心理学入門Home心理学辞典 心理学用語辞典

心理学用語辞典



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あ・い・う・え・お



愛着 attachment
 J.ボウルビイによって提唱された、特定の対象に対する特別の情緒的結びつきのこと。特に幼児期までの子どもと養育者との間に形成される母子関係を中心とした情緒的絆をさす。

アイデンティティ identity
 エリクソン(Erikson,E.H)の精神分析的人格発達理論の青年期(第5段階)における心理社会的危機を示す概念。これの獲得に失敗した状態が「アイデンティティ拡散」である。 同一性、自我同一性と邦訳される。エリクソンによると、主体性、 自分であることの独自性、過去からの連続性といった主観的実存的意識と、自分と社会や他者とのつながり(集団帰属感)、自分が社会や他者から承認されているという社会的受容感の総体。自分は他者とは異なる個別の、過去・現在・未来にわたって連続性のある存在であり、社会の中で存在しているという感覚。

アカシジア akathisia
 静坐不能とも呼ばれる。静かに落ち着いて座っていることができない状況を指し、絶えず体を動かしたり、立って歩いたり、また座ったりする。不随意運動として分類される。原因としては、パーキンソン症候群で現れたり、一部の抗精神病薬の副作用として現れる。

アスペルガー症候群 Asperger syndrome
 広汎性発達障害(中枢神経系の機能・発達障害により,広汎にわたる精神障害がみられるもの)の一類型で,自閉性障害(自閉症)の高機能群ともいわれる。自閉症と同様に,社会的機能や対人関係の問題,常同的・反復的な行動などがみられるが,著しい言語の遅れがみられないことが特徴的である。共感性に乏しく、他人との情緒的な交流を持つことが困難で、関心の幅は狭いが自分の関心のある事柄には熱中する。精神遅滞を伴わないケースでは,決定的な不適応には至らずに進学・就職したり,診断されないまま成人に達していることもある。

アニマ/アニムス anima/animus
 ユングの概念で、元型の1つ。ユングは夢の中に現れる異性像が心理的に非常に大きな意味を持つと考え、それらの元型として、男性の集合的無意識のなかに潜む女性像・女性的性質(情熱・怒り・活動性・空想など)をアニマ、女性に潜む男性像・男性的性質(権威・理性・自信など)をアニムスとし、その意味を探求した。 ユング,C.G.はアニマの発達を@生物学的、Aロマンチック、B霊的、C叡智の4段階で発達するとし、夫人のエンマはアニムスの発達を@力、A行為、B言葉、C意味の4段階に分けて考えた。

アニミズム animism
 ピアジェは、幼児が無生物にも意識や意志などのこころの働きがあるように考えることをアニミズムと呼び、子どもの心の特徴の一つと考えた。

アレキシサイミア alexithymia
 シフネオスによって提唱された心身症の症状を説明する概念で、失感情症、失感情言語(化)症などと訳される。身体症状や事実関係についてはくどくどと述べるが、自らの内面的な感情を表出できず、感情を認知する能力や想像力にも欠け、コミュニケーション能力が貧困である状態を言う。。神経症や抑うつ症の患者に比べて、心身症患者はアレキシサイミアの傾向が強いと言われている。

意識の流れ streem of consciousness
 人間が経験する意識は、個人的意識の流れのなかの、ある時点での現れであるという考え方のこと。要素を重視する構成主義の考え方の対して、意識はあくまで一連の流れであると捉え、内容よりもその作用や機能に着目した考え方である。ジェームズの「心理学原理」で述べられ、現代の認知心理学にも影響を与えている。

いじめ bullying
 いじめは「自分より弱いものに対して一方的に、身体的・心理的攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているもの」「同一集団の内部で、優位に立つ方が意識的に、あるいは集合的に、他方に対して苦痛を与えること」「集団関係の中での立場や力の弱い者をターゲットにして、精神的・身体的な攻撃を執拗に加えること」などと定義されている。近年のいじめの特徴として、表面化しにくい巧妙なやり方かつ悪質なものが多く、いじめを受けた側が自殺に追い込まれるケースが増えていることや、誰もがいじめる側・いじめられる側になり得ることなどが指摘されている。

依存性 dependency
 心理的あるいは身体的安定を図るために、自分より力の強い他者や事物に接近・同一化をすることによって、自分の欲求を満たそうとする傾向。依存性には、愛情などを得たいという依存欲求と、それを実現するための接近や接触などの依存行動が含まれる。

インテーク面接 intake interview
 相談に来たクライエントに対して初回に行われる面接のこと。受理面接とも言う。インテーク面接の目的は、まずクライエントとの間にラポールを形成することにあり、クライエントの主訴を明確にし、クライエントの抱える問題の概要を把握し、治療の方針を決めたり、問題解決の手がかりをつかむことにある。氏名・生年月日・生育暦・現病歴・家族構成などの情報やその後のカウンセリングに必要と思われる事項についての情報収集を行うが、クライエントの状態により初回には必要最低限の情報収集に控え、クライエントの気持に沿うなど、型どおりでない臨機応変な対応が重要である。

エクスポージャー exposure
 曝露法ともいう。行動療法の1技法。不安や恐怖といった症状の原因となっている状況や刺激に対して、クライエントを段階的にさらすことで、そのような反応を除去しようとするもの。実際の場面に曝す方法と、イメージや映像などから始める方法がある。

エゴ ego
 精神分析理論における人格構造の1つであり、心的活動を行う主体である。現実原則に基づく思考によって統制されている。

SSRI / SNRI selective serotonin reuptake inhibitor / serotonine & noradrenaline reuptake inhibitor
 選択的セロトニン再取り込み阻害薬/セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬。脳内の不安や情動に関する神経伝達物質セロトニンの働きを高める作用だけを選択的にもつ抗うつ薬である。これを飲むと気分が良くなることから、アメリカではハッピードラッグとよばれた。うつ病(気分障害)は、脳内神経細胞終末からの神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリンなどのモノアミン)の放出が減少して起こると考えられている。従来のイミプラミンなどの三環系、四環系抗うつ薬の多くは、このモノアミンの再取り込みを阻害し、脳内モノアミン量を増加させることで、抗うつこうかを発揮する。しかし一方で、頻繁におこる副作用(口の渇き、便秘、発汗、めまい、眠気など)が問題となっていた。そこで、1980年代に欧米で開発されたSSRIは副作用がほとんどないため、うつ病治療の主流になりつつあり、最近SNRIが開発されうつ病治療に効果を挙げている。

エディプス コンプレックス Oedipus complex
 フロイトが提唱した精神分析学の鍵概念。男児が3〜5歳の男根期に無意識のうちに母親には愛情を、父親には憎悪を抱くという複合感情のこと。エディプスという名は、ギリシア神話に登場するエディプス王に由来し、エディプス王は父親と知らずに実父を殺害し、母親と結婚した。

エレクトラ コンプレックス Electra Complex
 ユングが女児におけるエディプスコンプレックスを著す用語として使い始めた。3〜5歳の女児が父親に愛情を感じ、母親への敵対心を持つことで起こる無意識の葛藤。

エロス Eros
 フロイトはエロスを人間の基本的本能の1つとして捉え、自ら積極的に苦悩を求めたり、敵意や攻撃心など死へと向かう死の本能(タナトス)に対して、生きること快楽を求めることといった生の本能をエロスとよんだ。

エンカウンター・グループ encounter group
 自己成長を目指す、集中的グループ活動。 グループには大きく分けて指示的に運営されるものと非指示的に運営されるものとがある。普通、7〜20人ほどの参加者とファシリテーターというリーダーで構成され、4,5日の合宿形態をとる。

オペラント行動 operant behavior
 スキナーは行動をレスポンデント行動とオペラント行動とにわけた。オペラント行動とは、レスポンデント行動とは異なり、明確な誘発刺激を特定しにくく、生活体側の自発した反応である。レバーを押すとエサがもらえる装置を設置した箱の中にネズミを入れると、次第にレバーを押せばエサがもらえることを学習し、自発的にレバーを押すようになる。このような反応のことをオペラント行動という。

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か・き・く・け・こ


概日リズム睡眠障害 Circadian Rythm Sleep Disorder
 概日リズムの異常により、環境条件との間 の非同調による覚醒・睡眠スケジュールの不一致に起因する睡眠障害。以前は睡眠・覚醒スケジュール障害と呼ばれていた。 睡眠相後退型、時差型、交代勤務型 の3つに区分される。

外傷体験 traumatic experience
 心的外傷(psychic trauma)ともいう。元々は精神分析の用語で、人が強いショックやストレス、不安や恥、苦痛を引き起こす過度な情動体験をしたとき、それが適切に処理されずに抑圧されると、 神経症的症状形成につながると考えられた。

解離性同一性障害(多重人格) Dissociative Identity Disorder;DID (Multiple Personality Disorder;MPD)
 ひとりの人に、明瞭に区別される2つ以上の同一性、または人格状態が存在する病態。

仮現運動 apparent movement
 日常場面においては映画や踏切の警報機などに見られる、空間的に離れた2つ対象を一定の時間間隔をおいて交互に呈示するときに知覚される対象の連続的な運動を仮現運動という。

過労死 fatigue death ; stress death ; karoushi
 長時間にわたり過密な労働によって健康を損ない、死に至る現象を言う社会的な用語。長時間労働やストレスで、働き盛りの中高年が起こす突然死のこと。

(感情)転移 transference
 元々は精神分析学の鍵概念で、過去の重要な対人関係が現在の治療関係のなかに無意識的に反映されること。 たとえば、母親に対して抱いていた感情を治療者に向けるなど。転移は、対象への肯定的・親近的・友好的な感情をともなう陽性転移(positive transference)と、 対象を回避しようとする否定的・拒否的・敵対的な感情を伴う陰性転移(negative transference)に分けられているが、実際には両方を含む両価的転移が少なくない。治療者が患者におこす転移を逆転移という。

寛大効果 leniency effect
 望ましい特性はさらに良いものとし、望ましくない特性はそれほど悪くないと寛大な評価をすること。

記憶 memory
 記憶とは生体が過去の経験の効果を保持し、後にそれを再現して利用する機能。符号化(明記)、貯蔵(保持)、 検索(想起)の3段階からなる。

鏡映的自己 looking-glass self
 クーリー(Cooley,C.H.)の概念。他者の自分に対する態度をもとに、自分が他者の目にどのように映っているか、どのように評価されているかを推測し、その内容を自己概念の一部としたもの。

境界性人格障害 borderline personarity disorder:BPD
 境界例、ボーダーラインとも呼ばれる。DSM-Vによって導入された、それまでのいわゆる境界例を受け継ぐ形で定められた人格障害概念。慢性的な空虚感、過剰な理想化と過小評価との両極端を揺れ動く不安定で激しい対人関係様式、 見捨てられ不安、衝動的で自己を傷つける行為、怒りの制御ができないなどを特徴とする。自我が弱く、分裂、投影、投影同一視、否認など、抑圧以前の原始的防衛機制を用いるとされている。 ICD-10では、情緒不安定性人格障害境界型とされている。

強化の矛盾 paradox of reinforcement → 部分強化効果

既視感 deja vu
  初めて経験することを過去にも経験したことがあると感じる体験。”なんとなくこの場面経験したことがある”という経験。

基本的信頼感 basic trust
 エリクソン,E.H.によって提唱された心理社会的発達段階の8段階のうち、最初の段階の発達課題である。この時期に、主たる養育者による養育行動や対人関係の中で、安心感のある一貫した養育者の態度によって、乳児が養育者に対して肯定的な像を持つことができれば、その感情が人間に対する基本的な信頼感を形成すると同時に、自らへの信頼と様々な能力への信頼を形作ると考えられている。

偽薬 placebo
 「○○に効く薬である」と伝えて実際には治療効果のない錠剤など(カタクリ粉など)を被験者に投与すると、 暗示的な作用が働いて、治療薬としての効果が得られることがある。このような効果を偽薬(プラセボ:プラシーボ) 効果とよび、そのニセの薬を偽薬とよぶ。

去勢不安 castration anxiety
 フロイトによって紹介された用語で、子どもが性の違いを認識した時に生じる不安をさしたもの。フロイトによれば、少年らは少女たちにペニスがないと知ったとき、母親との性的な関係を持ちたいという近親相姦的欲望に対して罰せられると信じ、両親からの虚勢のおそれを体験するという。

共感的理解 empathic understanding
 ロジャーズ(Rogers,C.R.)のあげたカウンセリング、心理療法における基本的態度の1つ。 共感的理解は、あたかもその人のように(as if)という状態を失わず(いわば来談者の 感情に巻き込まれることなく)、来談者の私的世界を自分自身も感じるという状態を言う。

クッシング症候群 cushing syndrome
 副腎から持続的にステロイドホルモンが過剰に分泌される症状で、原因のほとんどは下垂体や副腎の腫瘍によるもの。代謝を調節するステロイドホルモンの過剰分泌で、代謝がおかしくなり肥満を始めとしたさまざまな以上がでる。

クライエント client
 クライアント、来談者、カウンセリーともいう。医学的立場では患者と呼ぶのに対し、カウンセリングではクライエントと呼ぶことが多い。

クラウディング crowding
 人がたくさんいる高密度状況で、空間とそれを共有する人々との間で生じたネガティブな主観的・心的な状態。

元型 archetype
 ユングの分析心理学の概念。ユングは、人間の精神世界には個人的無意識のほかに、集合的無意識があると考え、そのなかに時代や文化を超えた共通の普遍的なイメージをもっていることを認め、それを元型と呼んだ。通常は意識されることはなく、投影された形や夢の中に現れる。影や太母、老賢者、自己、アニマ・アニムス といった元型を想定している。

言語獲得(習得)装置 language acquisition device;LAD
 チョムスキーによって提唱された、人間の言語獲得モデル。通常の人間は一定の言語環境で言語を入力し取り入れていると、誰でも言語を使いこなせるようになる。このことから、チョムスキーは人間には生まれつき言語を獲得するシステムが備わっていると仮定し、それを言語獲得装置とした。

原始的防衛機制 primitive defence mecanism
 原始的防衛機制とは、クラインが注目した、より早期の乳幼児の発達段階で活発に働いている防衛機制である。原始的防衛機制が発動するのは、S.フロイトやA.フロイトのいう「自我の防衛機制」の成立する前の生後3〜4ヶ月を頂点とする、イド・自我・超自我の構造も混沌として未分化な段階であり、まだ抑圧が成立する以前の世界である。従って自我の防衛機制が抑圧を基盤として成立してくるのに対して、原始的防衛機制は「分裂」が基盤となって他の防衛機制が発生してくると考えられている。クラインは原始的防衛機制として分裂のほかに、理想化と否認を挙げた。

見当識 orientation
 自分が今どこに居るのか、今何時か、周りに居る人は誰かといった周囲の環境を正しく理解し、把握する能力。

行為者ー観察者バイアス actor-observer bias
 行為者本人は自己の行為を外的原因に帰属しやすく、同じ行為を他者が行っている様子を観察した場合には、それを他者の内的原因に帰属しやすいという傾向。

光背効果 halo effect
 ある側面で望ましい(もしくはのぞましくない) 特徴をもっていると、その評価をその人物に対する全体的評価にまで広げてしまう傾向。勉強のできる人は性格までも良いのだろうと思ってしまうこと。

広汎性発達障害 pervasive development disorders
 対人関係、意志伝達能力、常同的な行動・興味などの広範囲にわたり、発達が妨げられる障害である。中枢神経系の機能障害によると考えられている。一般的に、生後1歳までに明らかとなり、しばしばある程度の精神遅滞を伴う。DSMでは、広汎性発達障害は、自閉性障害、レット障害、小児期崩壊性障害、アスペルガー障害の大きく4つに分類される。ICD-10における分類もほぼ同様。一般的に、この障害は人生の早期に発症し、永続的に機能不全をもたらす障害である。今後、DSMとICDが改訂されるにあたり、分類が変わることも考えられる。

心の理論 theory of mind
 プレマックとウッドラフによって提唱された、「相手が何を考えているか推論する能力」を指す。80年代には、「誤った信念」課題により子どもの心の理論の発達が論じられた。自閉症児は心の理論に関する神経回路に問題があり、そのために他者の心を推測することが難しいと考えられる。

コルサコフ症候群 Korsakov syndrome
 慢性アルコール中毒の患者で最初に報告された、失見当・記銘障害・健忘・作話を主症状とする症候群。頭部外傷、一酸化炭素中毒などでも見られる。

コントロールの錯覚 illusion of control
 実際には偶然に支配される現象であるにもかかわらず、そういったものに対して自己の能力や技術によって統制が及ぶ可能性が高いと見積もる現象。

コンピューター支援教育 CAI (Computer Associated Instruction)
 コンピューターを利用した教育のこと。代表的なCAIの形式には、ドリル演習形式、チュートリアル形式、問題解決形式、シミュレーション形式などがある。

コンプレックス complex
 精神分析的概念で、無意識に抑圧されている、自我を脅かすような心的内容が一定の情動を中心に絡み合って構成されているまとまりのこと。一般的に「コンプレックス」と呼ばれているものは、劣等感コンプレックスというもので、コンプレックスは劣等感だけを指し示すものではない。

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さ・し・す・せ・そ

サイコドラマ psychodrama
 モレノによって創始された即興劇の方法を用いた集団精神療法。サイコドラマの構成要素は、監督、補助自我、演者、観客、舞台の5つである。1セッションは、 @ウォーミングアップAドラマBシェアリングで構成され、この一連の時間を共有することで、メンバーはここの問題に対する直面化、内面の洞察、カタルシス、他者との共感などを体験することができる。

催眠  hypnosis
 言語暗示によって人為的に引き起こされた意識の変容状態。暗示には他者暗示と自己暗示がある。

ジェンダー gender
 社会的要因によって形成される、後天的な心理社会的な性。

自己愛性人格障害 narcissistic personality disorder
 自分に才能があると空想して行動するような誇大性があり、周囲から賞賛されたいという強い欲求がありながらも、他者への共感性が欠如している障害。しかし、その傲慢さとは裏腹に自己に対する空虚感があり、傷つきやすく、それに伴う怒りを持っている。

自己効力感 self-efficacy
 バンデューラが提唱した概念で、自分の力である課題をきちんと遂行できるという信念。@遂行行動の達成、A代理行動の達成、B言語的説得、C情動的喚起の4つの情報源から導かれるとされる。

自己奉仕的バイアス self-serving bias
 自己の行為が成功した場合は内的帰属、失敗した場合は外的帰属をしがちな傾向。

自発的回復 spontaneous recovery
 条件付けられた反応を消去しているときに、しばらく休止期間をおいた後で、ふたたび消去を試みると一時的に条件反射が多少回復すること。

自閉性障害 autistic disorder     
 広汎性発達障害に含まれる障害であり、対人関係・社会性の問題、言語の問題、固執行動、知覚の異常、知的遅延、早い発症が特徴となる。3歳までに、社会性・対人関係の発達の障害、ことばの発達の遅れや異常(言語コミュニケーションの障害)、常同的・執着的な行動の3領域の発達行動上の障害が認められると自閉性障害と診断される。通常、発症は3歳以前とされているが、障害が表面化するのが3歳前後であり、男児に多いとされている。

社会的促進 social facilitation
 単独で作業するよりも他者がいるほうが課題遂行の作業率がはかどること。単に観察者がいるだけで促進される場合を見物効果(audience effect)といい、同一課題を同時に独立に行う他者がいて作業が促進される場合を共行動効果(co-action effect)という。

社会的認知 social cognition
 人が社会的世界から受けた情報を何らかの精神システムを通して処理する過程。

シャルパンティエ効果 Charpentier's effect
 大きさ-重さの錯覚の1つ。同じ重さのものは、体積が大きい方が軽く感じられるというもの。

集合的無意識 collective unconscious
 ユングの概念で、普遍的無意識ともいう。フロイトは、精神の構成を局所論において、イド(エス)、自我、超自我の3つに分けたが、 ユングは自我、個人的無意識、集合的無意識、ペルソナの4つに分けた。自我は意識の部分であり、個人的無意識は個人のなかに内包されている個人的内容、 集合的無意識は人類に普遍的に存在しているもの、ペルソナは社会的な部分である。

集団討議 buzz session
 参加者各自がグループの共通の目的を意識し、互いの発言を通じ相互に影響し合い目的を達成していく討議の方法。4〜8人程度の小グループで行い、メンバーが全員意見・発想を交換することができる。多人数で討議する際にまず少人数のバズ・セッションを行い、後に全体でシェアリングをすると合理的である。

受理面接 → インテーク面接

昇華 sublimation
 防衛機制の1つ。性的欲求・攻撃欲求など社会的に認められない本能的な欲求を容認可能な 行動に変容して充足させること。スポーツや芸術活動などにエネルギーを向けかえること。

初頭効果 primacy effect
 覚えるように順番に呈示された単語などの材料の記憶成績が、始めのほうが良いこと。

心身症 psychosomatic disease;PSD
 日本心身医学会による定義は、「身体疾患のなかで、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし、神経症やうつ病など、他の精神障害に伴う身体症状は除外する」とされている。器質的病態として、消化性潰瘍・潰瘍性大腸炎、機能的病態として偏頭痛・過敏性腸症候群などがあげられる。

心的外傷後ストレス障害 post traumatic stress disorder:PTSD
 詳しくはこちらで。

心理的リアクタンス psychological reactance
 ブレムらによって提唱。説得などにより、自分の行動の自由が制限されたときに、その自由を回復しようとすることを心理的リアクタンスという。

睡眠時随伴症 parasomnias
 睡眠、または睡眠・覚醒の移行状態に関連して表出する行動異常や生理学的異常が特徴である睡眠障害のこと。悪夢障害、睡眠驚愕障害(夜驚症)、睡眠時遊行症の3つから構成される。

スキーマ schema
 ある対象について過去の個人的あるいは社会的経験に基づいて体制化された知識構造。人物スキーマ・役割スキーマ・自己スキーマ・事象スキーマ(スクリプト)がある。

スクール・カウンセラー school counselor
 学校で児童・生徒の生活上の問題や悩みの相談に応じ、指導・助言を行う専門家。直接生徒に関わるカウンセリングのほか、教師や親に関わることによって生徒を間接的に援助する、コンサルティングを行う。1995年度予算に「スクールカウンセラー活用調査研究委託費」が計上され、臨床心理士や精神科医が各都道府県の小・中・高校に派遣された、99年度にはその派遣対象校が2250校に拡充された。2001年度以降、委託事業を補助事業へと変更し、カウンセラーの報酬も国費から自治体費との折半という方式となっている。

ストランズ strands
 心理療法でクライエントがどんな状態にあるのかを把握・理解するための手がかりであり、最終的に統合されるべき人格の各側面のこと。ストランズとして@感情と個人的意味づけA体験過程B不一致C自己の伝達D体験の解釈E問題に対する関係F関係の仕方 の7側面が用いられる。

ストレス stress
 元々物理学用語だったものを、生理学者のセリエが生体反応に用いた。外的な刺激をストレッサー、それによる心理的・身体的な反応をストレス反応といい、それらを包括した概念がストレスである。ストレスは環境的要因と心理的要因に大別される。

スリーパー効果 sleeper effect
 詳しくはこちらで。

性格 character
 情動的・意思的な行動の側面で個人を特徴づける持続的かつ一貫した行動様式。人格と混同されて使われるが、人格は個人が保っている統一性を強調し日本語では価値観が含まれる。性格は他者と違っているという個人差を強調する差異によく使われる。

精神年齢 mental age;MA
 知能検査の測定値に基づいて評定された精神発達水準。精神年齢が初めて もちいられたのは、ビネーが作成した知能検査である。

精神分析 psychoanalysis
 フロイトが創始した心理学理論であり、その理論に基づく心理療法を精神分析(的)療法という。「無意識」に抑圧されているものを解放することによって、治療を行う。

性同一性障害 gender identity disorder
 生物学的(身体的)な自分の性は認めているものの、それに違和感や葛藤を感じており、反対の性に属しているあるいは属したいという欲求を持つ、いわば身体の性と心の性が一致しない障害。近年、法整備が進むなど性転換が社会的にも認められつつある。

性役割 sex role
 男女の性別に応じて社会から求められる性格特性や態度、行動様式などをいう。社会的性(ジェンダー)における、 いわゆる”おとこらしさ”、”おんならしさ”である。

セックス sex
 先天的な性であり、性器等の身体的部位やそれに関わる行動によって決定される性。

説得 persuation
 送り手が受け手に、何らかの選択の自由がある状況のもとでメッセージを伝達することによって、受けての信念、態度、行動を変えようとする活動またはその過程。

セマンティック・ディファレンシャル法・SD法 semantic differential method
 オスグッドらによって開発された、言語・シンボルなどの意味測定の方法。明るいー暗い、冷たいー温かいなどの反対語の形容詞を両端とした5〜7件法の評定尺度をいくつか並べ、評定対象となるものがもたらす印象を評定していく。

潜在学習 latent leaning
 行動の遂行には直接現れることのない、頭の中だけで遂行している「潜在的な」学習過程を示すものとして解釈され、その後の学習を助ける(早める)という形で現れる。

相貌的知覚 physiognomic perception
 ウェルナーが提唱、精神発達の未分化な幼児などに見られる外界の物事を認知する独特な知覚様式で、対象物へ自分の感情や印象を介入させて情意的なものとして捉えることを言う。壁のしみが人の顔に見えたり、首を振っている扇風機を見て「扇風機がイヤイヤしてる」と言ったりすることなど。ただし、大人の擬人化とは異なる。

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た・ち・つ・て・と



代償行動 substitute behavior
 適応機制の1つ。ある目標を達成することが何らかの理由によって難しい時に、その目標と類似した別の目標を達成することによって、はじめの達成欲求の充足を図ろうとする行動をいう。

対人不安 social anxiety
 対人的な原因によると考えられる不安を一般に対人不安または社会的不安とよぶ。

態度 attitude
 関連するすべての対象や状況に対する個人の反応に対して直接的かつ力動的な影響を及ぼす、経験に基づいて組織化された、精神的および神経的準備状態のことである(Allport,G,W.の定義)。ある対象(事物・人・集団・あるいは社会事象)に対して、一定の仕方で反応させる内的傾向のこと。

タイプA typeA
 虚血性心疾患のリスク・ファクターとされる性格傾向および行動パターン。タイプA行動パターンは、過度に競争心が強く、攻撃的でせっかちであることを特徴とする。常に時間に追われ、誰かと競争し、攻撃的でじっとしていられない。この性格傾向の人は、常に攻撃的なストレス反応を起こしていることになり、虚血性心疾患の発症率が高いことが報告されている。

多重人格→解離性同一性障害

ターミナルケア terminal care
 臨死患者の治療・看護を行うこと。時代の流れとともに、臨死患者が死を迎える場所は、自宅から病院へとかわってきた。

単純接触効果 mere exposure effect
 特定の中性刺激(好きでも嫌いでもないもの)に繰り返し接触するだけで、その刺激に対する魅力が増し好意的な態度を取るようになる現象。

知性 intelligence
 何らかの問題に遭遇したとき、その状況を把握し、過去経験にもとづいて考え、解決策を見つけるために動員される、知覚、記憶、推理、判断などの知的な働きの総称。

知性化 intellectualization
 防衛機制の1つ。本能・衝動をコントロールするために、情動的な問題を抽象的に論じたり、過度に知的な活動によって覆い隠すようなこと。思春期・青年期に性欲や攻撃性を、過度な勉学や哲学、宗教活動などに向けること。

チック tic
 不随意的、自動的、突発的に身体の特定の筋肉群に生じる急速な反復運動反応。チックの生じる部位はさまざまで、代表的には、まばたき、口や鼻のぴくつき、貧乏ゆすりなどの身体運動性チックがある。さらに、しゃっくり、咳、奇声などの 呼吸性のチックもある。原因によって器質性チックと心因性チックに分けられる。

知能指数 intelligence quotient;IQ
 知能検査の結果を表現する指標の1つ。知能指数は、IQ=(MA精神年齢/CA生活年齢)×100であらわされる。

チャンク chunk
 ミラー(MILLER,G.A.)の提唱した、情報処理の心理的な単位。

注意欠陥多動性障害 attention-deficit hyper-activity disorder;ADHD
 詳しくはこちらで。

中心化傾向 central tendency
 質問紙調査など心理学的な測定を行うとき、「どちらともいえない」といった刺激の範囲のほぼ中心あたりで偏りの少ない判断が生じることがあり、これを中心化傾向(中心傾向)という。

デマ demagogy
 情報操作のために、意図的に流される情報。デマ情報の送り手は、政治的・経済的・社会的な意図を実現させるために真実でない情報を流し、社会情勢が緊迫した状況などでは急速に広まる可能性がある。

転移 transfer
 学習心理学の用語。前に学習したことが後の学習に影響を及ぼすこと。

てんかん epilepsy
 てんかん発作を主症状する慢性の大脳疾患で、DSM-Wでは「いろいろの病因によって生じる脳の慢性疾患であり、てんかん脳波を伴う発作の反復出現を主徴とするが、その症状や検査所見(脳波など)はいろいろで一律ではない」病態であると定義されている。治療は主に抗てんかん薬による薬物治療で、90%に近い確率で発作をコントロールすることができる。

転換性障害 conversion disorder
 以前は転換性ヒステリーと呼ばれていた神経症群。検査をしても器質的な以上は見つからないにも関わらず、歩けない声が出ないなどの運動麻痺、失明などの感覚異常が現れる。

動因/誘因 drive/incentive
 個体の維持と種の保存のために行動を生起させる内的状態が動因、外的条件が誘引である。動因は内側から動物を押す力であり、誘引は外部から動物を引く力である。行動の生起に両者が必要であり、総称して「動機」という。

投影 projection
 防衛機制の1つ。自分の持っている受け入れがたい感情や衝動などを、他の人のものとすること。たとえば自分が相手のことが嫌いなのに、それを無意識に抑圧し、相手が自分を嫌っているのだと考えること。

投映(影)法 projective technique
 性格検査のカテゴリーの1つ。外部からの観察や意識的内省によっては直接捉えることのできない人格構成要因や構造様式、あるいは知覚機能や認知の成立過程を理解する方法を指す。新奇で構造化されていない多義的な刺激と、自由度の高い反応を求める教示とが作り出す全体としてあいまいな刺激状況を提供する。あいまいで多義的な図柄や言葉を知覚する際にその人固有の欲求や情緒が投映される、という考え方に基づく。質問紙法よりも深い深層心理を読み取ることができると考えられており、回答者が意図的に回答を歪曲しにくいという利点がある。一方で、検査施行には相当の熟練が必要とされ、解釈も難しく人によって解釈の仕方が異なるという問題点もある。ロールシャッハ・テスト、TAT、P-Fスタディ、SCT、バウムテストなどがある。それぞれの詳細はこちら

特殊飢餓 specific hunger
 特定の栄養分(タンパク質、脂肪、ビタミン、塩分など)や体内成分が欠乏した際に、それを含む食物を食べたくなること。食行動におけるホメオスタシス機能と考えられる。カフェテリア実験で証明された。

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な・に・ぬ・ね・の

内因 endogenous origin
 精神疾患の病因は内因、外因および心理的要因(心因)に大別される。 内因とは個人のもっている素因や脆弱性のこと。外因は身体や脳機能に作用する物質や脳・身体自身の器質的疾患過程のこと。心理的要因は環境要因や環境要因からくるストレスなどのこと。

内言/外言 inner speech/outer speech
 ヴィゴツキーは人間の発話レベルを内言と外言の2つに分けた。内言は音声を伴わない自分自身の思考の道具としての内的言語であり、一方、外言は他人に向かってもちいられる通常の音声を伴う音声言語であり、主として伝達の道具としての社会的言語である。 したがって外言は、文法的整合性や意味内容に関してつねに相手に伝えるための配慮がなされているのに対して、 内言では文章の圧縮・省略が多く、その内容を第三者が理解できないことが多い。

内在化 internalization
 社会的規範や価値など外界のものを、自分のなかに取りこんで、自分自身がそれに合った規範や価値を身につけるように変化していく過程。規範を内在化することを社会化ともいう。

ナルコレプシー narcolepsy
 睡眠異常に分類される睡眠障害の1種。 ジェノリー症候群とも呼ばれる。ナルコは”麻痺・脱力”、レプシーは”発作”の意味。昼間の激しい眠気、情動刺激によって誘発される急激な筋緊張の消失(カタプレキシー cataplexis)、入眠時の幻覚、金縛りのような睡眠麻痺が4主兆候。睡眠発作は、少なくとも3ケ月以上持続することが、鑑別の基準 となっている。発生率は1万人に3〜6人ほどといわれるが、日本人の発症率は高いと言われ、1000人に1人とも言われる。。

ネオテニー neoteny
 いまだ幼形にある個体が生殖活動を行うこと。今日では近縁の複数の種間で、一方の種では幼形 である段階の形質が、他種では発達の完了段階であるにもかかわらず、なお保持されている場合の後者のことを意味することが多い。具体的に説明すると、 人間は成人しても新生児期の特徴を保っている。人間の新生児とチンパンジーの新生児は似た特徴を持つが、チンパンジーが成長するにつれて 毛が濃くなっていったり、アゴが発達したりするのに比べて、人間は体は大きくなるが新生児期の特徴を残して発達する。ネオテニー化することによって 臨界期を長く取り、多くのことを吸収できるようになったため、人間が他の動物に比べてすばらしい進歩を遂げたのではないかと言われている。

ネオフォビア neophobia
 新奇恐怖。慣れていない新奇な刺激に触れたとき、それを避けようとすること。

日常いらだち事 daily hassless
  ライフイベントのような人生の中の大きな出来事ではなく、日常生活の中で頻繁に繰り返し経験される、ストレスとなるような出来事。


’喉まで出かかる’現象 tip-of-the-tongue phenomenon;TOT phenomenon
 思い出せそうで、なかなか思い出すことのできない、どうしても思い出せない現象。

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は・ひ・ふ・へ・ほ

バイオリズム biorhythm;biological rhythm
 生体に生得的に備わっている生活リズム。行動、体温、ホルモン分泌などの多くの生命活動がある一定の周期で変動していること。 概日リズムなど。人間の場合には身体(23日周期)・感情(28日周期)・知性(33日周期)の3つのリズムの波があると言われている。

箱庭療法 sandplay technique
 クライエントが砂の入った木箱に、さまざまなミニチュアを置いていく、また砂で山をつくるなど、言葉では尽くせないような象徴的な表現をする心理療法。箱庭療法のみで心理療法を行うことはなく、一つのツールとして用いられる。

パーソナル・スペース personal space
 R.ソマーによって「個人を取り巻く持ち運び可能な目に見えない境界領域で、そのなかに他者が侵入すると心理的に不快感を感じる空間」と定義された。具体的内容については、Topicsのパーソナル・スペースを参照。

発達の最近接領域 zone of proximal development
 ヴィゴツキー提唱。子どもの精神発達には2つの水準があると考え、子ども自身が自分だけで達成できる発達水準と、他者からの援助や協同によって達成できる水準があるとした。そして、この2つの水準のズレの範囲を発達の最近接領域とよんだ。教育は、この最近接領域に適合したものでなくてはならないと考えられる。

パラノイア paranoia
 古くはヒポクラテスの記述にもある。妄想症・偏執症などと訳され、クレペリンが「内的原因から発生し、思考・意志・行動の秩序と明晰さが完全に保たれたまま徐々に発展する、持続的でゆるぎない妄想体系である」と定義する機能性精神病。DSM-Wでは妄想性障害(delusional disorder)に分類される。

バーンアウト burnuot syndrome
 燃え尽き症候群。実現が難しい目的を掲げ、それを達成するために頑張り過ぎて、体力、精神力を消耗してしまう状態。教育・福祉・医療など対人サービス業に携わる人に多く見られる。使命感に燃え、必死で仕事をやってきたが、成果が上がらなかったり、評価されなかったりと報われず、今までやってきたことに意味を感じず、無力感に襲われたり欲求不満がたまって起こる。

☆(観測値の)範囲
 観測された数値の最大値と最小値の差。

反動形成 reaction formation
 防衛機制の1つ。受け入れがたい衝動や観念が抑圧されて無意識的なものとなり、 意識や行動面ではそれとは反対の言動に置き換えることによって、抑圧を強めようとする心的過程。たとえば、憎しみや攻撃的な感情が抑えれている場合に、意識面では過度に優しく親切な態度で接するなど。

ハンフリーズ効果 Humphrey's effect → 部分強化効果

引きこもり social withdrawal
 一般には、不登校や出勤拒否をしている人たちなどが自宅や自室で一日の大半を過ごし、人間関係(特に拒否する対象との関係)を忌避している反福祉的な状態を指す。対人恐怖症などの神経症や気分障害、人格障害が認められる場合もあるが、引きこもり自体が問題の中心となる人がかなりいると推測される。不登校がきっかけとなることが多く、男性に多い。10歳代後半〜20歳代前半で始まり、数年に及ぶケースもあって事態は深刻である。

ピグマリオン効果 Pygmalion effect
 他者に対する意識的・無意識的な期待が相手に伝わり、期待通りになること。ピグマリオンという名前はギリシア神話からとったものである。Topicsのピグマリオン効果参照。

否認 denial
防衛機制の1つ。受け入れられない出来事を拒絶して、不快な体験をみとめないようにする心理理的な働き。

不安 anxiety
 対象のはっきりしない漠然とした”恐れ”を感じている状態を指す。対象が明確な場合は恐怖と呼ばれるが、最近では対人不安、テスト不安など特定の対象があるものにも使用され、明確な区別はなされていない。

フェティシズム fetishism;fetish
 性的倒錯の一つ。身体の一部や身に着けているものに対する性愛。男性に多く女性にはまれ。DMS-Wでは、社会的、職業的もしくは他の重要な領域において 著しく障害をきたしている場合、という診断基準を定めている。

ブーメラン効果 boomerang effect
 説得者の意図した方向と逆の方向に受けての態度が変容してしまう現象。説得への抵抗のなかでも動的・積極的なものである。

フラッシュバック flashback
 過去の出来事をあたかも今体験しているかのように想起することをさす。心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状の1つとして注目されている。

ブレーンストーミング brain-storming
 アメリカの心理学者のオズボーンによって考案された発想法で、独創的なアイデアを生み出すために、集団の機能を利用した集団思考法。ブレーンストーミングの目的は、発想をまとめることではなく、あくまでもより多くのアイデアを産出することである。

部分強化効果 partial reinforcement effect
  連続強化条件よりも部分強化条件の方が消去抵抗が強いこと。S-R説では、連続強化条件の方が消去抵抗が強いと考えられていた。

ペニス羨望 penis envy
 精神分析学の概念。女の子が自分にペニスがないことに不満を感じ、ペニスに対して怒りや羨望を無意識に抱くこと。

防衛機制 defence mechanisms
 不安や抑うつ、罪悪感、恥などのような不快な感情の体験をしたときに、自我の安定が脅かされないように自動的に働く心理的なメカニズム。防衛機制の内容として、抑圧・対抗・置き換え・反動形成などがあげられる。防衛機制自体は 誰にでも認められる正常な心理的作用で、人によってよく使われる防衛機制がある。実際には問題を解決せず現実を歪めることで一時的な安定を図るもので、長期にわたるあるいは不適切な防衛機制は神経症などの不適応を引き起こす。

包装効果 packaging effect
 →論理的過誤

ホスピタリズム hospitalism
 施設入所児の死亡率、心身および言語・行動・社会性などの発達遅滞の発生率が顕著に高いことを指して言われた。後のボウルビィの研究により、ホスピタリズム研究から発展して、マターナルディプリベーションの理論として体系化された。

補償 compensation
 防衛機制の1つ。劣等感を感じている事柄に対し、ほかのことで優位に立つことによって劣等感を補おうとすること。たとえば、勉強ができないからスポーツに打ち込んで認められようとするなど。

没個性化 deindividuation
 集団的状況では個人状況と異なり、いつもは抑えられていた言動、特に反社会的、攻撃的、刹那的、非合理的な言動を取りやすくなるという現象を扱った概念。暴動などにおいて、暴力行為が過激化するのはこの現象が起こるからである。

ホメオスタシス homeostasis
 生命体が生命を維持するために、内的な平均状態を維持しようとする自動的な機構や過程のこと。体温が上がったときに発汗をして体温を下げるなど、環境の変化に対して諸器官を変化させる働き。

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ま・み・む・め・も

マザリング mothering
 主としてスキンシップを 通じて与えられる養護行動であり、顔を見る、笑いかける、話しかける、あやすなどの行動も含む、親や養育者などが乳児に与える母性的なかかわりを意味する。

水がめ問題 water-jar problem
 異なる容量の水がめABCの3つを使って、ある量の水をはかりだすという、ルーチンスが問題解決における構えの実験に使った問題。

水中毒 
 大量の水を摂取することにより、希釈性の低Na血症を起こし、意識障害やけいれん発作などの症状を呈する状態を言う。低Na血症とは、電解質の1つであるナトリウムが水で希釈されてしまうことによって起こる症状。精神科の患者によく見られる。

妄想 delusion
 現実的にはありえないことを現実検討能力が障害されているために、 強い確信を持って信じていることであり、他の人によって訂正できない信念のこと。

燃え尽き症候群→バーンアウト

モデリング modeling
 バンデューラが従来の模倣や同一視といった概念を包括する高次の認知学習として提唱した用語。他者の行動やその結果を観察することにより、観察者の行動に変化が生ずる現象。モデリングの対象は実在する人間に限らず、 たとえば漫画の主人公などもありうる。報酬などの外的強化は、モデリングの促進条件となるものの必要条件ではないことや、学習とその表出は別個のものであることなどが明らかにされている。

喪の仕事 mouning work
 愛着のある対象の喪失のよって生じる悲嘆の苦しみを乗り越えていく心的プロセスをS.フロイトは喪の仕事とよんだ。「対象」となるものは現実の人間だけでなく、幻想上の自己像や恋人像、若さや健康、仕事や財産なども含まれる。人間は時がたてば自然に失った対象を忘れてしまうのではなく、さまざまな感情体験を繰り返し、悲しみと苦痛の心的過程を通して初めて対象喪失に対する断念と需要の心境に達することができる。

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や・ゆ・よ


ヤーキーズ=ドッドソンの法則 Yerkes-Dodson's law
 極度の高ストレス下や極度の低ストレス下にある場合には、適度なストレス下にある場合に比べて、記憶や知覚の正確さが劣ること。ヤーキーズとドットソンはネズミを使った実験で、覚醒レベルと学習パフォーマンスの間には逆U字曲線型の関係があることを明らかにし、後に人間でも情動ストレスと知覚や記憶のパフォーマンスとの間に同じ関係が成り立つと考えられるようになった。

役割 role
 個人が集団の中で占めている地位、ないし位置にふさわしいものとして期待されている行動様式をさす。

役割葛藤  role conflict
 社会で生活していくには、いくつかの役割を担わなければならない。たとえば、既婚の中間管理職の男性を例にすると、部下としての役割、上司としての役割、親としての役割、夫としての役割・・・、 というように個人がいくつかの役割を担っている。 役割葛藤とは、複数の役割が相互に矛盾する状況下で、一定の緊張が生じることをいう。

誘発刺激 eliciting stimulus
 反射を引き起こす環境内の刺激のこと。

誘発性 valence
 対象が人をひきつけたり避けさせたりさせる性質であり、人をひきつける誘発性を「正の誘発性」といい、回避させるものを「負の誘発性」という。レヴィンが提唱した力学的心理学における概念。

抑圧 repression
 防衛機制のなかでも最も基本的なもので、しばしば他のものとともに作用する 。意識していると苦痛を伴う観念、感情、思考、空想、記憶を意識から締め出そうとする無意識的な心理的作用。親や兄弟に向けた憎しみの感情が意識されないなど。意識的に行う抑制とは異なる。

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ら・り・る・れ・ろ

ライフスタイル life style
 個人のもつものの見方や考え方、生き方。 アドラーが提唱。

ラポール rapport
 心理療法において、治療者(面接者)とクライエントの間に存在する相互に相手のことを尊重し、信頼している温かい人間関係をさす。ラポールは心理療法の中で最も重要なファクターであり、どの理論に基づく場合にも面接初期に良いラポールが形成することが課題となる。

リアクタンス →心理的リアクタンス

流言 rumor
 ある集団や社会の中で、情報内容について事実の検証がなされないまま、人から人へと連鎖的に広がっていく言説。

両面的コミュニケーション
 情報の送り手が意図する方向に有利な情報だけでなく、不利な情報も提示する説得が効果的であること。受け手が高い学歴(教養)の持ち主、その事柄について十分な知識をもっている、説得の方向とは反対の立場にいる場合に効果的であるとされる。

臨界期 critical band
 生物がある特性を獲得するのにきわめて効率よく行われる時期があり、時期を逃すとその学習が難しくなる。たとえば、言葉の獲得は幼いころには著しく発達するが、それ以降は獲得しにくくなる。臨界期の多くは、幼少期にあるが、その時期はごく限られたものと考えられていたが、もっと緩やかなものであるという考え方が出てきて、敏感期(sensitive period)とも呼ばれている。

臨床心理士 clinical psychologist
 心理学の知識・技法をもとに、心理的な問題を抱えるクライエントを援助する心理療法・心理相談に携わる専門家の総称。現在は法人資格であり、どのように国家資格へと発展してくかが今後の課題になっている。

レジリエンス resilience
 困難な状況にも関わらず、うまく適応する過程、能力、および結果のこと。レジリエンスは、強さによっては折れてしまうような強さではなく、困難な状況に陥ったとしても、 それに押しつぶされないで進んでいける力であり、弾力性を持ったしたたかな強さである。

レスポンデント行動 respondent behavior
 スキナーは行動をレスポンデント行動とオペラント行動とにわけた。レスポンデント行動とは、誘発刺激によってひきおこされる反応(刺激-反応タイプの反応)である。レスポンデント行動には生得的な反応と学習される反応とがある。

劣等感 inferiority feeling/inferiority complex
 容姿、知的能力、性格、社会的地位、財産などが他人よりも劣っているという感情。必ずしも客観的に劣っているわけではなく、本人の主観的な思い込みにより生じることが多い。一般的には劣等感=コンプレックスと思われているがそれぞれ別の概念で、劣等感がコンプレックスを形成すると、劣等感コンプレックスと呼ばれる。

レット障害 
 1966年にウィーンの小児科医レットによって初めて報告され、広汎性発達障害に分類される。すべて女児で、短期間の正常の発達の後、0歳代後半に、ふつうはてんかん発作によって始まり、発達の停止と退行を示すようになる。最大の特徴は、手を道具として用いることができず、その代わりに両手をもみ合う「手もみ行動」などの、独特の自己刺激行動を繰り返すことである。周囲への関心はほとんど見られず、いつもにやにやした笑顔をたたえている。てんかん発作があり、重度または最重度の知的障害を伴う。

レディネス readiness
 ある特定の事柄を学習するには、学習者が一定の発達を遂げていることが必要であるが、そのような学習成立のための準備性のことをレディネスという。 たとえば、書き言葉を学習するためには話し言葉が十分に発達していることが望ましく、この場合話し言葉は書き言葉の学習のレディネスといえる。

REM睡眠 Rapid Eye Movement Sleep
 急速眼球運動(Rapid Eye Movement)が見られる睡眠状態のこと。成人では入眠後約90分の周期をもって一晩に4〜5回出現する。覚醒パターンに近い脳波を示し、夢を見ていることが多いという(ノンレム期にも夢を見ることがある)。REM期を選択的に剥奪すると、イライラや不安感が生じるなどから、REM期は重要視されている。

ロボトミー lobotomy
 前頭連合野と脳のほかの部分をつなぐ神経線維の切断手術のこと。精神分裂病や、凶暴な性格の人に対してこの手術をすることにより、性格や行動の改善が見られたことから1930〜60年代に盛んに行われた。 しかし、その手術を受けたはことごとく無関心・無感動・無気力になったため、現在ではこの手術は行われることはなくなった。

論理的過誤 logical error
 頑固な人は怒りっぽいというように、ある特性を持つ人は必ず他の特性を持つと判断すること。


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ワード=ボヴランド現象 Ward-Hovland phenomena
 通常、記憶の保持は時間が経てば経つほど減少していくが、記憶直後よりもある程度時間が経った後の方が再生がよい場合がある。これをレミニセンスという。レミニセンス現象の報告には 2種類有り、有意味な記憶材料で数日間にわたってみられるレミニセンスをバラード=ウィリアムズ現象 といい、無意味つづりなどの記憶材料で数分の短い時間内にみられるレミニエンスを ワード=ボヴランド現象という。

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