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「イザーク、ここの所なんだけど……」 「ん?ああ、これか。これは………」 ―――「…………なぁ、ここの所さ……」 「あ、やっぱりディアッカも?」 「ラスティもですか?実は僕もなんです。」 「…………何がだ?」 ディアッカ、ラスティ、二コルがとイザークの姿を見て何か思うところがあるのか、互いに見合う中。 アスランは一人気づいていないのか、きょとんとして顔で3人を見る。 3人はアスランの鈍感ぶりに、サッと振り返った。 「おいおい、アスラン何も気づかねぇの?」 「しょうがないよ、アスランってこういうことには鈍感なんだから。」 「アスランらしいといえば、アスランらしいですよね…。」 「…だから、何が。」 目の前での散々の言われようにさすがに少し苛ついたのか、そんな口調でアスランは言い放った。 三人はそんな彼を哀れに思ったのか、半ばアスランのために話を切り出す。 「とイザークのことですよ。」 「とイザーク? ………が、どうかしたのか?」 「だーかーらー、あの二人最近妙に仲良いんだよ。」 「そうか?ただ単に話してるだけだろ。 それに、イザークは最初のころはのこと、あまりよく思ってなかったんだろ?」 「それは最初のころのことですよ。今は違うんじゃなでしょうか。」 「確かに、最初はイザークもを避けてた感じだけど……最近は、よく一緒にいるよなぁ。 まあいつもいつもってわけじゃないけど。」 「でもさぁ、やっぱりあれって………」 「……まぁ、無きにしも非ずですね……」 「あの堅物なイザークがなぁ…」 「………何なんだ?本当に。」 今だ気づかぬアスランを無視して、3人はイザークとを見つめていた…――― ―――「…なぁ、。」 「ん?何?」 イザークから名前を呼ばれ、それに笑みを浮かべては答える。 「今度の休み……その…なんだ…一緒に…しょ、食事でも行かないか。 お前が良ければの話だが…」 目線を逸らし、そっぽを向いた状態で話す。 だが、その顔は赤くなっており、恥ずかしいのを必死でこらえるイザークがそこにはいた。 は一瞬きょとん、とはしたものの、すぐに笑みを浮かべ嬉しそうに、 「えぇ、もちろん喜んで。」 と答えたのであった。 「それにしても…… いつもは健康管理を大事にしているあなたが風邪をひくなんて…不思議なこともあるのね。」 「……すまない。」 ベッドに力なく横になる銀髪の彼、イザークを見て、 は苦笑していた。 いかにも申し訳ないと言った表情の彼を見て。 「しょうがないわ。ここの所、仕事づまりだったんだもの。 少しは休んでって言っても、イザークなかなか休んでくれないし……」 「……本当にすまない。 皆に迷惑をかけてしまうな……」 顔を歪めて、苦しそうな表情で言うイザークを見、 それまで苦笑していたはふっと、柔らかく微笑んだ。 「いいのよ、たまには。皆、あなたのためなら喜んでやってくれる。 私たちの憧れで、尊敬できて、そして何よりも大事な……隊長だもの。」 スッと自分の目を見て話すに、最初は苦痛の表情を浮かべていたイザークだが、 安心したのか、その言葉を聞いて表情が柔らかいものとなっていた。 「そうか……すまないな。」 「そうじゃなくて。 こういう時は”ありがとう”、っていうものよ?」 が人差し指を立て、微笑む。 「………そうだな、ありがとう。」 「よろしい…なんてね。」 そう言ってクスクスと笑う。 本当に彼女には敵わないと、自身では思いながら。 「さ、もう休んで。体力を回復するには寝るのが一番。 ここ最近、あんまり寝てなったでしょう?」 「ああ、ゆっくり寝かせてもらうさ。 今日だけはな。」 「じゃあ、私は額に当てるタオルを変えてこようかしら。」 そう言ってスッと、立ち上がろうとしたその時、 急にイザークに腕を掴まれた。 「……?どうしたの?」 「今日は……」 「?」 「今日は、ずっとそばについていてほしい。 オレが今日かける、もう一つの迷惑として。」 「……それは隊長命令かしら?」 「どうとってもらってもかまわん。とにかく、今日はそばにいてくれ。 ……ずっとな。」 「クスクス、うそよ。 そうね…今日はそばにいさせてもらおうかしら。」 が再び座るとともに、イザークはそれを見て、 安心したように目を閉じた。 いとしい人のそばで。 「ん……あれ、ここは…?」 「病室だ。」 空中に問いかけた質問に、スッと答えが返ってくる。 その声に横になった状態のまま、頭を向けると、 そこにいたのはなんとも意外な人物であった。 「…イザーク…さん?」 「……なんだ。」 「いえ…なんというのか、あなたがここにいるのが意外で…」 「…お前が試合中に突然倒れるからだろう。」 「じゃあもしかして、ここまで運んできてくれたのって…」 「俺だ………何か悪いか。」 「いいえ…その……ありがとう。」 「フン。」 の表情が驚愕から柔らかい微笑みに変わると、 イザークも顔を赤くし、そっぽを向いた。 はそれを見て少しクスリと笑うものの、そのまま視線を天井へと持っていった。 「…そっかぁ。私、試合中に倒れちゃったのね。 ごめんなさい、試合、中断させてしまって。」 「別にいい。そんなのはまた行えばいいことだ。 それより…自分の体調管理も出来ないやつに、まともな試合など挑めるはずもなかろう。 お前だって、軍に志願するためにここに来たんだろう? だったら自分の体調管理くらい、自分できちんとしろ。」 「…あなたの言うとおりね。駄目ね、最近空回りしてばっか。 結局倒れちゃったし……」 こんなんじゃこれから軍人になるのに、失格よね。とそういう彼女は珍しくうつむいていた。 いつもはただ目の前のことに必死で、弱みなど言わないのに。 強くあろうとしているのだろうか。笑顔であっても、今日のは少し沈んでいた。 「……そういうときもあるだろ。 お前だって一人の人間なのだから、失敗をしないわけじゃない。」 ふいにそういわれ、はイザークの方を向く。 そのアイスブルーの瞳はまっすぐに自分を見ていて、思わず見つめてしまうほど力強いものだった。 「大事なのはそこからどうするか、だ。 そこで簡単に諦めてしまうようなら、お前もつまらない人間だということになる。」 ハッと思う。 そういえば、彼…イザークはいつもアスランを敵視していたように思う。 いつもいつも、彼に負けぬようにと訓練をしているその姿は必死で、 そしてしっかりと前を見据えていた。 「……そうだね。あなたの言うとおり。 こんなところで落ち込んでいる場合じゃないものね!」 沈んだ顔は満面の笑みに変わる。 その笑顔にイザークは少し顔を赤くし、プイッとそっぽを向いてしまった。 「わかったならさっさと戻るぞ!!俺だって忙しいんだ。 明日はアイツとの試合なんだからな。」 きびすを返し、扉の方に向かってぐんぐん進む。 はその後ろ姿を見て思う。 ―――…それでも、私が目を覚ますまでいてくれたんだね――― 人間は見かけによらず、というのはうそではないのだと、 彼の優しさを感じる。 「そうだね。そろそろ戻らなくちゃ。 ……明日の試合、頑張ってね。」 「お前に言われるまでもない。」 はいはい、とクスクス彼女を横目に、イザークはなんだか不思議な心境だった。 でもそれは嫌ではなくて……むしろ暖かいような、そんな気持ち。 ベッドから降りようとして、は何かに気づくと、 イザークと一言声をかける。 何だ、といって振り返った彼に、は一言笑みとともに言った。 「本当にありがとう。」 そのとき少しときが止まり、開いた窓から風が通り抜ける。 2人の銀髪が揺れた。 「………あぁ。」 そうやって返事を返したイザークは、 いつもより穏やかな表情をしていた。 |
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だいぶ前に書いたものを発見したので、ちょこちょこ付け足してアップしてみました(笑)
もともとSEED夢は何個か書いたことがあったのですが、イザークを相手にした話は
今までまともに書いたことがなかったんですよね。いろいろと構想はあったのですが。
以前からSEED夢のお相手イザークでやってみたくて、SSなら気軽に書けるかなと
思って書いてみました!!
ちなみにこれ、内容にも書いたように、全部同一ヒロインなのですが、上から
アカデミー時代→Destiny時代→アカデミー時代となっております。
3つ目のなんかは、お互いが意識しあうようになるころの話?みたいな。
結構これ書いてて楽しかったです。また書きたいなぁ。
こんなのでも、楽しんで頂けたら幸いです。
H19.4.9