質問紙法 questionnaire method
 

調査対象者の属性、心理状態、パーソナリティ特性、行動傾向などを紙面に書かれた質問項目に回答させ、その結果を一定の基準に従って整理する方法である。あらかじめ設定された選択肢から当てはまるものを選ぶ形式と、自由に記述する形式とがある。短時間で一度にたくさんの対象者に実施でき、実施と結果の整理が簡単である点、実験者の主観的解釈が入りにくい点が長所である。短所としては、回答者が意図的に回答を操作できる点、回答者の読解能力に問題がある場合には不適当である点があげられる。

Y-G性格検査 Yatabe-Guilford Personality Inventory
  ギルフォードらの研究に基づいて、矢田部らが因子分析を用いて日本人用に作りなおした性格テストである。一般用の場合、抑うつ性、協調性、活動性など12の性格特性に関する質問がそれぞれ10項目ずつ、合計120項目ある。一般用(成人用)のほか、中学生用、小学生用もある。
  利用方法は12の性格特性それぞれについて評価したり、12の性格特性を情緒の安定性、社会的適応性、内向性(外向性-内向性)の3つのグループに分け、それを基準にA〜Eの5つの性格類型に分類して、性格傾向を捉える。
  実施・採点が簡便であるため、多くの領域で用いられる。

ミネソタ多面的人格目録 Minnesota Multiphasic Personality Inventory
  1940年にミネソタ大学のHathaway,S.R.とMckinley,J.C.によって発表された人格目録である。550項目の質問(短縮版は383項目)にそれぞれ「そう」「ちがう」「どちらでもない」のいずれかで答える。心気症、ヒステリー、うつ、精神病的偏倚、パラノイア、精神衰弱、精神分裂病、軽躁病の各傾向を測定する臨床尺度に加え、回答者の検査に対する態度を測る妥当性尺度が備わっており、嘘やでたらめを書くと見破れる仕組みになっているので、結果が信頼できるかどうかを知ることができる。
  項目数が多いので、実施に時間がかかるのが難点であるが、医療領域では比較的多く用いられる。また、MASなどこの尺度の項目から作成された尺度も多い。

顕在性不安検査 Manifest Anxiety Scale
  Taylor,J.A.がMMPIの550項目の中から、個人が意識している不安感や不安と関連した身体感覚を表現している50項目(+15項目の妥当性尺度)を抽出し、作成した。MASで測定する不安は、顕在性の不安であり、特性不安である。被検査者の主観のみに頼る方法であるので限界がある。

STAI 状態-特性不安検査 State-Trait Anxiety Inventory
  スピルバーガーらが作成した不安を測定する質問紙。この質問紙で測定される不安は、今現在感じている不安である状態不安と、普段感じている不安である特性不安の2つに分けられている。各20項目、計40項目から成り、4段階で回答する。

SDS ツァン自己評価式抑うつ尺度 Zung's Self-Rating Depression Scale
  ツァン(ツング)の開発した、抑うつの重症度を評価する質問紙。20項目の質問に対し、4段階で自己評定する。感情・生理・心理面の症状についての項目がある。20項目のうち半分の10項目が逆転項目となっており、被検者にパターンが分かりにくくなっている。うつ病・うつ状態のスクリーニングや、うつ病の治療効果測定などの目的に使用される。項目数が少ないので何事に対してもやる気がおきないうつ病患者にも実施することができ、採点も簡便である。

エゴグラム:egogram
  交流分析で用いられる、親・大人・子どもの3つの自我状態のバランスを棒線あるいは折れ線グラムで視覚的に表したもの、またはそれを作るための標準化された質問紙自体を含めて指すこともある。親の自我状態はさらCP(critical parent)とNP(nurturing parent)とに分けられ、子どもの自我状態はFC(free child)とAC(adapted child)とに分けられ、大人の自我状態はA(adult)と表記される。施行・採点が簡便であるため、使用頻度が高い。産業領域で従業員の自己理解に役立てるために用いられることも多い。

MPI:モーズレイ人格目録 Maudsley Personality Inventry

 Eysenckによる、神経症的傾向(neuroticism)と外向性-内向性(extraversion,introversion)というパーソナリティの2つの独立した因子を測定する質問紙。回答の虚偽性を測定する虚偽尺度も備えている。神経症傾向24項目、外向性-内向性24項目、虚偽尺度20項目からなり、はい・いいえ・どちらでもないで回答する。日本での使用頻度は高くない。

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