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「これがお約束の品物です。これでよろしいでしょうか?」 「おぉ…なんと…こんなに早く取り返してくださるとは、感謝したい。」 「いいえ、仕事ですから。」 とある研究所。 とその依頼人である、少し年をとって白いひげを生やした男は 窓の冊子下げて少し薄暗いオフィスの中で言葉を交わしていた。 は男に今回の依頼品を差し出すと、男は目を見開き驚きの表情を浮かべる。 は特に動じもせず、淡々と受け渡しを進める。 「さすが、噂は本当だったようだ。 どんな仕事でも100%こなすと聞いていただけのことはある。 だが、まさかこんなに幼い少女だったとは…裏の世界は計り知れない。」 自分の目の前に立っているをじろじろと見ながら男は関心の表情を受かべる。 「おぉそうだ、それでは報酬を…。」 ハッと、思い出したように机の中からごそごそと報酬を出すと、 男は何かを思いついたらしく、また別の引き出しを開けて何かを取り出した。 「これが報酬です… それからこれを。」 そう言って男がに差し出したのは報酬の札束の他、 一つの小さな細いビンであった。 「…えっと…これは…?」 突然差し出されたビンの中に入っている透明の液体を見ながら は依頼人である男へと視線を向ける。 「それはわしが今開発しているものでね。 ついこの間完成したものなのじゃが…よかったら試供品を差し上げよう。 あなたのような年代にはぴったりじゃからな。」 「はぁ…。」 なんだか怪しい薬だな、と思いつつも。 は再度その透明の液体を見ると、ポケットの中にしまった。 その液体が、これから大変なことを起こすとは知らずに。 Love Potion 「こんにちはマスター、夏美ちゃん。 それから蛮君も銀ちゃんも!」 「あ、ちゃんだー!」 HONKY TONKの店内に響いた元気な声。 その声を聞いた全員は一気にドアの方へと目を向ける。 ドアの傍にいた黒髪の少女はひらひらと手を振りながら、満面の笑みで笑っていた。 「よお、久しぶりだな。これから仕事か?」 銀次の隣のカウンター席に腰をおろしつついると、蛮が声をかけてきた。 「ううん、今日はもう終わったの。 何日間かかけてやってたんだけど、今日で終わり。」 「そうなんだ、でもいいね!ちゃんは仕事があって!!」 ゴン 「…………」 「…あ、ぎ、銀ちゃん…」 銀次が発言をした途端、いきなり鈍い音が聞こえたかと思うと たんこぶを作ってぷしゅ〜と風船が割れたように垂れている泣きそうな顔の銀次の姿がそこにあり、 そのから見て銀次の右隣にいる蛮は青筋を立てて煙草を吸っていた。 は銀次を「だ、大丈夫…?」と気遣い行き場のない手を上げた。 「ううっ、ひどいよ蛮ちゃ〜ん…イキナリ殴るなんて…」 「うるせぇっ、オメェが余計なこと言うからだろ!!」 「だって本当のことだし…」 再びゴン、と音がする。 「だぁーもー!うっせぇー!! オメェはこうしてやる!!」 「うわぁぁぁ!!やめてよ蛮ちゃーん!!」 ぎゃあぎゃあと叫びあう二人。 二回目の殴りのあと銀次の頭をげんこつでぐりぐりと挟む蛮と それから逃げようとする銀次。 「あ、あ……」 と今だ行き場のない手を上げつつはどうしようかと迷っていると、 「ほっとけちゃん、こいつらはいつもこうだから」 とカプチーノをいれていたポールに言われ、 「は、はぁ…」 と曖昧に返事をしたのであった。 ――「あ。」 騒ぎも治まった所で頼んだカプチーノを飲みながら落ち着いていると、 ふとあることを思い出した。 「ん?どうしたの、ちゃん。」 不思議に思った銀次が問いかけてみると、 がごそごそと自身のポケットから何かを取り出した。 取り出したものは透明な液体の入った、一つのビン。 「なんだそりゃ?」 銀次と同じようにそれを見ていた蛮が不思議に思い、 ビンを見ながら問う。 「そうそうなんかね、この間の仕事の時に依頼人から 私のような年代にはぴったりだ…って言ってもらったんだ。 でも一体何なのかわからないんだよね、この液体。 多分危険なものではないと思うんだけど……」 まじまじとビンをかかげて見てはみるものの、 今だ一体このビンがなんなのかわからない。 「え、見せて見せて。」 「はい」とそう言って受け取ると、銀次はそのビンの頭の方を高くあげて持ちながら しげしげとそれを眺めた。 軽く横に振ったりしてみるものの、以前その透明な液体は変化がない。 「へ〜なんだろうね、コレ。」 「でしょ? どうすればいいかなコレ…。」 「捨てちまったらどうなんだ?そんなに怪しいなら。」 「うーんでもー折角貰ったしなぁ〜。」 「別にいいんじゃねぇの?ワケのわかんねぇものだし。 ていうか、それもらったやつってどんなやつなんだよ。」 「うーんとね、結構年配の人だったかな…?白髪でひげがあって…… あ、うん!あえて言うなら鉄腕ア○ムのお茶○水博士みたいな人だったよ!」 「はぁ?なんだそりゃ。」 訳のわからないような説明に蛮は顔をしかめる。 「ん〜不思議だね。ホントに何の液体なんだろ?」 一方、と蛮の会話を両方の耳で交互に聞きつつ、 以前振っても何も変わらない液体を見ながら銀次は考え込んでいる。 「ちゃん、コレを渡された時何も言われなかったの?」 「うん、まったく。」 「どんな効力があるとかも?」 「うん。」 「やっぱり怪しいじゃねぇかよ。 止めとけ止めとけ、そんな液体。ロクなことがねぇぞ。」 「うーん、蛮君がそういうなら…」 「ええー捨てちゃうのー?」 「バカ言え銀次。訳のわかんねぇもん試して大変なことになったらどうするんだよ。」 「だってー…」 「だってー、じゃねぇ。」 むーと少々名残惜しそうにする銀次に、はクスと笑みをもらす。 「しょうがないよ銀ちゃん、蛮ちゃんの言うことも一理あるし。 もともとそんなに気にしてなかったから。」 家に帰ったら捨てちゃうね、といつの間にかたれ銀モードになっていた銀次の頭を 優しく撫でながらは言い。 銀次はそれに「ちゃんがそういうならー…」としぶしぶ了解した。 「はい、ちゃん」 銀次がビンを差し出す。 「あ、ありがとう。」 とが受け取ろうとした時だった。 銀次から受け取ろうと手を差し出そうとした所、 たまたまちょうどの腕の近くにカプチーノがあったため、 の腕とカップが衝突し、ガチャンという音と共に倒れてしまったのだ。 幸い、カップはカウンターから落ちることなく倒れただけだったのだが、 中身はカウンターを伝って床にこぼれ落ちてしまっていた。 「あ!ごめんなさいマスター!こぼれちゃった…」 咄嗟にそのカプチーノを作った店の主であるポールには謝る。 「ああ、かまわんさ。それより服は汚れなかったかい?」 「はい、大丈夫みたいです。すみません…カップが割れなくてよかったけど…」 「大したカップじゃないから大丈夫だよ。 ほれ、布巾。」 「あ、すみません…」 手早く差し出された白い布巾を受け取り、椅子から降りて床を自ら床を拭き始める。 「ちゃん大丈夫ー?」 「うん、大丈夫だよ夏実ちゃん。」 手伝おうか?という夏実に、そんなにこぼれていないから大丈夫だよ、と 床を拭きながら言う。 銀次も「ちゃん、大丈夫ー?」と声をかけようとビンを持ったまま椅子から立ち上がった その時だった。 つるっ その場を何の変哲もなくなったその音。 見ればなんと、立ち上がろうとした銀次の右手に持たれていたビンが そんな音を立てて空中に投げ出されていたのだ。 それはスローモーションのようにゆっくりと、 銀次の手を離れて床を拭いているの方へと向かっていく。 「あ!!」 銀次の開いた口から叫び声が出され、それを掴もうとするものの すでに遅くビンはの方へと落ちていった。 パシャ 今はあるはずのない水音が、その場を響き渡る。 「………………」 突然の水音に皆の動きが止まり、何秒かの沈黙が流れる。 その次の瞬間 「あ゛あーーー!!」 と、銀次の叫びが木霊していた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ はい、GBの短編としては第2段のものですね。 まずは前編から入らせて頂きました。 改めてですが投票をしてくださった方々、ありがとうございました。 書くのがこんなに遅くなってしまって申し訳ありません… そしてまだ全部は書き終わっていないという…。 相変わらず行動の遅い管理人で申し訳ないです。 次こそは3人全員一気にアップしたいものです…! さてさてまだまだ前編なのですが、今回のお話。 題名を見てすぐにお気づきになった方もいらっしゃるかと(笑) そうです、大体どこかのサイト様で必ず見るあのネタです。 一度書いてみようかと思っていたので…丁度良く投票結果にひっかかってくれました。 私自身そっちの方の話は書いたことがないのでどうなるかはわかりませんが… 頑張って書いてみようと思っています。 書けるかなぁ…(汗) それでは、次は3人一気にアップできることを望みまして… H.16.11.15 |