7年に及ぶ大信州酒造移転計画の最終章です。 北アルプスのシルエットと、伝統的な酒蔵の群立した姿をモチーフに、 切妻屋根のシンプルで象徴的な外観をデザインしました。 今回設計した建物は、仕込蔵棟と事務所棟に分かれ、2階を渡り廊下でつなげています。 仕込蔵棟は、黒しっくいをイメージするマットブラックで重厚感を、 事務所棟は、マットホワイトで明るく華やかな雰囲気を作り出しました。 内装は鉄骨造の無機質な雰囲気を抑え 木質感を全面に、暖かく柔らかな空間を意識しました。 大信州酒造では「田んぼ散策ツアー」をはじめ、 「新酒蔵出し」「手いっぱいの会」等の試飲会を催し、その活動を通して 地域交流と発信を行ってきました。 この建物群がその受け皿となり、新たなコミュニティが 形成されることを願っています。 設計:勝家建築研究室 施工:神稲建設株式会社 中信支店 外観 明治から続く造り酒屋の、今は使われていない煙突は この蔵のシンボルとして一部残しました。 |
外観 黒しっくいをイメージした仕込蔵です。 |
正面入り口 既存の酒蔵で使われていた梁や、土蔵の大戸、古い御影石を 使っています。 看板は杉板に揮毫していただきました。 |
会議室 酒蔵で使われていた梁には明治13年5月19日とありました。 |
事務室 床はチェリーのフローリング。 天井は一部吹き抜け。 ¥ |
渡り廊下 防火区画のドア。 |
酒蔵の作業室への通路と階段。 |
階段は鉄骨造ですが、踏み板は木を使って柔らかく。 床はメープルフローリング |
仕込蔵 中2階 仮設の床は無垢の杉板、 ここで仕込み作業を行います。 |
仕込蔵 杉板床のスリットから漏れる光が幻想的です。 |
作業室 |
蒸米、放冷場 |
洗米場 |
仕込蔵ホールから 分析室を望む |
事務所棟2階 |
水田に囲まれた5月頃の夕景と北アルプス |
長野県一級建築士(設計士)事務所・勝家建築研究室
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