。いかにも名古屋近郊らしい。
そんなところに感心しながら馬引を過ぎると東海北陸道の高架をくぐる。合併して同じ一宮市になったが、この先は旧尾西市。個人経営の紡績工場が増えてくる。篭屋を通過して尾張三条。この地にはかつて電車の車庫があり廃止後もバスの折返場や観光バス車庫として利用されていたが、今はその敷地跡にドラッグストアの建築工事が行われていて面影はすでにない。唯一、名鉄タクシーの乗場があるのみ。
一宮市役所尾西庁舎となった旧尾西市役所をすぎ、地元の人(特に高齢の人)が「中駅」と呼ぶ尾張中島。今でもタクシーで通用するところを見るといかに地域に密着していたかがわかる。
起工高で学生が下車し、車内は閑散とする。軌道線時代は終点だった起は50年前に電車がいたとはとても思えない。バスの折返すスペースはなくそのまま木曽川まで直進。築堤にのぼって右折して川に架かる濃尾大橋のたもとへ。岐阜県側へ渡る県道18号は片側1車線の対面通行。橋に背を向け愛知県側は片側2車線になる。ちょうど道幅が広がるところが濃尾大橋口。ここで時間調整、事実上の折り返しのようだ。濃尾大橋口を発車し県道を行き郷東の信号を右折。県道147号へ。尾張中島へ戻り左折。これまで来た道を一宮へ向けて戻って行く。
2007.2.4 up