「えっ?文化祭?」
いつもの午後のHonky Tonk。
そしていつものようにカウンター席にGBの二人が居座っていた(?)所,
食器を洗い終え、それを拭きながら夏実はある一枚のチラシを二人の前に差し出した。
見るとそれは夏実との学校で行われる文化祭のチラシで、
夏実は丁度その話をしていたところであった。
「そうなの!今度の土曜日なんだけどね。
よかったら銀ちゃんと蛮さんも来ない?
チケットあげるよ!」
「へぇ〜文化祭かぁ、楽しそうだね!。」
「でしょでしょ?私とちゃんのクラスは和風喫茶をやるんだ〜。
来ない〜?」
「いいね〜、夏実ちゃんたちの学校生活も見れるし…
ねぇ行こうよ、蛮ちゃん!!」
「はぁ?何で俺様が一女子高の文化祭に行かなきゃなんねぇんだよ。
だいたい仕事があるだろ、仕事が!」
「え…でも別に今の所依頼は来てないし…
というのか、どうせいつものことで仕事来ないし……」
「どうせとはなんだ!どうせとは!!」
「わぁ〜イタイイタイ蛮ちゃん!!」
ギリギリと、いつものように銀次の首を絞め、銀次はそれから逃れようと
必死にジタバタと身動きをする。
蛮のその声を聞き、夏実はう〜んと考えた後
ポンッと手のひらにこぶしをのせて閃いた。
「もし来てくれるなら食事代は無料でもいいんだけどな〜?」
ピタ。
「食事」「無料」という言葉を聞き、銀次の首を閉めていた腕をぴたりと止め、
静止する蛮。
「…………」
結局その後、蛮が出した答えは言うまでもない。
Existence
―仲間―
――ザワザワザワザワ………
にぎやかな声、目に付く色とりどりの看板、そして行き交う人々。
「いらっしゃいませー!疲れた身体をリフレッシュしませんかー?」
「占いの館ではあなたの運勢を占いますよー!」
「こわ〜いこわ〜いお化け屋敷へぜひとも〜」
廊下には様々な格好をした女性徒が
辺りからは威勢のいい声が飛び、皆客呼びをしていた。
その中を特に表情もなく見ている蛮と、嬉しそうにきょろきょろと顔を輝かせながら見回している銀次がいた。
「うわー!すごいすごい!
すごいね蛮ちゃん!!」
「お前…はしゃぎすぎだろ…」
「だってー、こんな風に高校の文化祭に来れるなんて思わなかったんだもーん。
それに俺、こういうの初めてだし!」
「そりゃ俺だって……」
「あ、蛮ちゃん蛮ちゃん!あそこ見てみようよ!!」
「……コイツ…聞いちゃねぇな……」
ハァ、とため息をつき、呆れる。
自分だってこういう行事ものはもちろん初めてなのだが、これといって興味がある訳ではない。
――ったく…これも夏実が……
――――もし来てくれるなら食事代は無料でもいいんだけどな〜?
っていうからつい行くって言っちまったじゃねぇかよ……―――
今更ながらに後悔する。
”無料”という言葉を聞くと、どうも自分はのりやすいらしい。
普段の生活が生活なので、Noとは言えないのだ。
「よかったらこれどうぞ〜。」
「あ、ありがとう!!」
そんなことを考えていると、銀次は自分の目の前で
ニコニコと笑っている、Tシャツに学校の制服のスカートを着た少女からうちわを貰っている。
銀次はやはり嬉しかったのか、笑顔でそれを受け取る。
「蛮ちゃん蛮ちゃん!やったよ!
うちわ貰っちゃった〜。」
そう言って嬉しそうにクラスの宣伝広告入りのうちわを見せる銀次に、蛮は
「はぁ………」
と後悔のため息をついたのであった。
―――「あ、銀ちゃん〜〜!蛮さ〜ん!」
「夏実ちゃん!!」
だいたいのクラスを見てきた頃だったであろうか。
途中途中でいろいろな女子高生に捕まりつつも、やっとここまで来た…という頃、
筆で半紙に書かれたメニューや、のれん、風鈴、すだれなどがかけられた、まさに和風の、
とあるクラス前で大きな声で宣伝をしている夏実がいたのだ。
ピンク色の、まさに夏実らしい浴衣を着ている。
蛮と銀次の二人の姿を見つけたのか、大きな声で呼んでいるのがすぐに聞こえた。
二人を見つけるなり、駆け寄って来る。
「良かった〜来てくれたんだ〜!」
「うん、約束したもんね!!夏実ちゃん浴衣かわいいね!!」
「ありがとう〜銀ちゃん!
蛮さんもありがとう。」
「…お前が無理やり呼んだんだろーが。」
「もう蛮ちゃんっ!そんなこと言わない!」
「くすくす、いいよ銀ちゃん。
ちゃんと約束通り食事おごってあげるから。」
「本当?わーい!」
「当たり前だっつーの…
じゃなきゃ何の為にここに来たんだよ…。」
ここに来るまでかなりの女子高生に誘い込まれたのに疲れたのか、
相変わらず一人喜んでいる銀次とは反対に、蛮はため息をついた。
すると、銀次が「あ。」と声を出す。
「そういえば、ちゃんはどうしたの?
ちゃんもやってるんだよね?」
「うん、ちゃんは中で接客やってるよ。
入って入って。」
のれんを潜ると、昼も近かったのか中にはすでに結構な客が入っており、
中は人でごった返していた。
その中に青い浴衣を着た黒髪の少女が食事を運んでおり、ふとそちらへと目が行く。
もしやと思い、見ているとその少女がこちらへと振り返った。
その少女も視線をこちらへと目を向ける。
「銀ちゃん、蛮君。」
「やっほ〜ちゃん〜!」
「よ。」
「ちゃん連れてきたよ〜。」
少し驚きの表情を見せつつ、笑顔を見せる。
「びっくりした〜まさか本当に二人も来てくれるとは思わなかったよ〜。」
「ちゃんも浴衣かわいいね!すごい似合ってるよ!!」
「ありがとう、銀ちゃん。」
「夏実が昼飯おごってくれるっつーから来たんだよ。
まったく、途中途中では大変な目にあったぜ。」
「クスクス、だろうね〜。
うちの学校は女子高だし、特に盛り上がりもすごいんだよ。」
「うん、でも楽しいよ!!
そういえばさっきちゃん、”俺たちも”って言ってたけど…
他にも誰か来てるの?」
「え?」
そう言って互いに顔を合わせるなり、クスクスと笑うと夏実。
「「……?」」
そのワケがわからず、不思議そうにする銀次と蛮。
「そっか、二人には言ってなかったんだね。
実はね………」
「銀次さん。」
「え?」
名前を呼ばれたため、つい条件反射で振り向いてしまう。
だが、振り向いたそこには意外な人物が立っていた。
「カヅッちゃん!それに士度とまどかちゃんも!!
3人とも来てたの?」
「よ。」
「お久しぶりです、銀さん、蛮さん。」
「げ、嬢ちゃんはともかく…
なんでカマ子に猿まわしまでいるんだよ…聞いてねぇぞ夏実…」
「銀ちゃんと蛮さんも誘ったから、せっかくと思って3人もお誘いしたのだ!!」
「クス、てっきり私は夏実ちゃんが言ってるのかと思ってたよ。」
「忘れてたのだ!!」
「んな重要なこと忘れんな!!」
蛮に突っ込まれる夏実を見つつ、は士度の横にいる黒髪の長い少女を目に入れると
彼女の方へと近づいた。
「ええっと、まどかさん…でよろしかったですよね。
初めて、です。」
「あ…初めまして、さん。
士度さんとはお仕事の仲間なんですよね。
こちらこそよろしくお願いします。」
まどかもが近づいてきた気配を感じ、互いに礼をして律儀に二人は挨拶を交わす。
―感じの良い人だな…士度さんがまどかさんを認めたのもわかるかも…―
そう、士度を見つつ、はクスと少し笑いを見せた。
自分の方への視線に気付いた士度は、不思議そうな顔をする。
「…?どうしたんだよ、。」
「クスクス、いいえ。
ただ……
素敵な彼女をお持ちですね、士度さん。」
「な…」
に言われ、少し顔を赤らめる士度にはさらに笑みを見せた。
―――にはまだまどかとのこと言ってなかったはずなんだが……――
女の勘というやつなのかどうかはわからないが、その鋭さに少々驚かされる。
「でもホント、3人も来てるなんてな〜。」
「僕は夏実さんに誘っていただいたので、せっかくと思って。」
「オレは、まどかが行きたいって言ったから、付き添いだ。」
こうして顔を会わせるのも久々のこと。
しばらくはHonky Tonkでも会うことはなかったので、
なんとなくその場の雰囲気が和んでいるのを、は感じとっていた。
「さ!みなさんどうぞ席の開いているうちに!
うちのクラスの和風料理はとってもおいしいですよ。」
――――ポロン…ポロン…と、静かな旋律がその室内を流れている。
優美であり、風流であり、流れるようにその中透き通るような音がつたっていく。
まさにそれを奏でているは少し浴衣の袖をたくし上げ、
その音を感じ取るように、耳を働かせ手先を動かしていた。
琴一本一本の弦を指がつたい、そこから音が出ていく。
スッ…とその手が静かに引かれると、どこからともなく拍手が室内を埋め尽くした。
―――パチパチパチパチ………
「うわあ…ちゃんすごい!
なんかオレ、気持ちがすごく落ち着いた感じがしたよ。」
「へぇ…確かにうまいな。」
「とっても素敵な音でした!!」
「本当に。さんも家のものとして、やはり琴をやっていたのでしょうね。」
「そりゃアイツだって一家元の当主になる予定だったんだから、
あれぐらいの教養を受けてたっておかしくねーだろ。」
「そうですね。
風鳥院もそうでしたが…家も特に琴の教育には力を入れていたと聞いたことがあります。
琴の流れるような旋律を感じ取り、奏でるのは風の力を操るのに必要なことであると……
さんだからこそ、あのような演奏も、風と共に舞うようにして闘うことも出来るのでしょうね。」
「…だがその分…アイツもそれだけ苦労はしたってことだよ。
一家元のものとしてな。」
フッ、と言葉がもれる……
その言葉を紡いだ本人はサングラスをかけ直しつつ、
教室の窓から外を見ていた。
表情は真剣で、それでいて何かを考えているようだった。
周りは蛮の様子の変わりように視線をそちらへと集める。
「蛮ちゃん……?」
フッと、突然のことに銀次と花月は不思議そうに表情を見せるものの、
士度はそれを察知したようであった。
皆の沈黙が続き、視線は蛮を捕らえたまま……―――
――「アイツ、がな…無限城のIL奪還の時に俺たちと合流する前……
様子がおかしかったんだ。」
その沈黙をやぶり、話し出したのは当の士度であった。
「さんが…ですか…?
ですが僕たちと会ったときは特には何も…」
「すぐに落ち着いたんだ。
アイツも”大丈夫”って言ったから俺たちも何も言わなかったんだけどよ…
でもアイツは……泣いてた」
「………え?」
意外な事実に驚きと、沈黙が流れる。
蛮も何も言わず黙っていたため、士度は言葉を続けた。
「結構精神的にヤバかったぜ、あれは尋常じゃないほど錯乱してた。
ただただ泣き続けて、叫んでた。
何かを…恐れるように。」
―――いやあああああああっ!!!!お母さん…っ!!―――
「…そういえば…さんは上層階バビロンシティの出身者であるとご自身で言ってましたね…
そして数年前滅亡した家唯一の生き残りであると……
そのことと、何か関係があるのでしょうか…?」
「……どっちにしろ、アイツ自身のことだ。
オレらがどうこういうことじゃねぇ…。
まあアイツが自分から話すようになったら、そん時はそん時だがな。」
―――……「みんな、どうしたの?難しい顔して。」
ハッ、と急に我に返ったように皆が声の方を向く。
そこには、琴の演奏を終えたが不思議そうにして立っていた。
「………?」
「あ、ううん!何でもないんだちゃん。
演奏良かったよ!!」
「ありがとう。
でも、風鳥院家の花月さんにはちょっとお聞かせするには
ちょっとお聞き苦しいものだったかも。」
「いいえそんな、とても素敵でしたよ。
よければまた今度お聞かせください。」
「ホントですか?
じゃあ、花月さんのも聞かせてくださいね。」
「ええ、喜んで。」
嬉しそうに手を合わせて喜ぶ姿は、一人の少女。
その事実はなんら変わりない、それなのに………―――
「?やっぱり何かおかしいよ。
蛮君も、どうしたのじろじろ見ちゃって。」
「いや…なんでもねぇよ。」
「そう?
クスクス、変な蛮君。」
この屈託のない笑顔を見せる彼女に一体何があったのか、
その過去を明らかにされる時はもはや近くまでせまっていることを……
皆、知るはずもない。
―――「会長!!」
そんな時だった。
急に後ろから会長と呼び止められ、まさにその張本人であるは何だろうと思い
後ろに振り返った。
すると、こちらに走ってくる一人の少女が見えたものの、
何故かその表情は青ざめて焦っていた。
あまりの動転振りに、も驚き近寄っていく。
「どうしたの由美ちゃん…そんなに焦って…」
「た…」
「た?」
「大変なんですっ!!」
今にも泣き出しそうな表情で息をきらしながらも
必死にに伝えようと、少女はそれをこらえようとしていた。
駆け寄ってきた少女は、叫ぶがごとく、大きな声を張り上げた。
「生徒会の…生徒会の資金が…一般客に紛れた誰かに盗まれたみたいなんですっ!!」
「…え…それ、本当なの!?」
「はい…書記の鈴木さんが、生徒会室に用があって行こうとしていたところ、
生徒会室から見知らぬ一般客が出てきたところを見て、
声をかけたらすぐに走り去って行ってしまったみたいで……
それで生徒会室の中に入ったら、資金が入ってる金庫が開けられてたんですっ!!」
由美と呼ばれた少女は、どうやら生徒会のメンバーらしく、
事の一大事を知らせようと、生徒会長であるのもとにやってきたのである。
「それで…それはいつのことなの?」
「ついさっきです!
どうしましょうっ…会長…!」
「落ち着いて、由美ちゃん。」
少女の肩にそっと手をおき、目を合わせては落ち着かせようとした。
事態の大きさにも関わらず、その姿は冷静なものであった。
少女は泣いて動揺を見せているその顔を上げる。
「でも…会長…っ!」
「まだ、その犯人を見つけてからそんなに時間はたっていないんでしょう?」
「は、はい……」
「なら、まだ捕まえられる可能性はあるわ。
私に任せて。」
「……会長………?」
かがんでいた姿勢をスッと立て直し、
は他のクラスメイトの元へと歩いて掛け合った。
「ごめんなさい、ちょっと生徒会の方で野暮がおきちゃって…
少ししたら戻ってくるからそれまでお願いします。」
「ええ、かまわないけど…なんだか大変そうね…」
「大丈夫、すぐに解決するわ。」
そう微笑み、先ほどの少女にちょっと言ってくるわね、と言うと
は教室を出た。
と。
「ちゃん!俺たちも手伝うよ!!
行くんでしょ?取り返しに。」
が教室を出てすぐに、食事をしていた銀次たち皆も出てきていた。
「え、銀ちゃん…でも…これはうちの学校の問題だし…
みなさんには迷惑かけられないよ。」
振り返り、申し訳なさそうに言うと今度は蛮が口を開いた。
「ま、メシ食わせてもらったし、その分の礼だよ。
別に気にすんな。」
「そうですよ、さん。困ったときはお互い様でしょう?」
「そういうことだ、同じ同業者のようなもんだしな。」
笑みを浮かべ立っている銀次、蛮、花月、士度。
は少し戸惑ってはいたものの、皆のその姿に嬉しさがこみ上げた。
――あぁそっか。――
忘れていたのかもしれない、このメンバーがそういう人たちであるということを。
手助けをしようと、そう言ってくれるメンバーだということを。
「うんっ!!」
はそのやわらかな笑顔を心からのものとして出していたのであった。
――「おい、ここまでくれば大丈夫だろ。」
「あぁ、そうだな…………。」
とあるビルの屋上。
さほどそれは高くないものの、逃げ込むには最適の場所であるように思われた。
つい先ほど、学校の生徒会の資金を持ち出し、
生徒に見られ逃げてきたばかりの。
盗んだ張本人たちである、二人組の男性は
ようやく落ち着く事が出来、安心したかのようであった。
「しっかし、マジで焦ったぜ…誰もいないの見計らって進入したのに、
出て行こうとしたら生徒がいるんだもんな。」
「ま、そんなに見られちゃいないんだし?
今日は他の一般客もいるしな。
見つけらんないだろーこんなに大勢いちゃ。」
「ま、そうだな。
アハハハッ。」
「なるほど。
事が起きたのは今日が文化祭の一般公開で他にも一般客がいて、
その中に紛れ込んでしまえば、誰が盗んだのかもわかりにくくなる…」
「まぁ、ありきたりなパターンですね。」
「ていうか、わかりやすいな。」
「!?」
「い、いつの間に…!」
突然、かかってきた声。
驚いた二人組は後ろを振り向き、その複数ある姿を目に捉えさらに目を見開いた。
そしてその奥からスッ、と一つの小さな影が姿を見せ
それらよりも前に現れた。
「誰もいないのを見計らって進入…の所からでしょうか。
バッチリと証拠証言を聞かせて頂きましたよ。
泥棒さん方。」
それは、一人の少女。
「な………女?」
「あなた達が資金を盗んだ学校の生徒会長です。
代表者及び責任者ということで……
資金は返して頂きます。」
「…………」
「…………」
ひとたびの沈黙。
泥棒である二人組は唖然としていた。
「ハッ……ハハハハハハハ!」
「笑えるぜ…!あんたみたいな女に何が出来るって言うんだよ!!
ただの女子高生のくせして…ホント…話になんねぇ…!」
腹をかかえるまでして、あざけわらうかのごとく笑う。
以外の皆はピクッと、眉をよせた。
「な、そんな言い方…っ!!」
「いいの銀ちゃん。」
スッと、前へ出ようとする銀次に手で静止をかける。
銀次はでもっ…!とに言うものの、
は落ち着いていた。
「女だから………まぁ確かに普通はそうは思うでしょうね。
実際私は一人の女子高生ですし、生徒会長…それだけです。
そう見られても仕方がないでしょう。」
「ちゃん!」
「銀次、おさえてろ。」
「…ですが、
私はこれでも仕事をしているんです。
そして私はその仕事に誇りとプライドを持っています。
この方々のように。」
フワッと、風が巻き起こる。
その不思議な光景に泥棒の二人組は?と顔をゆがめる。
が、その瞬間風は強風となりその場を包んだ。
「うわああああっ!!」
「な、なんだこれは…!」
強風のせいで、吹き飛ばされそうになるのを必死に支え
驚きのあまり動転する二人組。
だが、や銀次たちの周りは少しもそんな様子はない。
自然現象ではないそれは、一般人を驚かせるには十分であった。
フッと、強風がやみ体制を立て直せる状態へと戻っていく。
「…アンタら、コイツをなめねぇほうがいいぜ。
コイツは裏じゃかなり有名で、
依頼は100パーセントこなし、その受けた依頼は失敗したことはない。
裏の世界で知らない奴はいないという……
ミス・レッドムーンという異名を持つ、女子高生のよろず屋なんだよ。」
ニッ、と自身に満ちた表情で今度は蛮が前に出る。
泥棒二人組はすでにもう気がおかしくなっていると言えた。
「う、うわあああああっ!!」
その中の一人がバッと、所持していた銃をに向け発砲しようとする。
だがはニッと、口に笑みを浮かべていた。
そして、士度の獣笛が鳴る。
「行け!闇にはびこるカラスども!!」
どこからともなく無数のカラスがやって来て発砲しようた泥棒の一人を襲う。
「く、くそおっ……!!」
仲間のことを気にもせず片方の泥棒は出口の方へと走り出す……
だが、当たり前ごとく、それは細き糸によって阻止される。
―――ヒュンヒュンヒュンッ!!
「…女性の方に銃を向けるなど、愚かもののすることですね。」
巻きついた糸はとけるはずもなく、すでに次の動きが始まっていた。
「ちょっと痺れるよっ!」
ピシャアアアンッ!!とその二人組のところにだけ電気が走る。
プスプスとでも音が出そうな、
すでにボロボロの二人組。
その二人の前には二つの目。
その目を見た瞬間の、辺りが一層として代わり
大量の万札が振ってくるのが頭上に見える。
……だがそれは砂へと変わり、大量のものとなって二人を埋めつくしていったのであった……。
「「うわあああああっ!!!!」」
―――「ジャスト一分だ。」
パアアアンッと、周りに亀裂がはしり、破片となって砕け散った。
「悪夢は…見れたかよ。」
―――「本当にありがとう、蛮君銀ちゃん。
花月さんと士度さんも……ありがとうございました。」
「良かったね、ちゃん!」
「礼などそんな。
文化祭に誘っていただいた御礼です。
素敵な琴の演奏も聞かせていただきましたし。」
「気にすんな。」
皆がそう言葉を交わす中、蛮はそれを黙って見ている。
その中だった、
フッ、と何かの気配が蛮を過ぎった。
だが、他のものはそれに気付かず、唯一蛮だけが敏感にそれを感じ取っていた。
近くで何かの影がゆれる…
しかしそれも、気配とともに去っていった。
「蛮君も、本当にありがとう。
邪眼、一回使わせちゃったね。」
「ああ?またすぐに復活するだろ。」
「でも……ありがとう。」
穏やかな表情でそう言うに、
蛮はその頭にポンポンと、手を置いて先へ進んだのであった。
「さーて、また学校戻ってやらなくちゃ!
今日は最終日だから後夜祭もあるし!」
張り切って学校へと戻るに、
皆はその姿に穏やかな表情を浮かべていたのであった――
だが、蛮だけが感じ取っていた気配が
後にに関わることであるとは
その時は誰もきずきもしなかったのである―――――
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超お久々の更新ですっ!
本当に今までずっとしていなくてすみません!!
なんかもう久々だったので文章がなにやらおかしい…てか変…。
お見苦しくてすみません……そして長すぎてすみません…。
ですが、更新せずの間でもWeb拍手とお言葉を下さった方がた、
ありがとうございます!!
さて、前回の無限城"IL"偏がおわりまして、
今回はなんと文化祭話。
しかもですねーこれはたまたまだったんですけど、
うちのクラスも和風喫茶を文化祭でやることになったんですよねー。
なんともすごい偶然で。
ちょっとヒロインさんが琴を弾く姿とかを入れてみたかったので
こんな感じにしてみました。
いかがでしたでしょうか?
次はー…どうしましょうねぇ(オイ)
微妙にリクエストも出ているので、そっちも書いてみたい気がしますが…
早く更新が出来るよう努めます(汗)
ではではまた♪
H.17.7.11