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 臨床心理士の収入について 

臨床心理士になろうとしている方の一番気になるところとして、収入の面があるでしょう。
お金のためだけにやるべき(できる)仕事ではありませんが、お金の面はとても現実的な問題です。
しかし、臨床心理士の収入のホントのところはあまり公になっていません。
臨床心理士会が数年に一度行っている調査結果では、年収200〜1000万とかなりのひらきがあります。
第5回臨床心理士会の動向ならびに意識調査」について:別ページ
年収200万というのはかなりの若手か、もしくは配偶者がいてパートタイムで働いている方(子育て中など)だと思います。
(20歳代17.6%、30歳代39.8%。女性75.1%)
一方で、1000万というのは大学教員、医師臨床心理士、いわゆる”有名人”で講演に引っ張りだこの先生しかいないでしょう。
ボリュームゾーンは300〜500万(36.4%)です。
一人で暮らしていくためには困りませんが、色々な生活設計を考えるとけっこう厳しいのが実際のところです。

私自身の経験と求人情報から、どういった働き方をすればどのくらいの収入になるのか
一般的な職域で考えてみましょう。

 教育領域 
教育相談所とスクールカウンセラー(SC)が中心的なところです。
SC
は都道府県・政令指定都市等によって若干異なりますが、
関東の都県・政令指定都市では時給5000円前後であり、
1日で年間140〜150万円程度です。
2SCをすれば280〜300万ですね。
東京都の場合は区でも採用しているところがありますが、
時給は3000円程度になります。(資格取得見込みの場合はそれ以下)
私立中・高校でも最近は採用している所があります。
時給は30005000円くらいが多いようです。
私立の場合はごくまれに常勤採用をしているところがあります。

教育相談所は区市町村での採用になることが多いと思います。
多くの場合週45日勤務で、月給2025万くらいです。
ボーナスはないことが多いので、月給×12か月分が年収になります。
240
300万ってところですね。
もう1日を都道府県採用のSCをやれば380440万程度になります。
そう考えるとけっこうもらえる感じがあるかもしれませんが、   
資格取得後すぐにこの状態になれると考えるのは甘すぎです。
早くても3年目以降と考えてください。特に関東圏のSCは飽和状態です。

教育関係の中でも平均相場が比較的高いのが大学の学生相談です。
時給40006000円くらいが多いです。(大学によっては2500〜3000円のところもあります)
ただし、ほとんどの募集が即戦力を求めており、
資格取得後経験年数510年は求められ、医療機関での経験が必須に近いです。
20
代ではなかなか就くことは難しいでしょう。
(管理人はCP5年目で就きましたが、コネが多少利いています)
学生相談の常勤採用の場合は、職員もしくは教員に準ずる給与になるので
心理臨床の中ではかなり安定した収入になります。

 医療領域 
病院・クリニックがありますが、給与水準はかなりマチマチです。
常勤か非常勤で大きく異なります。
まず常勤ですが、クリニックで常勤採用しているところは多くありません。
常勤の多くは病院です。
常勤の場合、週5日勤務で月給2025万くらいの採用が多く見られます。
それなりの
昇給はあるようですが、臨床心理士の病院の中での
地位は一般的に最下層なので、上がり幅はそれほど期待できないことが多いようです。
ただし、ボーナスがあることが多く、年24か月分支給されればそれなりの年収にはなります。
さらに、保険や住宅手当などが手厚いことが多いです。
非常勤の場合、時給になりますが安いところだと1000円(切ることも)、高いところでも
2000
円もらえるところは多くはないですね。
日給で7000円〜15000円くらいと考えてください。
クリニック付属の相談室に勤務になることもあり、中には歩合制のところもあります。
歩合制であれば、カウンセリング料の半分程度をもらえることが多いので、
単価は比較的良いですが、安定はしません。

 私設相談機関 
歩合制のところが多いです。
カウンセリング1件2000〜3000円程度が主流。経験年数によります。

 産業領域 
企業内相談室とEAP専門機関に大きく分かれます。
企業内で専属カウンセラーを雇っているのはかなり稀です。
給与はその企業の一般的な水準になるようです。
専属カウンセラーを雇っている企業は有名企業がほとんどなので、それなりの給与水準のようです。
最近増えているEAP機関は常勤採用が多く、給与は一般企業にかなり近いです。
月給2528万程度が多いように見受けられますが、3年程度の臨床経験を求められることが多いです。

 福祉領域 
軒並み安い傾向です。常勤採用で月給1822万くらいが多いように見受けられます。
恐らく、昇給はあまり見込めないと思います。ただし、臨床経験なくても採用してくれることが多いようです。
(昇給見込みが薄いので、数年で去っていき、シニアクラスは来てもらえないのかもしれませんね)

さて、ここまでは一般的な話でした。
修了初年度は300万いかないことも多いと思います。運よく常勤採用されればギリギリいくかもしれませんが
非常勤かけもちなら難しいでしょう。
2(CP1
年目)5年目くらいにかけて仕事が巡ってきて、50100万単位で年収が上がっていき、
400
万くらいは確保できるようになると思います。(20119月現在修士修了6年目の管理人の経験上)
1年目としては、月20万(日給1万)・年収240万を一つの目処(最低ライン)にされるといいのではないかと思います。

もう少し具体的にイメージしやすいように管理人のこれまでの収入について紹介します。
(はっきり金額を書きたいところですが、関係各所に迷惑がかかるかもしれませんので、少しぼかします)

修士修了1年目

 

勤務時間/

勤務日数/

給与形態

月収

某機関電話相談員

7時間

2

日給

8万程度

某大学実験室TA

7時間

2日(6月まで3日)

時給

810万程度

某クリニックデイケア(7月〜)

23時間

2週に1

日給

12万程度

某大学研究補助(11月〜) 3.5/7時間

1.5

時給

6万程度

合計

3035時間/

4〜6日/

 

18〜23万程度

月収は夏期など長期休みが入ると変動大。年度途中まで週4日程度だったため給与年収200万ちょい+副収入●●万。

 

修士修了2年目(臨床心理士1年目)

 

勤務時間/

勤務日数/

給与形態

月収

某機関電話相談員

7時間

1

日給

4万程度

某大学実験室TA

7時間

2

時給

8万程度

某大学研究補助

3.5/7時間

1.5

時給

6万程度

某クリニックデイケア

23時間

2週に1

日給

12万程度

某クリニック

89時間

1

時給

4万程度

合計

4043時間/

5.56/

 

2223万程度

月収は夏期など長期休みが入ると変動大。給与年収約300+副収入1●●万。

 

修士修了3年目(臨床心理士2年目)

 

勤務時間/

勤務日数/

給与形態

月収

某大学非常勤講師

3時間(2コマ)

0.5

コマ月給

4万程度

某大学研究補助

7時間

2

時給

8万程度

某クリニックデイケア

23時間

2週に1

日給

12万程度

某クリニック

89時間

2

時給

8万程度

合計

3537時間/

4.55/

 

2223万程度

月収は夏期など長期休みが入ると変動大。給与年収300万程度と横ばいですが、勤務日数・時間が減りました。+副収入●●万。

 

修士修了4年目(臨床心理士3年目)

 

勤務時間/

勤務日数/

給与形態

月収

某大学非常勤講師

3時間(2コマ)

0.5

コマ月給

4万程度

某クリニック

89時間

2

時給

89万程度

某教育機関カウンセラー

4時間

0.5

時給

56万程度

某自治体SC

69時間

1

日給

12万程度

合計

3035時間/

4/

 

2830万程度

給与年収350万程度+副収入●●万。【年間休日数:147日 半日勤務日:73日】(休日の研修会・学会等の参加あり)

 

修士修了5年目(臨床心理士4年目)

 

勤務時間/

勤務日数/

給与形態

月収

某大学非常勤講師

3時間(2コマ)

0.5

コマ月給

4万程度

某クリニック

89時間

2

時給

810万程度

某教育機関カウンセラー

45時間

0.5日×2

時給

1011万程度

某自治体SC

69時間

1

日給

12万程度

合計

3438時間/

4.5/

 

3437万程度

一人暮らししてても貯金は多少出来ます。給与年収420万+副収入●●万。SCは就業時間6時間の契約でも、残業にならない日はほぼなし。残業代は出ません。【年間休日数:138日 半日勤務日:60日】(休日の研修会・学会等の参加あり)

 

修士修了6年目(臨床心理士5年目:現在)

 

勤務時間/

勤務日数/

給与形態

月収

某大学非常勤講師

1.5時間(1コマ)

0.5

コマ月給

2万程度

某クリニック

89時間

1

時給

5万程度

某教育機関カウンセラー

45時間

0.5日×2

時給

1011万程度

某大学学生相談

67時間

2

月給

26万程度

合計

3035時間/

4.5/

 

4345万程度

給与年収530万+副収入●●万。残業の多い業種のサラリーマンの1/22/3くらいの時間しか働いてないだろうから金額的には満足です。平日に午前休みの日があるのでいろいろ便利です。総残業時間が前年に比べて減りました。8-9月、2-3月は大学などの勤務日が減るので、週2〜3日程度の勤務になるのもうれしいところです。【年間休日数:151日 半日勤務日:57日】(休日の研修会・学会等の参加あり)

 (クリニック以外は残業しても残業代はでません。また、クリニックの場合は残業したくても
診察が終了してしまえば残業ができません。
上記の勤務時間はあくまでも事業所にいる時間です。掛け持ちをしていると、業務時間外の
メールや電話での業務連絡や書類作成なども多くなり、自宅での仕事は週2〜3時間になります。 )

上記は基本業務によるコンスタントな月給・年収です。非常勤なのでボーナスはありません。
イレギュラーで仕事が入ることもあり、年に1020万程度の追加収入があります。
また、管理人にはいくつかの副収入があり、副収入を合わせると、
一般的なサラリーマンと同等の水準と思われます。

現場に出て5年目でとりあえずある程度満足のいく給与年収になり、 6年目には十二分な給与年収になりました。
全体の勤務時間と業務内容、なにより自分の実力を総合して考えると、現時点では120点です。

以上、参考になりましたでしょうか。見ていただいて分かるように、私の働き方は複数掛け持ちで、
一つのところからの収入は小さなものです。それをかき集めに集めて生活をしています。
さらには、副収入に頼っているところもあります(頼れるように準備してきました)。
これは、私のスタンスですので同じように考える必要はありません。
毎年45箇所の掛け持ちを続けてきましたが、周りにこんな掛け持ちをしている人はいません。
多くて3つくらいです。たまたま見つけたり、声をかけてもらった仕事を組み合わせていったら
結果的にそうなっただけです。
また、12年目は臨床の仕事よりも研究・教育の方が割合として多かったです。
これは後期課程に進学したこともありますが、臨床の仕事がうまく見つけられなかったことも要因です。
いわゆるキレイな臨床の仕事に最初からありつけるとは思わないでください。
最初の23年はじっと我慢をする期間と考えてください。

純粋に年収のことだけを追い求めれば、私の例よりももっと稼ぐこともできます。
私は、CP1年目からSCは務まらないと思い、3年目まで応募しませんでしたが、
周囲には1年目から応募し採用されている人も多くいます。
また、私はCP3年目にはSCを週2日、4年目には週3日にすることもできましたが、
(複数の自治体のSCに応募し、採用されたが1つ以外は辞退)
仕事全体のバランスや将来的な展望などを考えてCP3年目・4年目ともに週1日に留めておきました。

もし受けていたら、CP3年目で給与年収450万、4年目で給与年収600万、6年目(例:SC3日、学生相談2日)で750万くらいにはできました。
また、CP3年目に運よく大学助教になるチャンスもありましたが、あまり評判の良い大学ではなかったことと
長い目で自分のキャリアを考えたときに必ずしもプラスにならないと思い、辞退しました。
もし、そこでそちらにいっていたら、年収はどうなっていたか分かりません。
年収をあげることも大切でしょうが、この仕事はいかにクライエントに資するか、です。
そのための研鑽の時間と自分のゆとりがないとできないものと考えています。

何かご質問があればメールにて。 心理学入門講座ホームへ

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