竜園
Original Novel
- 銀のHYDRA -
第V章 集うは英雄志願
「…っと、言う訳だから。フィズにローンも付き合って」
「あったかくなって来たねぇ」
「あ、蝶々」
学徒の学び屋の裏手。
なだらかな丘に生えた大樹の元に、王立緑森学園の女生徒がお弁当を開いていた。
「あんた達。人の話、聞いてないわね?」
「ローン。次の講座、何?」
長い茶髪をポニーテールにした娘が、煙草を吹かしながら右隣を振り返る。
蓮っ葉な印象のある、長身の美少女だ。
胡坐を掻いたスカートからは、馬の尻尾が覗いている。
彼女は騎士の一族と呼ばれる、戦闘種族だった。
「歴史学、ですわ」
聖書を片手に淀み無く答えたのは、度の薄い眼鏡を掛けた混血種の獣人娘だった。
亜人と人間との仲が、比較的良いファクナシオでは珍しくない。
但し、下級貴族とはいえ、世間の風当たりは悪い。
「お願いっ。帰りにアイスでも、何でも奢るから!」
「最初から、そう言やいいんだ」
「まぁ、何ですの? スゥさん」
「………いい性格してるわ。あんた達」
短く切り揃えた赤毛を震わせるスーシャインは、握った拳を落ち着かせる。
「んでサ。何? 又、兄ちゃん関係?」
ローンの煎れた紅茶を嗜みながら、面倒臭そうに手を振るフィズ。
「まぁ、この間の舞踏夜会でお誘いで、相手にされないでフラれたお話ですの?」
外見に似合わず、ローンが結構きっつい台詞を吐く。
「何度も聞くけどサぁ。何処がイイ訳ぇ? 血ぃ繋がってないとは言え、兄妹なんて洒落にならんよ。本当」
フィズがしたり顔で、道徳的な一般論を披露する。
だが、貴族社会では近親相姦は珍しくない。
むしろ、奨励されていた時期がある程だった。
今の時代でも、兄妹、妹兄での姦通や妊娠の事例は絶えなかった。
「………ほっといてよ。あんた達に兄貴の良さが解るもんですか」
本当に幾度も聞かされた説教に、スゥの気持ちは微塵も揺るがない。
顔を見合わせたフィズとローンは、深く溜息を吐いた。
「頑固ですわ………」
「嫌、そりゃ知ってたけどよ。グレイも哀れだよな………」
婚約者を差し置き、グレイと肉体関係を続けているふたりは密かに嘆息する。
何方とも完全に政略結婚で、ファクナシオ社交界の風習で妊娠しない限り不倫行為は黙認される。
フィズの旦那は、御歳10才の子供。
ローンの旦那は、60歳を過ぎた好々爺である。
学園を卒業した時点で正式に嫁ぐ羽目になるが、正妻ならぬ妾妻だ。
「まったく、グレイの馬鹿は。スゥの身代わりで無茶苦茶にヤりやがって」
「わたくしは、あーゆぅ激しいのも嫌いじゃ無かったですぅ」
マゾ気のあるローンは、頬を火照らせて韜晦する。
多少ぽっちゃりした肉付きの良いローンだ。
さぞや、虐められがいがあるだろう。
興味を持ったグレイの催促を受け入れ、フィズにも内緒で道具混じりのプレイに耽った事もある。
「この頃、グレイ様も構って下さらなかったですもの………嬉しかった」
「勝手だよ。ほおって置かれて、都合のいい時に呼び出されるなんてサぁ。まったく、ろくでなしさ。男なんて………そりゃ、好きなんだケド」
「何、話してんのよ?」
「何でもない!」
多少の嫉妬も混じり、親友のスゥを睨む。
「マジな話さ。あたし等なんかより、ずっと条件のいい結婚話も来てんだしょ? 夢見るのは止めて、現実受け入れたら?」
「そうですわね。親衛隊聖騎士団にも入隊できたんですもの。公爵夫人も夢じゃありませんわ」
「あんた達だって、特例司祭候補に、騎士叙勲申請中じゃない」
スゥたち仲良し組は、学園内でも有名な優等生だった。
例えるなら、美少女アイドル三人組だ。
「まったく、あんなナヨ君の何処がいいんだか」
「セックス…じゃありません事?」
「あんな顔して、ベッドの上では超獣化するとか? あはッ!」
隠し事のない明け透けな友人関係をしている三人だったが、事セックス関係にしては他人に言えない秘密を秘めていた。
其々が其々に恋愛相談などを持ち込まれたり、告白されたり、好きになっていて無茶苦茶にこんがらがっている。
「…ッだ」
「えっ? まさか、スゥ! 貴女、カムイさんと………!?」
露骨に赤面したスゥの反応に、ローンは裏返った大声を上げる。
フィズも暴かれた真実に絶句してスゥを見詰める。
「そうよ………悪い?」
心無し涙目になったスゥが、真っ赤になりながら宣言する。
「お兄ちゃんと、寝たもん」
「って、悪かねぇケド………何時よ?」
「半年…前。一晩だけ、だよ」
同じく唖然としていたローンは、とある符合に気づく。
「それって、確か………」
「お兄ちゃんが家を出る、三日前………。あたしッ…嫌われて、るっ…かな…?」
言葉を詰まらせたスゥは、心配する親友達に無理に微笑んでみせた。
だが、溢れる涙を抑え切れず、膝小僧に顔を埋めて嗚咽を漏らした。
玩具屋『MATRIAL』。
小鳥の囀り、風の包容。
洒落た煉瓦家の二階の部屋のひとつ。
奇妙に殺風景な内装のその部屋のベッド。
穏やかな寝息、端正な横顔を観察しているウオルフィ種族の娘。
ミリュウはカムイの腕に抱かれたまま、先程目覚めたばかりだった。
お互いに全裸で、毛布に包まり団子になっている。
甘く鳴いたミリュウは、そ…っとカムイの胸板に頬摺りする。
カムイの意識が目覚めないのを確認し、満たされた幸せな安らぎに身を委ねる。
昨夜、愛欲を激しく求めあった名残で、股間が甘く疼いている。
初体験から絶頂まで、カムイに教えられた女の幸せだ。
他人と肌を重ねる幸せを、初めて知ったミリュウだった。
「ん…ぅ………ひぁ…?」
股間の辺りで、生温い滑…っとした感触。
獣耳をひゅくん…っと跳ねらせる。
肉唇から太股に流れ漏れた体液を感じ、ミリュウはひとり真っ赤になって恥じらう。
紛う事なき、カムイから注入された精液だろうから。
お風呂入らなければ、と離れがたい温かい腕の中で思う。
せめて、カムイが目覚めるまでと、抱き合ったまま体温を交わし続ける。
自分より小柄で、抱き締めれば折れてしまいそうなカムイの身体に、手足を絡ませて一体感を求めた。
腹部の辺りで、微妙な刺激に反応した異物が当たった。
更に真っ赤になったミリュウが、臍の窪みに納まった其れを揺らして刺激し続ける。
自分でも何をしているのか、頭の中がただ熱い。
すぐに、先走った液が亀頭に滲み、滑る愛擦りにたちまち激しく勃起する。
何の愛撫も受けていない内から、再び愛液を分泌する自分に、ミリュウはやはり発情期に陥った事を認識する。
潤んだ緑翡翠色の瞳でカムイの顔を縋り見る。
多少息が荒いが、目を覚ましていない。
「かむい…ぃ、後免ね」
小さく謝罪したミリュウは、仰向けにしたカムイの腰を跨いだ。
毛布の中で後ろ手に肉根を手探りし、自分の尻に巨大な肉の杭を含み込んだ。
ぬぐ…ッと痛みさえ伴う強烈な挿入感は、何度抱かれても慣れそうに無い。
最も、其れさえもミリュウにとっては、甘美な陶酔を与える。
「んはぁ…ぅひゃ…いぃ……」
尻尾が波打ち、シーツを叩く。
乳房を震わし、崩れ落ちる身体をカムイが抱き留めた。
「ぁ…か…むぃ。ぉ…おは…おはよぉ」
「何だか解んないけど。取り合えず………動いて」
本当に訳の解らないカムイだったが、目先の快感にミリュウの行為を黙認した。
「ぅ…うん………っ」
悪戯を咎められた子供のような顔をしたミリュウだったが、嬉しそうに頷く。
後は、昨夜程の激しさは無いが、朝っぱらから濃密に絡む。
ミリュウの臀部辺りの毛布が、激しく淫らに蠢く。
カムイから教えられた腰使いは、一通り習得してしまった。
そのまま出し入れするでなく、膣の柔肉を捏ねるように腰を自在に回す。
カムイに心を開いたミリュウは、あどけない幼さを浮かべた表情を陶酔に歪める。
甘えたい健気な態度が、ミリュウの本当の姿だとカムイには解っていた。
「ぁ…ん、ぁん…ぁん…ぁん…」
可愛く鼻を鳴らすミリュウは、抱かれた腕に導かれるまま深い接吻を交わす。
高まる官能に、膣を窄めて絶頂を合わせようとする。
努力の甲斐あって、ふたりの絶頂が同調した。
流石に量の減ったカムイの体液を、ミリュウの尻は淫らに蠢いて最後まで搾り取る。
「ぁ…あったかい………よ。カムイのが胎内に…流れ込んでる………」
ふるるっ…ふるるっ…と断続的に痙攣するミリュウが、カムイをきつく抱き締めて子宮に精液の迸りを受け止める。
「気持ち悪くない…?」
「ぅんん。最初は…変な感じしたけど、私は…その…凄く好きだ…よ」
言うのも恥ずかしいのか、顔を伏せた胸板に爪を立てる。
肉体を結合させ、性器を貪り合った仲だというのに、但顔を見るのが気恥ずかしい。
視線を合わさず、余韻に身を任せて体温を感じる。
「その、カムイ………シたくなったら、何時でも言ってくれ。私で良かったら…幾らでも相手する。わ…私も、シたくなったら…お願いする…から」
しばし、躊躇ったミリュウだが、健気な提案をする。
きょとん…っとしたカムイに、慌てて言葉を接ぐ。
「いやッ…駄目ならいいんだ。………我慢、する」
「全然…迷惑なんかじゃないよ。俺も…ミリュウの事、もっと抱きたい…な」
優しく、悪戯っぽく微笑んだカムイに、ミリュウは耳の先まで赤く染まる。
「何なら、今夜からこの部屋に泊まる…? ベッドはひとつだけど、ね」
「………………馬鹿」
泣きそうな顔をしたミリュウは、カムイの尖った耳を食む。
そして、約束だゾ…っと小さく囁いた。
もし、そのまま時が過ぎれば、ふたりは再戦に臨んだだろう。
無遠慮なノック音に、示し合わせたように振り返った。
案の定、念頭から忘れ去られていた同居者が顔を出す。
「あのサぁ。ミリュウさん知らね? 部屋にも居ないし、飯の支度してる様子もないし。もしかして、出てった…んじゃ……ねぇか………って…………」
昨日のやり取りを気に病んでいたグレイだったが、自分が思い切り的外れな心配をしていた事に顎が外れ掛ける。
全裸で重なり合ったふたりを、ただ呆然と見詰める。
「ふむ。………ちょっと不粋だな? グレイ」
可愛く微笑み掛けたミリュウは、全く悪怯れた所はない。
名残惜しげに腰を捩り、含んでいた肉根を股間から抜き出す。
均整の取れた美しい裸体を朝日に晒し、妙に可愛く伸びをする。
太股を滴る粘液を下着で拭い、昨夜着て来たワイシャツのみを羽織る。
カムイはおろか、グレイに対しても裸を堂々と晒している。
「朝ご飯は少々待っててくれ。………美味しいの期待してて」
扉を抜ける時に振り返った最後の微笑みは、グレイが胸を高鳴らせる程に可憐で魅力的だった。
温かみの無い鉄面皮が、完全に女として開花している。
それは、男に抱かれ、恋をしている娘の魅力に違いなかった。
「あれ………マジにミリュウさん?」
「くす…可愛くなったっしょ?」
ベッドから脚を降ろしたカムイは、寝癖の付いた銀髪を掻き上げる。
霧雨のように凪がれていた長髪が割れ、色白の背中が剥出しになる。
背中の肌は、幾筋もの爪痕と、牙を穿った愛咬の痕跡が目立った。
何故か、同族の女性経験の無かったグレイだが、ウオルフィ種族の女性相手には激しく体力を消耗するという猥談は余りに有名だ。
「ちと、そのまま動くんじゃねぇ」
「ぁ…ん? っ…冷た」
グレイは常備している傷薬を、カムイの背中に塗る。
無言で軟膏をすり込んでいたが、自然と溜息が漏れる。
「…何?」
「お前が選んだんなら、何も言う事ないけどよ。いいのか? マジでサ」
結構、深くまで肉が抉れている。
別の意味でも、カムイの事が心配になってくる。
「ん…ミリュウさんはボクが預かる。グレイがその心算だったなら、後免な」
「そりゃ、妻に娶る心算無かったケドよ。………スゥちゃんに何て言うんだよぉ」
「スゥも、いい加減に兄離れしないとね? 折りを見て話すよ」
「言っとくがな。スゥちゃん泣かしたら怒るぜ。スゥちゃんは俺の妹でもあんだから」
逆さにグレイを振り仰いだカムイが、寂しそうに呟いた。
「………泣くかな?」
「泣くに決まってんだろ。馬鹿っ」
「ま、その時は宜敷く」
「あったく、何処までマジ言ってんだか。どうでもいいケド、避妊だけはちゃんとさせとけよな。ミリュウさんと所帯持つ心算なら止めないケド」
勘当されたとは言え、戸籍上は公爵家令嬢だ。
本当に子供でも産まれたら、国外逃亡しか道はない。
ミリュウさんも、カムイの子供を身篭る事に忌避感なさそうだし。
未だミリュウに対して、グレイは懐疑的だった。
「ぁ…言ってなかったっけ? ボクさ、生殖能力ないんだ」
「えっ、何でぇ? 種なしって事かよ」
「知んね。検査したらそーだった。ボク自信がぁ、突然変異体なんだってサ」
「………悲壮感ねーのな」
「別っつにぃ。いいんじゃない? その方が、気楽だよ」
微かに産毛の生えた尻が、汗で淫らに艶光る。
「はぁ、きゅ…ひゃ……ぁぁ」
赤子の拳大はある肉杭が、とろ…とろ…っとした粘液を纏わせて粘膜のほつれから抜き出されていく。
勝手に窄まる膣襞ごと内臓を引き抜かれそうに感じて、ミリュウは嫌々と尻を振る。
ミリュウは宣言通り、毎夜カムイのベッドに潜り込んでいた。
毎晩必ず、可愛がられる事を催促する。
カムイの人並み外れた肉根も、すっかり熟れた膣が奥深く喰え込めている。
淫乱、と言っても差し支えない。
ミリュウも内心自覚してきたのか、おねだりする度に可愛く恥じ入る。
「ぁ…ひゃ…ぅ。ぁん…んん…ぅ」
「んは…くちゃくちゃ言ってるよ。ミリュウの………ココ」
横臥したミリュウを横から貫いたカムイが、腰を深く挿入させて囁く。
愛液塗れの肉根が、肉唇に緩慢に抜き刺している。
性感の開花したミリュウの膣粘膜が、滑々した異物で掻き回される。
その度に淫猥な粘液音が、ちゅぴ…ちゅぷん…っと響く。
「いやぁ………言わないでぇ」
「じゃ…抜くよ?」
「いやっ…やーぁ………。もっと…もっとシテぇ、カムイぃ…」
尻尾をじゃら付かせ健気に懇願するミリュウの尻から、精液を放つ前の肉根を抜く。
圧巻的な程に膣に埋まっていた肉塊が抜け、ごぴゅ…ぷぴ…っと空気が入る。
処女の頃の可憐な肉割れ目はもう無く、あからさまに男を喰わえ込んでいた蠢く粘液襞が奥まで覗ける。
括約筋もカムイの物に合わせて伸びており、肉花弁はなかなか締まろうとしない。
あからさまな性交の痕跡に、流石に胸が痛むカムイ。
自分にとっては、至極窄まる最良の性器だが、他の男が抱いた時には緩いと感じてしまうかもしれない。
ミリュウを毎晩抱き続ければ、近い内に半端な逸物では感じなくなるだろう。
確実にミリュウの肉体を、駄目にしている気がした。
「いぢ…いぢわる………しないでぇ」
動きの止まったカムイに、尻尾を触れさせるミリュウが切なく哀願する。
「………お尻こっちに向けて。四ん這いで、突き出して」
従順に、恥じらって臀部を掲げるミリュウ。
ベッドの上では、カムイのどんな命令も従った。
カムイもつい、ミリュウの調教に熱が入ってしまう。
ん…っと差し出したミリュウは、成熟した尻を誘いの意味を込めて揺する。
そんな仕草も、妙に様になってきている。
カムイは軽く尻肉を叩き、より鄙猥に股を開脚させる。
打たれたミリュウは、悦びの喘ぎを盛らすのを必死に堪えた。
「もしかして………叩かれるの、好き…なの?」
「ちがッ…違うっ、そんな事…なぃ…」
本気の羞恥に、枕に顔を埋めて獣耳を伏せるミリュウが震えた。
大概の行為を恥じらい無く熟すミリュウだけに、あからさまに嘘と解った。
「好きなら………軽く打ってあげるよ?」
「やぁ…やぁー…ぁ」
硬く勃起した肉根を熱く熟れた肉唇に備え直したカムイが、ミリュウの背中に跨がるように覆い被さった。
粘膜を巻き込みながら滑窟を犯す肉根が、ぬじゅ…ぬじゅ…っとゆっくり挿入を果たしていく。
異種族だけに挿入は矢張りきつい。
受け入れる牝の性器が、膣筋を目一杯に膨張させた。
胎内の央ばで一段階ある窄点を突破すると、一気に子宮の中まで肉根が滑り込む。
ミリュウの性器は、一般的に名器と呼ばれる造り具合をしている。
だからこそ、カムイが壊してしまう事に罪悪感を覚え、同時に毎晩々拒めずにミリュウの尻を乗り熟してしまう所以だ。
カムイは挿入時の快感に、ミリュウの腰を強く掴み直す。
痛覚の鈍い尻たぶを、ぴしッ…ぴしッ…と手首のスナップを効かせて叩く。
ミリュウは痛みよりも、打たれる音にピク…ピク…っと可憐に痙攣する。
その度に括約筋が心地よく窄まり、カムイはミリュウの肌が赤く腫れてしまうまで叩き続けてしまった。
ミリュウはその間中何も言わず、罪悪感に優しく撫でてくれるカムイを愛しそうに振り仰いだ。
いっそ、このままミリュウの肉体を貪り続け、自分専用の性交奴隷にしたくなる。
問い掛けるカムイの瞳に、こく…っと従順に頷くミリュウ。
カムイはベッドに手を突き、ミリュウの臀部に乗せた腰を、背筋を思い切り仰け反らせて押し込めた。
膣に埋め込まれていた肉杭が、ミリュウの胎内にじゅびゅ…ッと打ち当たる。
胎盤まで突き上げる甘美な衝撃に、カムイを乗せたミリュウはベッドに腹這いで力尽きる。
「きゅ…苦ぃ…お腹に一杯ぃ」
ミリュウの性行為器官は、人並み以上に発達している。
特に名器の第一条件とされている恥丘は、こんもりと淫らに盛り上がっている。
故に膣孔の奥行が増し、カムイの長い肉棒も余す所なく包めるのだ。
普通の女性では相手にならないカムイだけに、ミリュウを手放せなく感じてしまう。
「でも、全部納まってる…よ。ミリュウの中、凄く熱くて滑ってる………」
M字開脚したふたりの股間は、性器の結合部分を背後に露出していた。
圧迫された内臓が内側から押し出され、ミリュウの下腹肌に土龍蚯蚓が這ったような盛り上がりが生まれていた。
ミリュウはカムイの肉根を、自分の腹部越しに繰り返し撫でる。
もし、背筋を痺れさせる肉感が無かったら、あんなに極太の肉塊が自分のお腹の中に埋め込まれているなど信じられない。
それも、自分からせがんで、お願いして入れて貰っているなんて………。
カムイは熱い吐息を繰り返すミリュウの、狼耳を舐めながら食む。
「………それに、痛い位絞まってて…ひくひく…してる」
露骨な描写に、流石のミリュウも嫌々と悶える。
淫らに微笑んだカムイは、ぬぷ…ぅと腰を引き揚げる。
「あ…っ………やぁ」
また、抜かれると思ったミリュウは、尻を掲げて含みを深く求める。
そんな自分の行為が、何とも鄙猥でふぁ…っと鳴く。
「意地悪して後免ね………ちゃんと、シよ」
「ぅん…ぅん………激しく…激しくシテぇ。かむい…カムイぃ」
ミリュウを背中から抱き締めたカムイは、腰を弾ませて胎内を突きまくる。
弾力のあるミリュウの尻だけに、思う様に膣肉の粘膜を貪れた。
獣のように身悶えるミリュウだが、背後からの責めに望むだけ凌辱を受け入れた。
膨れ続ける快感に身動きの鈍くなったミリュウの尻を握り拡げ、粘い液体で塗れた甘美な快楽を産み出す器官を存分に使い回す。
健気にイッているミリュウの腰を掴み、暴君の様に傲慢な勢いで精液を流し込んだ。
子宮にどくどく…精液を注がれるミリュウは、肉体と心一杯に幸せな絶頂に浸る。
身動ぎして離れようとしたカムイの腰を掴み寄せ、胎内深くで射精を続けさせる。
絶頂の痙攣に、痛い程に窄まる膣で肉根を絞られ、身震いしたカムイが脱力してミリュウに被さった。
ひゅくん…ひゅくん…っと背筋を捩らせて身悶えるミリュウだが、カムイの尻を掴む指が何時までも深い挿入を求めて食い込んでいた。
「ぁ…や」
一寸休息を置こうと腰を抜くカムイに、接合解除を嫌がるミリュウが追い縋る。
「待って、少し腰が疲れて…」
「じゃ…私が上になる。………仕方は…ちゃんと覚えた」
恥じらうミリュウに、くす…っとカムイが微笑む。
ベッドを軋ませながら、ミリュウの臀部を抱えて体位を組み替える。
上に乗せられたミリュウは、舌先を絡ませながら模様してきた興奮に可愛く鳴いた。
「シテ…ご覧。ミリュウのしたいように」
「ぅん…カムイも一緒に…一緒に」
さっそく腰をくねらせ捩るミリュウの、たわむ乳房を揉みし抱く。
「俺も手伝って上げるよ。いっぱい…シよね」
「はぁ…ぁん…ぁん…ぁんん…ぅ。するぅ…したいぃ…いっぱい…いっぱい…ぃ」
鼻先に汗を滲ませて、必死に悩ましく腰を蠢かすミリュウ。
お尻にカムイの逸物を含んで、粘膜に包んで捏ね回す。
耳と尻尾が、奥に突き当たるたびにひくひく…跳ねる。
「ぁん…ぁん…ぁん…ぁん…あーぁ……ひぃ…ぁ、い…いぃ」
カムイも一緒に腰を蠢かすと、規則正しいミリュウの喘ぎ声が乱れる。
其れからは、カムイのちょっかいで与えてくれる刺激を待ち望む。
カムイの頭を胸に掻き抱き、もっと…もっとぉ…と切なく懇願する。
「ちゅ…ぷ………はぁ、可愛いよ。ミリュウ」
カムイは痼り切った乳首を吸い続けた。
大きくて肉の張り詰めた立派な乳房は、何とも玩びがいがあった。
「ひゃ…!ぁ…そこ…そこわっ…ぁ」
ミリュウの尻を揉んでいた指が、溝を滑って校門を突っ突く。
同時に接合部から捲れた粘膜と、肉芽も淫らに弄くり回される。
びくんっ…びくんっ…と激しく痙攣して、思い切りイッてしまうミリュウ。
「ぁ…後免。ちょっと刺激強すぎたかな?」
「みゅうーぅ…。馬鹿ぁ…もっと、シテ…ぇ……」
ミリュウは自分から、お尻を弄っているカムイの手を押し付ける。
カムイはミリュウの指も肛門に宛がわせ、一緒に揉み捏ねる。
「もしかして…ここにも………入れるの?」
「いや…そーいう事も出来るけど。慣れるまで凄く痛いって聞いたよ?」
押し黙ったミリュウは、考えに耽る。
「心配しないで。無理遣りになんて、しないからね」
「………いい…よ。カムイが入れたくなったら…何時でも…試して下さ…ぃ」
真っ赤になって許可をくれるミリュウに、ゾクゾクと背筋が震える。
其れから一度だけ、肛門性交に耽る。
「ひく…ぅ…ひぐーぅ………いひゃぃ…ぉ」
「後免…ごめんね、ミリュウ。もぅ…終わったから、大丈夫…すぐ気持ち良くして上げるから」
「ぅん…ぅん。普通がいい…ぉ、ちゃんと…もぉ一回前でシテぇ…」
微かに出血したミリュウを気遣い、正常位でミリュウを可愛がる。
より深くカムイを抱き締めるミリュウが、安堵に悦びの声を幾度も上げる。
ミリュウが子宮を満たす精液の感触に満足すると、ようやくカムイの腰を開放した。
ミリュウは胎内に流れ込む、粘温い精液が不思議な程好きだった。
子宮と膣を垂れ流れる精液を感じながら、カムイと造り出した余韻に浸る。
白銀色の尻尾も、満足感にシーツで泳いでいた。
「カムイの…好き。遠慮しないで…流し込んで…いい………よ」
互いの髪の毛を撫で梳きながら、心地よい疲労の中で戯れる。
「遠慮なんてしてないさ。ミリュウに申し訳ない位…抱いてるよ?」
「ちゃうの。もっと…カムイの思うままに扱って欲し…ぃ。カムイの好きに調教…シテ。全部…覚える…よ。貴方の満足できる淑女になる…から」
「ミリュウ…さん」
思わず体を起こし掛けたカムイの胸を抱き締める。
その肩が、微かに震えていた。
「ウオルフィの女は…嫌ぃ………?」
応えのないカムイの背中に、か細い指が爪を立てた。
「………………好き」
「………んで。カムイは何と答えたん?」
「別に…何も」
『MATERIA』の中庭には、備え付けの野外卓椅子がある。
珈琲片手のグレイは、深い深い溜息を吐く。
「そりゃ、一週間も…毎晩毎晩抱かれてりゃ、いい加減に情も移るだろ?」
「そんな心算じゃ…無かったんだケド」
「その心算で抱いてたんだろが。おめーは」
グレイのじと目に、口元を引きつらせるカムイ。
甘党のグレイが、シュガースプーンを突き出して振る。
「大体なぁ、人の婚約者を勝手に寝取っておきながら、ちぃと無責任だぜ?」
「今更、責められてもねー」
「俺が最初にヤッちゃえば良かったぜ。も、すっかり可愛くなっちまってサ」
毎晩向かいの部屋から激しい喘声が木霊し、立て付けの悪さから家中が激しく軋む。
仕草も妙に可愛くなり、笑顔にぐっと来る事もしばしばだ。
おまけに男性に対しての警戒心がまるでなく、下着も露な扇情的な格好で歩く。
「あのサ。………俺、自制切れて襲い掛けた事あんだけど」
「ミリュウさんに直接交渉してね」
「いいって言ったら、ヤッちゃっていい?」
グレイの目は、結構マジっぽい。
近頃再び溜まって来たらしい。
「くすっ…本当にOK出たらね」
「おっしゃ! 落として見せんぜ」
「阿呆。頷く分けなかろうが?」
拳を握って天に咆哮するグレイの背後から、呆れた声が掛けられた。
昼飯のサンドイッチと腸詰め盛り合わせ、熱い珈琲ポットを持ったミリュウが立っていた。
珈琲ポットでグレイの後頭部を殴る。
「痛っ…てぇ。何時から聞いてた訳………」
「直接交渉してね。辺りだ、大馬鹿者」
「そっ、其れはネ。言葉の綾という奴でサ」
あはは、っと乾いた笑いをするグレイ。
冷たい流し目をグレイに向けるミリュウが、今度はカムイを拗ねたように睨む。
トレイをテーブルに置く時、些か乱暴に食器が鳴る。
小春日和、真っ盛りの今日この頃。
獣毛の濃ゆいウオルフィ種族など、露出の高い上着を羽織っただけだ。
カムイからされた三つ編みには、可愛いリボンが結んである。
ここ一週間程、同じ部屋の同じベッドで寝起きしているカムイとミリュウだ。
一日の始まりは、カムイが尻尾と髪を結わえた後、ミリュウのおねだりで朝っぱらから極甘濃厚な性行為で始まる。
ミリュウの朝の日課は、惚れた男の精液を胎内に納める事だった。
其れが今日は寝坊してしまい、起きてからまだ可愛がって貰っていない。
むっとしながら小首を傾げるカムイを睨む。
「えっと…何かな?」
「何故、駄目とはっきり言わない。私が他の男に抱かれてもいいのか?」
「だって、ほら…僕はミリュウさんの事を信じてるから」
可愛く微笑み掛けられ、二の句が継げなくなるミリュウ。
頬がうっすらと染まり、編まれた尻尾を何の気なしに振る。
「………ずりぃ言い包め方」
「と言う訳で。グレイはミリュウさんの事、諦めるようにね。臨界でも、相手してくれる娘達は何人か居るっしょ?」
「あー…わーかったよ。しっかし、すっかりステディ関係になっちゃってサァ」
ミリュウの肉体に未練の残るグレイが、諦めの溜息を吐く。
「…ん。私は、も…カムイ専用だから」
鄙猥な呟きに、グレイは咽せる。
何の気なしに隣を見入ると、妙に可愛く腰掛けたミリュウが、潤んだ瞳をカムイに向けていた。
「あのね、ミリュウさん? んな愛玩奴隷みたいな」
「ベッドの中ではそうだぞ? 私はカムイの愛奴だ」
断言するミリュウに、グレイは絶句する。
カムイはというと、流石に照れ臭そうに頬を掻いていた。
「………何時か、私は物じゃないとか言ってた癖に」
「概念の違いだ。自分の所有者は、自分で選ぶ。カムイになら…私を捧げても…いい」
可愛く小首を傾げるミリュウの首に、真新しい首輪が揺れているのに気づく。
はっとしたグレイは、お茶を飲むカムイに詰め寄る。
「カムイ! 左手、見せてみろッ」
「あん? 何…っ、痛いっての!」
「ヴァージニアリング………」
グレイの想像通り、カムイの左手小指に金銀糸の鎖編み指輪が填まっていた。
其れは貴金属ではなく、ミリュウ自身の髪の毛を編んだものだ。
古の昔からウオルフィ種族に伝わる、魔法を宿した契約の儀式だ。
「カムイは承知してんのかよ!? ミリュウさん!」
牙を剥いたグレイは、感情を露にミリュウを睨む。
肩を縮こまらせるミリュウは、否定の印に黙り込む。
尻尾が怯えるように脚に絡む。
何か険悪に重くなった空気に、カムイは努めて明るく聞いた。
「あのサ。これ、ちょっと外して欲しーんだケド。何か解けなくて」
「………阿呆。解ける訳なかろうが」
一旦成就してしまった契約は、解除する事は不可能だ。
溶けたバターのように脱力したグレイは、思い切り深い溜息を吐く。
正直、そこまでやるとは思わなかった。
軽い敗北感さえ感じ、尊敬の眼差しでミリュウを見詰める。
「………後悔してねぇの? 絶対、苦労するぜ」
「………ぅん。側に居れるだけで…いい」
「かぁー…マジかよ。普通、自分から側位に付くか? カムイに正直に頼めば、聖位置にだって置いてくれただろうによ」
髪を掻き毟るグレイは、呑気顔のカムイに向き直る。
「まぁ、それなりに面倒見てやれよな。事ここに至りゃ、家元も何も言えないからサ」
「あのサ。僕、話が見えないんだケド」
ウオルフィ種族は、伝来の伝承を忠実に守る。
貴族ならば尚更だ。
これで、ミリュウの勘当措置は、事実上本決まりになった。
結納まで交わしていた以上、グレイの実家の立場も複雑になった訳だ。
「後免………」
「謝んなら、カムイにしな。この馬鹿、全然解ってねぇ」
「だーかーらぁ! 一体何な訳? グレイもミリュウさんも、内輪話止めてくんない」
流石に不機嫌なカムイだったが、瞳を潤ませたミリュウの真摯な眼差しに息を飲む。
何時か向けられた事のある、総てを賭けた眼差し。
言葉の出ないカムイに、グレイが幾つかの助け船を出していく。
「………んだからよ。俺等の風習ってば、一夫多妻制なんだよね。とある理由から、ひとりの夫に妻五人迄ってなってる訳だけど」
いい加減話の見えてきたカムイは、重い瞳で自分の指を見る。
続いて顔を上げた視線の先で、ミリュウがびく…っと震える。
「奴隷制の名残…っか」
カムイの暗示した台詞を感じ、首に填めた首輪を大事そうに押さえるミリュウ。
「撤回するって事は………」
「一生無理。ぜって、外せねぇ。ミリュウさんの首輪の方もね。何か解んねぇケド、凄ぇ強力な魔力宿るって話」
「黙ってシタのは謝る。………ケドっ、死んでも迷惑掛けない。絶対」
真剣に言い切るミリュウの言葉に、熱っと激高した。
「其れが迷惑なんだよ!」
「カムイっ!」
「俺がっ、認める訳ないだろ!」
案の定、ヒスを起こしたカムイは、晩飯時にも部屋に篭もったままだった。
カムイの為に心血を注いで調理したミリュウは、目を赤くしたままただ食卓の前に座り続けていた。
スープもすっかり冷め、暖炉の残り火が寂しげに弾ける。
「ぁ…あ、あのサ。俺、部屋帰ってるから」
豪華な料理に食指をそそられていたグレイだったが、ひたすら無言のミリュウに精神的に著しく憔悴してしまった。
階段の途中で振り返ったが、カムイの許しを得られるまで動かないに違いない。
他人事ながら、健気に尽くすミリュウに愛らしさを覚えてしまう。
「あったく。良く考えりゃ、文句の付けどころないじゃん。可愛いし、性格も身体も言う事ないし。それで、妾妻にして欲しいってんだから………」
自分なら、速攻で物にしてるところだ。
「………あの馬鹿。何引っ掛かってんのか」
軽くカムイの部屋の扉を叩く。
「入んぜ?」
明かりのない、薄暗い部屋を見渡す。
ベッドボードに短刀を突き立てて、無言で見詰めているカムイに身動ぐ。
「お前、凄ぇ危険なオーラ纏ってんだけど」
「………グレイ。ひとつ聞くが」
暗い瞳をしたカムイが、顔を引きつらせたグレイを振り返る。
「止めとけって。指切り落としても、ミリュウさんの首輪は外れんよ。あっちは切る訳にもいかんだろ?」
重く息を吐いたカムイは、気落ちしたように俯く。
椅子を引いたグレイは、脚を組んで腰掛けて煙草をくわえる。
「心無し、生活感出てきたじゃん」
部屋を見回し、灰皿を見付けだす。
お互い夜目が効く種族だ。
「何か………変わった?」
「んにゃ、なんつーか…散らかった。てか、あったかい感じしない?」
グレイは前の部屋を思い出し、感慨に耽る。
「今の方が、凄い自然な感じ」
「かもね………」
「ミリュウさんのお陰…っかな?」
カムイの寄り掛かったクッションも、ミリュウが持ってきた物だろう。
使い道はさて置き。
「あのサ。マジんとこ、ミリュウさん嫌い?」
「嫌いじゃない…さ」
「今回の件サ。無茶やったミリュウさんに腹も立ったけど、ちょっとは凄ぇ…って思ったんだ。俺、出来ねぇもんな」
「あぁ、だね。ボクにも………やれない」
自分の総てと引き替えに、側に居れる理由を求める。
たった、それだけの望み。
誰が愚挙だと嘲笑しても、カムイには痛い程その思いが理解できた。
短刀を鞘に戻したカムイは、ようやく表情を弛ませて壁に寄り掛かる。
「結婚とか、そぉいうんじゃなくってサ。ミリュウさん許してやってくれないかな………? マジで行く所無くしちゃった訳で…何か、可哀相でサ」
「ん…ミリュウさんに会いにいくよ」
何かをふっ切った表情のカムイが、ベッドから降りる。
何処となくほっとした顔のグレイを、扉の向こうから振り返った。
「グレイ………ミリュウは俺が貰う」
「あん。くれてやるぜ。可愛がってやんな」
牙を剥いて答えるグレイに、冴々とした横顔のカムイが微笑む。
「ミリュウを抱きたくなったら言ってくれ。相談に応じる」
「あ、マジ? 3Pでいーからサ、近い内試さしてネ」
「ミリュウに夜の面倒も見させようか? グレイの浮気性も、ミリュウに抜いて貰うとかさ」
「はん、言ってろ。その気もねぇ癖に。いいよ、今夜はマスでも掻く」
「マジだよ………。ミリュウ、グレイの事嫌いじゃないから。俺が諭せば、幾らでも受け入れてもらえる、ぜ?」
嘘の無い声色に、グレイは我知らず唾を飲む。
カムイと一緒にミリュウを犯している所を想像してしまい、股間が勃起してしまう。
「ミリュウ…お尻の穴もOKくれるからサ。同時に、なんて………興奮するっしょ?」
「あっ、阿呆! 早く行っちまいな。今夜は、邪魔しねぇから」
思い切り図星だったグレイは、カムイに向け手を振る。
火照った肉体は、娼婦でも買って鎮めるっきゃない。
顔見知りの亜人専門娼館を思い浮べたりする。
「忘れんなよ? 貸しひとつだぜ、カムイ」
「俺の、一番大事な物………やるよ」
「あん? それって………」
不思議そうに眉根を寄せるグレイの言葉は、閉じられた扉に跳ね返った。