「私はこの無限城の上層階、バビロンシティの出身者。


それは紛れもない真実よ。」





















Existence

-無限城"IL"奪還作戦!-

11





















しばしの沈黙。

の放った言葉とともにそれはその場を流れた。

赤屍はピクと眉を上げ、マクベスは真剣な表情の面持ちでいた。

先ほどの艶然とした笑みもなく、ただ静かに。



「…なるほどね……どおりで謎が多いワケだ、君は。


どうも無限城に詳しいと思ったんだ。

地下のことから地図なしでここまで来たことについて。

最初は勘がいいのかと思ったんだけれど…どうやらそうでもないみたいだね。






…それに、鏡君とも大分仲がいいようだし。」




「…私はあくまで元バビロンシティの出身者よ。

今は無限城を離れて暮らしてる。


それに、鏡君は私の無限城時代にお世話になったの。

まさか今回本当に彼に会えるとは思っていなかったけれど。」


でも、なぜこっちに来ているのかよくわかったわ、と

が言うと、マクベスは再びクス、と笑みをみせた。



「…言っておくけど、私にバビロンシティのことを聞こうと思っても無駄だと思うわよ?」


「どうして?」


「……あそこは出身者である私にも、今だ謎が多い…

それに、私の見たものが真実なのかもわからない。


すべてそれが作り物だったと考えても、おかしくない。

今回のことでそれがよくわかった。


それに………」




「それに?」



「逆にアーカイバ(倉庫)の歴史を塗り替えられるものだってあることを、

私は知った。」



――彼らなら成し得るかもしれない。

この無限城のアーカイバ(倉庫)の歴史を変えることが。


出会ってまだ日は少ないけれど、彼らなら出来る気がする。



「へぇ。それは何だと思うの?」


「Get Backersの二人組よ。

彼らならそれを成し得るかもしれない、無限城の真実に近づく事が出来るかもしれない。

それがいつになるかはもちろんわからないけれど。


そしてマクベスくん、

あなたのこともきっと彼らが止めてくれると信じてる。」



「クス……あの二人に?そんなことがあるはずがない。

現にもう準備はほとんど終わっているのだから。


彼らに何が出来ると言うんだい?」


「それは、これからのことよ。

今が結果になるわけじゃない。」




ピリピリとした空気があたりを流れる。

それはとマクベスの両者によるもの。

どちらも引く様子はなく、ただただ神経を使う時間だけが流れていた。






だがその一方で、はマクベスの後の画面が気がかりとなっていた。

先ほどから繰り広げられる幾度の戦い。

鏡vs卑弥呼の戦いにおいてはやはり心配があった。

だが、自分においてはどちらも大切な存在。

どちらが勝つのを願うのはあまりにも苦であった。

だが、そこを蛮の登場によってうまく収めたために内心ホッとしていた。



蛮vs不動においては蛮の方が優勢であるとわかっていた。

実際の戦いを見るのは今回が初めてのことであるものの、

彼なら大丈夫だと、自然にそう感じていた。


その通り、彼は勝った。

自身の持つ圧倒的な力によって。

でもそれは、どこか焦っている様子も見えた。

恐らくそれは…



――恐らくそれは、これよね…




そうして左の画面へと目を移す。

それは、雷帝となってしまった銀次の姿。

自身、目の当たりにするのは初めてだった。



――これが、あの雷帝…



ロウアータウンを収めていた頃のもう一人の銀次の姿。

今の彼からは考えられない、その姿。

怒りに身を包み、我を忘れたその姿は

自分のことを思い出させた。





――銀ちゃん……!!




どうか本当の自分を思い出してと心の中で強く願う。

彼に今起きていることは自分を重ねるから。


でも、自分が行ったところで何も自分には出来ない。





出来るのは彼、美堂蛮しかいない。





銀次の元へとかけて行く蛮を画面には強く願ったのであった。





















――蛮君どうか………銀ちゃんを…





銀ちゃんを救えるのはあなたしかいない…―――



















純粋な彼を……



あの日の光のような笑顔をもった彼を




壊してしまわないように――――
































―――「クス、そういえばまだこの仕事の報酬をもらっていませんでしたね


マクベスくん。」



ふと、今まで黙り続けていた赤屍の声に今の状態を思い起こし

顔を赤屍の方へと向ける。


その言葉にマクベスのクス、という意味ありげな表情を表せて。






























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12へ続きまーす。


H.17.1.16