思ひ出



長い間生きておりますといろんな方と巡り合います。
なかには何年たっても忘れられないようなインパクトのある『思ひ出』もあります。
ここではそんな思ひ出のいくつかを紹介してみたいと思います。
感動のあまり、思わず目頭が熱くなる。。。。ようなオハナシはございません。(笑)

なお、これは個人を誹謗中傷する目的ではありませんので、誤解無きよう。。。。

(注)当コンテンツには、食事中の閲覧には不適切な内容が含まれております。
お食事中の閲覧はご遠慮ください。


S先輩と電車の思ひ出

S先輩と肉団子の思ひ出

K君とファミコンの思ひ出

T先輩とドクロの思ひ出






S先輩と電車の思ひ出


当時私はまだハタチで、会社に入ったばっかりの新入社員でした。
そのころの私は夜勤のある仕事をしており、その日も夕方から翌朝までという勤務でした。

とある夜勤明けの朝、先輩のSさんと一緒に帰ることになりました。
Sさんとは最寄の駅が隣で、Sさんのほうがひとつ手前でおりるのです。

夜勤明けの帰りですから時刻は朝の10時前、電車の車内はガラガラです。
4人掛けのベンチシートの席が空いていました。
Sさんが右端に座り、私はその隣、すなわち真ん中寄りに座ったわけです。

電車が動き出して2つめくらいの駅で停車したとき、ひとりの若いおねーちゃんが乗り込んできました。

「Sさんが好きそうなタイプだな。」

彼女を見てすぐにそう思いました。
実はSさんは若いおねーちゃんが大好きだったのです。

健全な男子なら誰しも若いおねーちゃんは好きなのですが、Sさんの場合は『アイドルの写真をいつも定期入れに入れている』 というタイプでしたから。

そのおねーちゃんは私の横の空き席に座りました。
すなわち、Sさんとおねーちゃんの間には私という邪魔者がおり、私とおねーちゃんの間にはなんの障害もないのです。

今思えば、後輩として気を使って席を替わるべきだったのかもしれません。
やがて、Sさんが降りる駅に到着しました。

「ほな、お疲れ。」
「お疲れさまでした。」

Sさんが降りて電車が動き出した瞬間、なになら芳しきかほりが。。。。






























なんとSさんは去り際に放屁されて行かれたのでした。



そんなに悔しかったなんて。。。。
気の利かない後輩で申し訳ありませんでした。



S先輩と肉団子の思ひ出


やはり、まだ私が新入社員だった頃のお話です。

夜勤というのは夕方から翌朝まで働くわけですから、夜にはおなかが空いてきます。
当時その職場では、夜の7時ごろから2班に分かれて外に食事を摂りに行くことになっていました。
その日は私ともう一人の新入社員、そして先輩のSさんの3人で食事に行くことになったのですが。。。。

実はSさんは、食べるのがやたら早いのです。
『早飯早○○芸のうち』、などといいますが、どう見ても3回以上噛んでるとは思えませんでした。


外食のとき、一人だけ料理がきて、後がなかなかこない時って困りますよね。
困ったことに、その日はSさんの料理が一番にきてしまったのです。

もちろん先輩ですから、「どうど冷めないうちに召し上がってください。」などといわざるを得ないわけですね。
案の定私たちの料理が来たときには、Sさんはほとんど食べ終わっていました。


その日私が注文したのは、『肉団子の甘酢あんかけ定食』でした。
なぜそんな昔のことを今でも覚えているのか、それはこのあと発せられるSさんの一言が今でも忘れられないインパクトあるお言葉だったからです。



先輩を待たせてはいけない、当然私たちは急いで食べようと努力しました。
しかし、Sさんが次第にイライラし始めている空気がひしひしと伝わってきたのでした。

そもそも早飯の人が気が短いというのは、容易に想像できることです。



「まだか〜」



頑張って食べ続ける若人2人、しかし向かいの席にいるSさんのイライラは増すばかり。



「噛んでるから遅いんや!呑み込め!」



そんなことおっしゃられても、あたしゃヘビじゃないですから。



そしてついにしびれを切らしたSさんの口から、あの忌まわしい言葉が。。。。
































「いつまでも噛んでたら、口の中でウ○コになるで。」



不敵に笑うSさんの笑顔は、今でも忘れられません。
そのとき私の口の中にあったものは、言わずと知れた『肉団子』、形状的にキツイものがあります。

その後しばらく肉団子が食べられなくなったことはいうまでもありません。


知識というのは人によって偏りがあるものです。
特に興味が無いことだったりすると、知ろうとする気も起きないものです。


とはいえ、立場上それくらいは知らんとマズイだろ、ってこともあります。


たとえば板前修業中の若者が親方に、

「おやかた、アジとサバってどう違うんすか?」

なんて聞いた日にゃあ、

「ばっきゃろぅ、出直してきやがれ、べらんめえ!」

と一喝されて叩き出されるかもしれません。


私はコンピュータ関係のオシゴトをしています。
ということは同期入社のK君も同じオシゴトをしているわけです。(当たり前ですが)


これは、世間でスーパーマリオが大人気だったころのお話です。

会社での昼休み、昼食を終えた私とK君を含む数名で談笑しておりました。

そのときでした、K君が突然みんなの前でこう言い放ったのです。。。
































「ところでさー、ファミコンとパソコンってどう違うの?

一瞬空気が凍りつきました。


「ファミリーコンピュータは任天堂の登録商標です。」


私には、そう答えるのが精一杯でした。


その後退職してしまったK君、いまごろどうしているのでしょう?


大人になるまで間違って思い込んでしまっていることというのは、わりとよくあるものです。

かく言う私も、薬を飲む「食間」を「食事の途中に飲むこと」だと、ごく最近まで思っていました。


しかしそのような思い込みというのは、いつか誰かに指摘されて気づくものです。

ところがその人が非常に自信家だったりすると、せっかくの指摘も無に帰されることがあります。



やはり私がまだハタチそこそこだった頃、Tさんという当時30歳になる先輩がおりました。
ある日の会話中、Tさんの口から次のような言葉が発せられたのでした。
































「昔、田んぼの近くの道歩いてたら、道の真ん中で大きなヘビがドクロ巻いててな〜」




へ?、ドクロ??
ドクロというと、ヤッターマンで「おしおきだべぇぇぇぇ〜」とおっしゃる方でしょうか?
ともあれ、ここはやんわりと指摘しておくべきであろうと判断し、恐れながら申し上げることにしたのでした。


「あの。。。。ドクロじゃなくて。。。。とぐろ。。。。ですよね。」

するとTさんは満面の笑みをたたえて、

ドクロやん!」

と言い放ったのです。

自分が間違ってるなどということは、彼の頭の中には微塵も無い様子でした。
そこまで自信に満ち溢れた表情のTさんに、もはやなにも言うことはできませんでした。
あの時私に、もっと勇気があれば。。。。



ちなみに彼が卒業した高校では、分数の足し算ができると『師範代』と呼ばれ、数学の授業中遊んでいてもOKだったそうです。
世の中というのは広いものです。



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