竜園
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第U章  魔式術





 薬味術と云うものがこの世にあるそうだ。
 様々な薬効のある香草や薬草で、魔法にも似た効果を生み出すとか。
 我が妹である所のミイアは神官だが、薬味術も心得ているらしい。
「美味しい? お兄ちゃん」
「あ゛…まあな」
 多少味覚に難のあるミイアが、含みのある声で聞いてきた。
 済し崩し的に一夜を供にしてからというもの、すっかりなつかれている。
 じぃ…っと見つめるミイアの視線は、心なし潤んでいた。
 其の事に気付くべきだった。



「っくあァ…み、ミイア……」
「んっ…んっ…んっ…ちゅぅ…んっんっんー…っ!」
 開ける時間を過ぎているのに、教会の門は閂が掛かったままだった。
 罰当たりに祭壇に腰掛けた俺は、股間に顔を埋めるミイアの頭を掻き抱いた。
 見習い神官着をはだけさせているミイアは、神に祈るように床に跪いて、俺の肉根をほうばっている。
「ちゅる………はぁはぁ…お兄ちゃん。気持ち良い…?」
 ごぷ…っと涎塗れの俺の肉根が、ミイアの可愛い唇から顔を見せた。
 ミイアも媚びた表情で呻き、焦らすように肉根を指先で弄る。
 朝飯の中に一服盛られたと気付いたのは、唐突にどうしようもなく股間が疼きだした後だった。
 性欲昂進の薬効がある薬か何かだったのだろう。
 礼拝堂に居たミイアに文句を言いに行ったら、本人も抑えきれなく発情していた。
 俺が来るのを、ひとり祭壇に腰掛けて、いじらしく自慰をしながらだ。
 怒るに怒れない俺は、ミイアに責任を取らせる事にした。
「ミイア…もう一度くわえて…」
「お兄ちゃん…みいあも、もう………」
 右手で肉根を扱くミイアは、我慢できなくなって左手で股間を弄っていた。
 神聖な礼拝堂で、神聖な聖女を犯している背徳感が、俺を昂ぶらせている。
 それに、ミイアって虐めたくなる所あるんだよな………。
「駄目っ…まず口で一回イカせな」
「ふみぃ…そんなぁ……。お兄ちゃんの…意地悪ぅ」
「これはお仕置きなんだからな。2回目はちゃんと入れてあげるから」
 抑えきれない欲情に泣き顔のミイアだったが、俺を射精させようと激しくおしゃぶりしだした。
 尿道に舌先を捻込み、淫袋を揉みしだきながら根元を扱く。
「ちゅぶ…ちゅぶちゅぶっ!あぐっ!んぷ…んぷ…ん、んんーッ!」
「あ…いいよ。ミイア、凄いッ」
 肉棒に舌がにゅるにゅるっと絡み、俺はミイアの頭を抱えて前後に動かさせた。
 礼拝堂で淫行に耽る俺達を、女神像が優しく見守っている。
 ミル姉が知ったら、卒倒しちゃうか。
 瞬間、肛門の中にミイアが指を突き入れてきた。
「っく…おうゥ……っ!…っ!」
「んん…っ。むぅ…げぷ……ごぷぅ…けふっけふっ。……はぁー…ぁ」
 初めての強烈な刺激に、俺は抑える間もなくミイアの口腔に射精してしまった。
 喉に弾ける粘液を飲み込むミイアは、射精途中で肉根を吐き出す。
 口腔に溜まっている精液も、こぷり…っと漏れる。
 唇から白い粘液を滴らせるミイアの顔に、びゅる…びゅるっと残液がほとばしった。
「はぁ…ぁぁ……。おにいちゃ…ぁん……」
 恍惚として精液を顔に掛けられるミイアは、俺をイカせた事に昂ぶったのか腰をくねらせて仰け反っていた。
「凄く良かったよ、ミイア。…次は」
「あぅ…あぅ、お兄ちゃん。みいあ…みいあも」
 精液を顔にこびり付かせて媚びるように悶えるミイア。
 薬を盛った本人の方が、麻薬に肉体を犯されていた。
 ミイアは羞恥を脱ぎ捨てて、発情した牝犬のようにお尻を振る。
 肉根は萎えるどころか、隆々と激しく勃起し続けた。
「ふふっ…祭壇に両手を突いて、ケツを突き出しな」
 官能の昂ぶりに動きの鈍くなったミイアは、俺が指先で叩く祭壇に、もそもそ…っと従順に手を突いて脚を開く。
 んっ…っとミイアはお尻を差し出し、俺への誘いに淫らに振る。
 俺は服の上から、淫らに臀部の桃肉を撫で揉んだ。
 股間に指を滑らすと、布を通して愛液で湿っている。
「おにい…おにいちゃ…ぁ」
「凄…べっとべと…してる」
 群青色の尼服の裾をつかむと、可愛いお尻が見えるように腰まで捲る。
 スカートの中はミイアの蜜の匂いが充満して、濡れ切った下着から浸透した愛液が太股にまで滴り落ちている。
 俺は薄浅黄色の可愛いパンティに指を引っ掻け、ぺろん…っと柔らかな白桃を剥く。
 下着の絹地とミイアの肉唇の間で、粘液がねばねばぁ…っと蟠っている。
 俺は漸くミイアの性器が見えるまで下着を降ろし、じゅくじゅく…っと熟れ切った肉唇に指を埋める。
 指では満足できないミイアが、見せびらかすように指を絞め上げた。
 俺はその時点で我慢が出来なくなり、ミイアに有無を言わせず挿入していた。
「あぁ!あぁ!あーぁ…! お兄ちゃんっお兄ちゃん…」
 前振りなしの肉根の侵入に、ミイアはきゅきゅ…ぅっと膣を締めて応える。
 俺はミイアの細い腰を握り、尻を引き寄せて肉同士を交じり合わせた。
 尼服はスカートを捲っただけ、パンティも僅かばかり降ろされただけ。
 俺は官能の声を上げ続けるミイアを、ひたすらに背後から犯す。
 ミイアを礼拝の階段上に立たせて、動きやすい位置に固定した尻を突きまくった。
 ぐちゅ!ぶちゃ!むじゅねちゅ…ぅ…じゅぐじゅ!っと派手にミイアのお肉が掻き回れる。
 膣肉は俺の肉根に順応したみたいで、奥まで飲み込んで凄く気持ち良い。
 ミイアの性器は、幼いながらもひゅくひゅく…っと痙攣してくる。
「ミイア…ミイア…いいか? 気持ちいいのか?」
「うぅ…うぅーっ!…いい…いいのぉ。もぉ…ぐちゃぐちゃ…ぁ」
 興奮剤のお陰なのか、ミイアは子宮の奥深くまで肉根で突き上げられる度に、そのままの勢いで絶頂が脳髄に駆け上がっていた。
「もぉ…イッちゃうのが…止まんないのおっ!…ぁひゅ…おにいちゃ…救け…救けて」
「ああ、大丈夫。お兄ちゃんに任せなッ」
「んん…やあぁ…ッ!……女神さまがぁ…女神さまが見てるのぉ!」
 俺はミイアの尻に奥深く結合させたまま、祭壇上に抱き上げて正常位にはめ直した。
 ミイアの細く形の良い両脚を肩に担ぐと、ちょうど女神像の視線の先に、あからさまに淫らに濡れて繋がっている性器同士が覗けた。
 ミイアの可愛く生え揃った陰毛の、まだ幼い膣唇いっぱいに俺の肉根が刺さってる。
「俺のペニス結構でかいのに、よく入ってるよね……。ミイアのお腹の中、おへそん所まで届いてるんだ。みちゅみちゅ…って締めてるもん」
「嫌あっ…いやぁいやぁいやぁ…嫌ああぁ! お兄ちゃん…言わないで…見ないで…ミイアの事、いぢめないでぇ……っ」
「じゃ…可愛がってあげるよ。可愛い…ミイア」
 俺はただ黙々と摩擦で生じる快楽を貪るため、ミイアの尻の出し入れ運動に耽った。
 神に捧げられる生け贄のように肉体を貫かれるミイアは、虚ろな瞳で俺を見つめ、お腹の中の肉根の動きに反応するように可愛く呻きまくる。
 吐息を漏らすために開きっぱなしの唇の奥は、口内射精された名残汁ととろとろ…っと溢れて零れる涎に塗れている。
「あ…んん。可愛いぞ、ミイア」
「はん……っ…っは……ぁ………んんーっ…はっはっ………あぁあぁ…」
 ミイアの身体を折り曲げるように深く挿入させながら、桃源郷に行ってしまっているミイアの顔を舐める。
「そろそろ…出すよ。ミイアもいっぱいイッたろ…?」
「ぅや…もっと…おにいちゃ…もっともっとぉ……はあぁ…んっ」
「ったく…我が侭な妹だね…」
 ぐったりと弛緩しながらもお尻を振るミイアの腰を抱き、互いに抱き合う形に体位変換した。
 愛液でぐっちょりの下着も、引き下ろしてあげる。
「くすっ…ミイアは、蜜の多いね」
 浅黄色の可愛いパンティは、戦利品としてもらっちゃう。
「ふみゃ…ぁ、み…みいあの所為じゃないもん…」
 幾度も襲いかかる絶頂に疲れ果てたミイアは、いじましくお尻を擦り付ける。
 俺は栗色の柔らかい髪を繰り返し撫で、アナルを撫でてお尻の動きに手を貸す。
「ミイア…イクよ。も、俺っ…ぁはふ!」
「流れ込んでくぅ…熱いの…びゅく!びゅく!………んっ!んにゃ…ぁー………」
 射精の快楽で硬直する俺達は、抱き合って性器を痙攣させたまま、聖像のように祭壇上で昇華した。
 息も荒い俺達の接合した股間から、濃密な精液が祭壇に漏れ滴る。
 はぁ…はぁ…っと幸せそうに頬を火照らせるミイアは、手足を俺に絡み付かせたまま、所有権を主張するように顔を擦り付ける。
 しわくちゃになってしまった尼服が、何ともエロチックだ。
「ふみぃ………お兄ちゃん…素敵ぃ」
「もぅ、ミイア。薬使って…なんてのは駄目だぜ?」
「ぁん…御免なさい……お兄ちゃん。でも…抱いて欲しかったんだもん」
 しおらしくうな垂れるミイアが、健気に俺を求める。
 ミイアにとっては無意識の手管なのだろうが、結構…ぞくぞくくる。
 姉を純愛しているアズだが、リビドーの暴走する年頃である。
 ミイアから求められる限り、拒むのは非常に困難だった。
 俺ってば、セックスすると情が移るタイプだし。
 この間まで、生意気な餓鬼としか思っていなかったミイアが、妙に可愛い妹になってしまった。
「ん…ほら。もう、礼拝堂開けなきゃ、ね」
「あん…はぁい。お兄ちゃん」
 快感の余韻でもたもたするミイアを手伝って、祭壇の上を拭く。
 うあ…愛液と精液でべっとべと。
 俺はふと、恥ずかしそうに何かを探しているミイアに気付いてほくそ笑んだ。



「メイ=ディエ? 少し相談があるんだ…いいか?」
 魔道雑貨屋『メルクリウス』。
 トザク村の偏屈魔道士が老後の道楽に開いている何でも屋だ。
 規模は小さいが手広く魔道関係を扱い、地下迷宮で漁った品物を買い取ってくれる、有り難い店でもある。
 『狩人』の必須である魔式術も施してくれるが、流石に種類は少ない。
 値段も結構、高価だし。
 魔式術の品目を見ると、風刃・爆爪・双牙・餓炎・鋼甲・破装斬だけだ。
 魔力の無い一般人の肉体に、特殊加工した精霊を封じた霊珠を埋め込み、一瞬だが超人的な必殺技を使えるように出来る。
 無論、強力な魔式は肉体に掛かる負担も大きいし、制約もある。
 アズはメイの魔式の手術被験者になる条件で、半額で風刃・鋼甲・破装斬を埋めた。
 風刃とは、剣を降り下ろす時に生じる風圧を増幅、離れた相手を衝撃波で攻撃する。
 鋼甲は防御用の魔式術で、一時的に鋼の装甲を身に宿らせる。
 破装斬は剣と筋力に魔力で増幅をかけて、並みの鎧などを粉砕する一撃を打ち込む。
 本来、魔技式術の種類は数百とも数千とも云われている。
 高レベルな魔式になれば、前提条件として同系等の霊珠を埋め込んでいなければならない。
 現在の魔道技術では製造不可能なものが殆どで、神代遺跡等で発掘される。
 王都の魔道協会では新系統の魔式術が開発されているそうだが、基本性能は比べる迄もない。
 いやしかし、あの時は魔力が身体に適合しなくて死にかけた。
「あのね、アズ。しばらく顔見せないくせに、店番で忙しいボクに一体どんな用事があるってんだい?」
 人気の無い店内で、カウンターの中に座ったメイが睨む。
 黒に銀毛の混じったサラサラ髪を、男のように短く刈っている。
 言葉遣いも物腰も年頃の娘というより、少年に近い。
 子供の頃から読書のし過ぎの強度の近眼で、分厚い眼鏡がまたださい。
 そばかすの浮いた鼻先が、軽く膨らんでる。
 メイの機嫌が悪い証拠だ。
「女の臭いがするよ、アズ。酒場のエルさん所に居座ってたんだろ?」
「違うって。大体、エルとは………別れた」
 エルとの肉体関係のあった付き合いは、ドライに終わっていた。
 俺がミル姉に惚れているのを承知のエルだったが、この間、結婚を申し込まれて俺は首を縦に振れなかった。
「あいつ、今度結婚するそうだ。………相手は聞かなかったけどな」
「…マジ? そうだね、朴念仁のアズじゃ何時か振られると解ってたけど」
 男女間の関係にドライなメイは、ゴミのように切り捨てる。
「冷たいよ、お前。幼馴染みが不幸になって嬉しいか?」
「きょーみない。君が不幸になっても、ボクには利益も不利益もないし」
「その割りには、顔が笑ってるぜ? ………餓鬼の頃からそういう奴だよ、お前は」
 アズはトザク村に、ミル司祭と引っ越してきた時の頃を思い出していた。
 すぐに仲良くなった俺達は、野山を駆け巡ったり遺跡を探険したりして遊んだ。
 その頃からボーイッシュなメイの事を、暫らくの間は本気で男だと思っていた。
 成長したいまでも、魔道士の仲間として迷宮探索をしたりする。
 ま、恋愛感情を抜きにした、気心の知れた友人である。
「大体なぁ、俺のことをとやかく言う前に、男でも作ってみせな」
「大きなお世話だよっ。アズには関係ないだろう!」
 顔を紅潮させたメイが、カウンターを叩く。
「冗談だって、マジで怒るな」
「怒ってないっ!」
 言いながらカウンターを殴る。
 普段は浮き世離れした冷めた態度のメイだったが、たまーに切れる。
「はぁはぁ………でっ! ボクに用ってのは何なんだ?」
「目つき、ちょっと恐いぞ………。あっ痛、ごめんごめんっ」
「いいか…ボクも忙しい。従属幻獣の攻撃の的にされたいのかい?」
「わーったよ。………取り合えず見てくれ」
 おもむろに上着を脱いだアズに、メイは硬直して赤面した。
「責任取れよ、お前がこうしたんだろ?」
「せ、責任って…ぼっ…ボクにも心の準備が………」
 激しく勘違いしているメイは、唐突な展開に本音を口走る。
「アズにはミルリッヒさんが…でも、………ボクもアズの事…」
「何言ってる、魔式術が発現しないんだ」
「ずっと、す………って? 何だって!」
 我に帰ったメイは、自分が埋め込んだアズの霊珠を見入やった。
 一度アズを殺し掛けただけあって、思い詰めた表情で霊珠の埋め込まれた場所を触診する。
 魔道学の根源的理論によれば、万物の根源は九種類の原始力である。
 即ち、聖・冥・炎・風・水・地・月・獣・竜の属性ルーンだ。
 魔道士達は儀式と己れの魔力で、ルーンの力を呼び出し使役する。
 それは、仮の形状と擬似的生命を与えられ、精霊と呼ばれる存在となる。
 魔式術も精霊召喚と封魔術の応用した技術だ。
「おかしい…霊力が消えてる? 何で、半永久的に持続するはずなのに」
「あっ…ちょっとくすぐったい…よ。メイっ」
「違う…っ? 力は感じるのに…こんな感触初めてだ。アズッ! 何だよ、これはっ」
「だから、それを相談にきたんだよ!」
「だって、これ…ぼくのミスかもしれない。アズ、御免ね…どうしよう?」
 取り返しのつかない失敗をして泣きそうな表情を見せるメイは、不謹慎だが妙に可愛らしく女を意識させた。
 魔式術を移植して昏睡した時も、泣きながら俺の側に居てくれたのだ。
 ミイア相手に精気を抜いていなかったら、過ちを起こしそうだ。
 メイってはっきり言って美人くない部類に入る。
 でも、メイが泣きそうなのは、何故か心が痛む。
「あー…多分メイの所為じゃないよ。ちょっと、背中も見てくれ」
「ぇ…あっ?あ!ああああーぁぁっ!! 神代機動甲冑インターフェースユニットぉ!?」
 血の気の引いた所にいきなり興奮したメイは、貧血を起こして倒れた。



 さて、ルーンは世界の構成物質として万物に分散している。
 もっとも安定して扱いやすいのは、魔道士が操る四大元素だ。
 聖・冥の力は、其々神の血を引く者が操れる。
 だが、獣・月・竜のルーンは、不安定な上に強大な力だ。
 神々が魔道技術の粋を集結して、『神々の黄昏』の時に使用した記録はある。
 人間に扱えるような代物でないことは確かなのだ。
「で………その竜のルーンを、何故に俺が持ってる訳?」
「だから、アズが見付けたって言う機動甲冑! それが神聖具なんだよ、きっと」
 神聖具とは、神々の造り出した強力な力を秘めた代物だ。
 大概がルーンの精髄を宿した超遺品である。
 滅多に発見される物でもないし、危険な力を持つものも多い。
「マジか? 確か『龍皇』とか名乗った」
「言語会話能力も持ってるのか、凄い凄いぞ! A級の機動甲冑だよ、それは」
「嫌だよ、俺。んなの何か恐いじゃんか」
「だったら、ボクにくれよ…って無理だよね。マスター登録した『騎士』は変更不可能だからな」
「な、何だよ、それはッ。聞いてないぞ?」
「だって、アズが登録を望んだんだろう? じゃないと登録できないはずだし。無意識だとしてもね」
 背中を触りまくるメイは、羨ましげに爪を立てる。
「あれは………強姦されたみたいなもんだった」
「気持ち良かったわけ? どうでもいいけどさ、霊珠に詰まってんの竜の精髄だ。契約時にフィードバック現象を起こしたのかな? これがあれば竜の力を扱える」
「人の話し聞け………。じゃ、俺は魔式使えなくなったんだな?」
「うん、そうなるね」
「どうすれば良い? 頼む、メイ。なんとかして」
 珍しく泣き言を言うアズに、メイは計算高く微笑んだ。
「調べたらさ、君の精髄に竜騎兵用魔式術が書き込まれてたんだよね。発動言語教えてあげるから、精髄の詰まった霊珠欲しいなあ」
「………結構な値打ち物なんだろ?」
「いいじゃないか。そうだ、アズの戦太刀に霊珠埋め込んで、精竜刀にしてあげるよ」
 アズの両親の形見である戦太刀だが、魔力は底々だがバランスの良い名刀で、精髄の受皿として十分に保つだろう。
「我ながら良いアイディアだと思うよ。機神剣を見せびらかすのは危険だし。かといって普通の武器じゃ竜の魔式に耐えられない。………アズがいいって言ったらの話し」
 興奮していたメイだったが、戦太刀がアズの身分証であることを思い出した。
 親無しとして村の中でも迫害されていた幼いアズが、じっとその戦太刀を見つめていたの事を思いだす。
「………御免、ボク考えなしだった」
「らしくなく、しおらしいな。…いーぜ。その代わり、代金はロハだぜ?」
「OKッ。じゃ二、三日程、戦太刀預からせてもらうから」
 店のドアに臨時休業の札を出したメイは、さっそく霊珠の摘出呪術の準備を始める。
 店の奥のベッドに寝かされたアズは、怪しげな道具を揃えるメイに恐怖する。
「あ、あのさメイ。店休んじゃっていいのか? 爺様に怒られないのか?」
「んしょ…お祖父様なら、レイブ街まで女を買いに行かれた。一週間は帰らないんじゃないかな? 大体そうだったし」
 元気な爺いである、御歳70は過ぎてるはずだ。
 他に逃れる口実の話題を探そうにも、メイの両親は狩人として行方不明である。
 ………それからの二時間は、今迄の人生の中で最も苦痛に満ちた代物だった。
 ベッドに縛られ、手錠と拘束具をはめられた俺は、涙の滲んだ目でメイを睨む。
「嘘つき…痛くしないって言った癖に」
「終わってから言われてもね」
「鬼、悪魔…恨んでやる」
「男らしくないなぁ、やっちゃったもんはしょうがないよ」
 ………犯してやろうか、この娘は。
 俺は半ばマジで、メイを無茶苦茶にレイプしたいと思った。
 絶対に処女だろうが、力ずくで押さえ込んで後から突っ込んじゃる。
 泣こうが叫ぼうが、何度も何度も尻が擦り切れるまで犯す!
「あー後さ、太刀にアズの精髄注ぐから。ちょっと出してよ」
「あん…何だって」
 想像の中で精液塗れのぼろ雑巾になってるメイが、ガラスの小瓶片手に振り向いた。
「だから、竜の精髄の染み込んだアズの精髄がないと、太刀の呪鍛が出来ないんだ。竜の霊珠は異端的な精髄だしさ」
「ああーもう、好きにしろ。血でも抜きたいのか?」
 厳重に拘束されたままの俺は、投げ遣りに言い捨てる。
「精液」
「はぁ?」
「精液出して」
 メイは至極真面目な顔をして、戯けた事をぬかした。
 冗談かとも思ったが、メイの目は限りなくマジだった。
「お前、男の生理知ってる?」
「大体」
「こんな縛られた状態で勃起する程、俺は変態じゃない!」
「………してるぞ。アズ」
「げっ…こ、これはな」
 メイの冷たい軽蔑に満ちた視線が、ズボン越しに盛り上がる股間に注がれた。
 どうやら朝飯に盛られた興奮剤が、効果持続しているらしい。
 挙げ句、メイの痴態を妄想したのが勃起の原因だった。
「取り合えずっ、縄解け」
「やだよ。何されるか解んないじゃないか」
「なっ何を言う! 俺はメイに欲情する程、零落れてない!」
 嘘である。
 図星を刺されて、結構きつい事を言ってしまった。
 メイは顔を真っ赤にして胸を叩く。
「ぶっ無礼だぞ、その言い方! ボクだって年頃の女の子なんだからな!」
「だ…だから、俺はメイに対して勃起したって訳じゃなくてだな………」
 誤解を解こうとした俺の言葉を、さらに勘違いしたらしい。
「だったらぁ、これでも異性を感じないのかよ!」
「あっ…馬鹿ッ、止めって…メイ!」
 俺の制止の言葉も耳に入らない程に、メイは切れてしまったらしい。
 魔道士の着るゆったりした服の上着に手を掛けるメイは、ボタンを外して胸を露にさせた。
 はだけた服を弾き飛ばすようにして、メイの乳房がまろび出る。
 俺は驚いて息を飲んだ。
 メイの始めて見る乳房の膨らみは、人並み外れた巨乳だったのだ。
 若さで肉が張り詰めおり、垂れる素振りもない。
 誰も触れた事のない小さめの可愛い乳首は、透き通るような臼桃色をしている。
 いつもは几帳面な程に肌を露出しないので、息を飲む程に綺麗な白肌をしていた。
「これでも、ボクが男だって言うのかよ!」
「い、や。凄い…よ、メイ………」
 俺は不本意ながらも、メイの胸に見惚れてしまった。
 気が付けば、股間の強ばりは痛い程に勃起していた。
「メイ、解ったから…その、なんとかしてくれないか」
「ぁ…ボ、ボクは………。ど、どうすれば?」
 急に羞恥心を取り戻したメイは、苦しそうな俺を見ておろおろする。
「責任………取ってくれ」
「せ、責任って!?」
 ここで縄を解かれれば、自制が効かずにメイを襲ってしまいかねない。
 ミイアの作った薬は、思ったより強力な代物らしい。
 メイの初体験をこんな形で経験させたくない。
「………手で、しごいてくれないか? 精液…必要なんだろ?」
「て、てて…手で………?」
「頼む…メイ…俺、我慢できなくなってるんだ」
 俺の苦悶する顔に、戸惑いを振り切ったメイが頷く。
 震える手が俺のベルトを外し、下着を引き下ろす。
 硬直している肉根は、弾力で跳ね返ってメイの手を打った。
「きゃ…!」
 赤黒く脈打つ肉の強ばりに、メイは尻込みしてじっと魅入った。
 俺は不謹慎に、メイに対して欲望を持ってしまった。
「ど、どうすれば………いい?」
「まず…握ってくれ。そう…やさしく、指を絡めてくれ」
「あ、熱いよ…なんで………? こんなの…硬くてびくびくしてる…ッ」
 密かに興味深く肉根に指を添えたメイは、一瞬離してから改めて握りなおす。
 メイの指は、硬さを確かめるように幾度も握る。
「うっ…く……ッ」
 俺はみっともなくも、気持ち良さに呻いてしまった。
「ご、御免っ……ボクッ。痛かった…?」
「いやっ、違う。………その、感じた……」
 俺もかなり赤面していたが、メイも真っ赤だった。
 何かとんでもない状況になっている気がする。
 びくつく肉根を握ったままのメイは、顔を逸らして次の指示を待っている。
「じゃ…上下に動かしてくれ。ゆっくりで、いいから………っ」
「はぁ………まだ、硬くなってくよ。…き、気持ちいいの?」
「ああ…上手いよ、メイ。そのまま………続けて…んっ……くぅ!」
 俺の言葉に、右手を上下させる動きが加速する。
 偶然なのか、メイの指先は的確に性感帯に刺激を与える。
 心無し火照った表情のメイは、小さく息を乱しながら虚ろに俺の性器を見詰めた。
 俺は濡れたように薄く開かれているメイの唇に、奉仕を求めたくて堪らなくなった。
「んっんっ…あ、あのさ…メイっ…」
「はぁ…はぁ………な、何? アズ…痛かった?」
「その……いや、馬鹿な事…言っちまうけどっ………く、くわえて…くれ」
「ええッ…!? まさか、口でか…?」
 一瞬後に内容を理解したメイは、耳まで真っ赤に染まる。
 意外な程に上手いメイの手戯に、俺は正常な思考が出来なくなっていた。
「悪い…変な事、言った………忘れてくれ」
「ぃ…いいよッ……! も、元はと言えば…ボクが悪いんだし………」
「まさか、メイッ? ぅ……うっ!くッ………ぁ」
 敏感になっていた肉根の先端が、ぬりゅ…っとした熱い粘膜で覆われた。
 固く目を瞑ったメイは、肉根の先端に舌を這わせている。
 俺は我知らず腰を跳ね上げていた。
「んっ…んんぁ……動かないで…アズ………っんう」
 股間に被さるように口腔性交してくれるメイは、ためらいの後に口の中に肉根を迎え入れた。
 まさかそこまで尽くしてくれると思わなかった俺は、驚きと興奮に酔い痴れた。
 露になったままの大きな乳房が、顔を上下させるメイの動きに合わせて、ゆっさゆっさと誘うように揺れる。
 心底から、その胸に顔を埋めて揉み廻し、ペニスを挟んで顔に射精したいと願った。
 ちゅぶ…ぶぶっ……ちゅちゅ…ぅ…っと下品で卑猥な音が、メイの唇から響く。
 俺は堪らなくなって、メイに射精が近い事を教える。
 手慣れた感じで小刻みにしごくメイが、肉根をくわえながら俺の顔を覗き見た。
 その、何とも言えない淫猥な表情に、俺はメイの口に思い切り射精していた。
「んッんあ…アッ! メイぃ!」
「うう…んんーッ…ごぽっ、ぬぷっぬぷっ…どくどくっ…どく………」
 喉に弾ける精液に、咽せ掛けるメイだったが、苦しそうに我慢して口の中に精液を注がれ続ける。
 メイの目尻に涙が滲んでいるのに、俺は激しく心が痛んだ。
 健気に肉根をしごいて残り汁を吐き出させたメイは、唇から肉根を抜く。
 尿道から伸びた白い粘液の糸が、メイの噤まれた唇に繋がっている。
 そのままメイは小瓶の蓋を開け、口を付けて俺の精液を吐き出す。
「んん…けふっ……んっ、こふぅ」
 思っていたより大量の精液が瓶の中に流れ込む。
 虚ろな目つきで唇を拭ったメイは、震える手で蓋を閉める。
 そして、立ち上がって逃げ出すように奥に駆け出す。
「あっ…メイ、メイーッ!」
 俺の声は閉じられた扉に跳ね返った。
 俺は罪悪感と、射精の快感の余韻の中で、縛られて後も追えない自分に思い切り自己嫌悪していた。



 メイは洗面所を兼ねた脱衣所に駆け込むと、扉を閉めて鍵を掛けた。
 荒く乱れる吐息を吐く唇からは、アズの精液が筋になって糸引く。
 メイは顔を欲情に染め、スカートを捲ると下着を下ろす。
 ひゅくんっと跳ね上がったのは、勃起した男性性器だった。
 メイはアズの物より一回り小振りなソレを握り、激しくこすった。
「はぁはぁはぁ…あ!あ!………あぁぁ」
 排泄器官の役目を果たす勃起物の下には、女性性器が口を開いて蜜を滲ませている。
 太股に流れる愛液を掬ったもう一方の手で、肉唇をなぞって擦る。
 ふたつの性器を両手で愛撫するメイは、立ったまま足をがくがくいわせ、壁に寄り掛かって幾度も仰け反った。
「あ…ずぅ……アズ!…いいよ…いいよぉ……アズゥ!」
 目を瞑ったメイは、舌先に残ったアズの精液を愛しそうに舐める。
「好きなんだ…好きだよっ……アズ………ッんん!あぅ!」
 絶頂に達した瞬間。
 メイの肉根から放出された精液が、空中に飛び散った。
 精気の抜ける喪失感に腰の砕けたメイは、びくびくする肉根を握ったまま座り込む。
 呆然と荒く息を継ぐメイは、虚ろに開けた唇に残ったアズの精液を舐め取る。
「……ぁ…あず………」
 陶酔していたメイは、憎悪の篭もった目で自分の肉根を睨む。
 いっそ切り取ってしまえと、何度ナイフをあてた事か。
「馬鹿だな……ボクは。………何やってんだろ………」
 自虐的に口元を歪めたメイは、小さく頭を振って身仕度を済ませた。



「じゃ…よ。頼んだ」
「あ、ああ………任せてくれ」
 戦太刀の受け取りをするふたりの間には、凄まじい気まずさが漂っていた。
 どっちが悪いとは言えないが、今迄のような友人関係を続けるのは出来ないような気がする。
 俺は頬を掻きながら、何か言わなければならない事を、必死で考える。
 この沈黙の辛さに比べたら、絶体絶命の戦いで命を削る方が楽だ。
「あのさっ、メイ………」
「アズッ、さっきの事だけど!」
 同時に顔を合わせる俺達は、気が合うといえないこともない。
「あ…何?」
「いや、だからさ………ボクは何とも思ってないから、呪鍛にせ…精液が必要だっただけだし…さ」
「そ…そうだよな、お互い不可抗力だったし」
「あ、ああっ。そうだよな。犬にでも噛まれたと思って忘れるよ」
「あはは…結構きっついぜ」
 内心ではメイが重く捉えていないと知って、ほっと安心した。
 何故か無償に喉が渇いてしまい、煙草をくわえる。
「だからさ、これからも変に気を遣わないようにしようよ。ボクとアズは友達だろ?」
「ああ、そうだよな」
「じゃあ、ボクは早速、呪鍛に入るから」
「頼んだぜ。それじゃ三日後にな」
 ぎこちなくはあったが、いつも通りの関係で別れた。
 性交後の気怠い感覚の俺は、教会に帰る道すがらメイの事を思い出していた。
 あの巨乳だけは夢に見そうに焼き付いてしまった。
「………メイは結構ドライだったけどな。俺の方が意識しちまいそうだ」
 俺は我知らず溜息を吐いていた。






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