「・・・葛城先生ですか?おはようございます、惣流です。え?・・・はい美里先生。それで今日ですが、昨日話したように家の都合で・・・はいお願いします。住所のほうは決まりしだい連絡します。・・・え、碇君ですか?・・・彼も休みなんですか・・・それでは、はい、失礼します」 しばし電話を見詰めた後、別の番号を呼び出す。ワンコールですぐに相手がでた。 アタシを待たすような人物がこの電話には登録されることはほとんどない。そして先ほどとはうってかわって自分でも冷たいと思われる声をだす。 「アタシよ・・・学校にはうまく連絡したようね。誰が尋ねてきても実家に戻ったとでも伝えなさい。電話?気にしなくて、いえ、誰から?・・・女・・・山岸真由美・・・すぐに調査させて。今日中に解ったことだけでも届けさせて。切るわ」 アタシは軽く息をはく。 ふと前に視線を向けると、ガラスに写る自分がいる。冷たく見詰め返す蒼い瞳に肩までかかる赤みがかった金色の髪。なにも羽織っていない真っ白な体は少し汗ばんで光って見える。その背後に見えるのは誰かが眠るベッド。 アタシはゆっくりと振り返る。 さっきまでアタシが休んでいたベッドの右側には、まだ少年と呼ばれる一人間が眠っている。 眠っている? アタシは思いうかべたその言葉に軽く嘲笑する。思いうかべた自分に。 眠っている、神事。だが神事の様子は、とても安らいでいるとはいえないだろう。 アタシが安らぎを感じる漆黒の瞳は今、閉じられている。涙の跡と青黒く腫れたアザを薄く浮かべて。 男とは思えないほど白いほっそりとした体には、細い爪痕と体中にある無数の小さな赤い痕。 それにそっと触れる。 「アザ・・・残っちゃった」 神事が帰ってきた時、アタシは思い切りぶん殴った。アタシを待たせた罰のつもりだった。 悲鳴も上げずに倒れる神事を跨ぐと、今度は有無を言わさず唇を重ねる。第三者から見れば愛情の欠片も感じられないキス。それでもアタシは必死になって行為を続けた。むさぼるように。 そこで神事は気が付いたように暴れだして、アタシを振りほどくと部屋の奥へと逃げ込んだ。 アタシが再び感じる喪失感。2年前、神事が居なくなったと知った時に、アタシは再び一人になったと知った時感じた恐怖が呼び覚まされる。 ゆっくり立ち上がると、携帯で近くに待機させていた護衛を呼びつける。連絡を終えるとそれを床に叩きつけて踏みにじった。そうでもしないと、また神事にひどいことしそうだったから。 意識を失って連れ出される神事。そのままアタシが泊まっているホテルに運ばせる。そこでなら誰にも邪魔されることなく神事と二人きりになれるから。 最後にアタシが部屋を出る。後手でドアを閉めながら、アタシはワラッタ。 神事を取り戻したから。そして。 アタシはやっとヒトにもどれると。 昨日のことを思い返しながら、そっと神事の頬をなでる。記憶と違わぬ感触に安心する自分がいる。記憶の中の神事はアタシに笑いかける優しい笑顔だ。だけど昨日の神事は、出会った頃のようにアタシに怯え、目をそらす。 それが現実だ。 だけど、それでも。 床に落ちていたシーツを拾うと、それを神事にそっと被せた。もう一度ベッドに横になると、昔そうしていたように神事に体を合わせる。 耳に聞こえる命の音。アタシの冷たい体に、重ねた肌に伝わる人の温かみ。神事から与えられるその一つ一つが愛おしい。 神事が二度とアタシに笑ってくれなくても、もう離さない。神事は・・・ そして眼に写るのはアタシがつけた無数の跡。 神事の体に残る跡はすべてアタシが付けた。アザも爪痕も、唇でつけた小さな赤い痕も。アタシ以外に神事に跡を残すのは許さない。神事の体も心にもアタシ以外のものは許さない。 二年ぶりに感じる安堵につつまれてアタシは眼をとじた。暗闇の中でも感じる懐かしい温もりにアタシは強く想う。強く、強く、祈るように。 コイツはアタシのものだ。 |
ヒト 02 ASUKA:01 アサ 作:HIRO |
「こ、これから、よろしく」 うつむきながら、神事がアタシに初めて言った言葉。 アタシは自分と暮らすことになった、自分と同じ子供をじっと見詰めていた。 あのころのアタシは学校にも通わないでずっと屋敷で暮らしていた。ママが選んだ家庭教師とアタシの世話をするメイド達がアタシの世界の全てだった。 家庭教師達からはアタシは完璧を求められた。メイド達からは距離をおかれた。そしてママからは全て引き継ぐ道具として。 そう。惣流・キョウコ・ラングレーの唯一人の娘であり、ラングレー一族の頭首の娘であるアタシは、後継者、惣流・アスカ・ラングレーだということをちゃんと知っていた。だからアタシはがんばった。だって捨てられるから。いらないニンギョウは捨てられるから。アタシはちゃんとわかっていた。だってアタシはてんさいだから。わかっていればダイジにされるママのオニンギョウダカラ。 そしてアタシはおじ様と神事に会った。 おじ様は他の誰とも、そしてママとも違う目でアタシを見ていた。その眼差しは嫌いじゃなかったけど落ち着かなかった。そして神事。目が離せなかった。同じくらいの子供だったからじゃない。アタシが不思議に思えたもの。ママをアタシを見る瞳その感情。アタシと違うモノ。ニンギョウじゃない人。人であるはず彼が人形のアタシを?不思議だった。 そして彼は時々アタシを見る。慌ててうつむく。またアタシを見る。 ナンデコノひとハコワガルノ?ナニガこわいノ?・・・・・・アタシがこわいの? 気付いたら目が離せなかった。アタシはこの男の子に興味がわいた。 でも。 その子は。 「ぼ、僕・・・お、お父さんといっしょに、い、いたいです」 アタシを見た後、その子はママにそう告げた。その時アタシの中で何かが生まれた。神事を見つめながら、それが、身動きしたのを幼いアタシは確かに感じたのだ。 「あの・・・・・・」 「・・・・・・」 その子は、神事はアタシと同じ部屋で暮らすことになった。 アタシと会わない間に、神事とおじ様の間でどんなやりとりがあったのかは解らない。一日が終る頃、やっと会えた神事はずいぶんと落ち着いて見えた。 やっと。アタシはその時のことをよく覚えている。自分が随分と興奮していたことに。期待という感情をひさしぶりに感じていたことに。 「あの・・・惣流さん?」 「!ちがうわ、アスカよ」 神事にしてもずいぶんと聡明だったのはまちがいない。ただの子供にしては自分の立場を理解していたから。 「アスカちゃん?」 それはママがアタシを呼ぶ時の言葉。アタシをニンギョウにする言葉。 「ちがう!!」 意識するよりも瞬時に否定していた。怒鳴りながらも・・・アタシは自分でもとまどっていた。こんなに感情的になったのは物心ついてから初めてだったから。 ニンギョウのアタシ。なぜだか目の前の男の子にそう呼ばれるのは不思議と嫌だった。 アタシの怒鳴り声に体をびくつかせる神事。 そしてアタシを怯えながら見つめるメ。 マタダ。あなたはなぜそんなメをスルノ。 自分の中でナニカが少しずつ大きくなっていく、そんな感じがする。 「アスカ、ただの・・・ただのアスカよ」 「アスカ」 「そう、アスカ。アンタは神事ね?」 「うん、僕は神事」 「それじゃ神事、こっちきて」 歩きだすアタシの後から神事は黙ってついてくる。 アタシは寝室のベッドに寝転ぶ。そのベッドは大の大人が三人転がってもまだ余裕がある。それが私に与えられていた寝床だった。 広い寝室の中央に置かれた白くて清潔で暖かいふかふかの寝床。 暗闇の中、サルの人形をなでながら眠りが訪れるのを待つのがアタシの日課だった。 「寝るの?」 「今はその時間よ。アンタも今日からここで寝るの」 「僕も?ア、アスカと?」 面倒くさくなったアタシはそれに答えずさっさとベッドに横になり目を閉じた。 だけど意識は神事の存在を全力で感じている。 しばらく部屋をキョロキョロ見回していた神事は、おそるおそるアタシと反対側からベッドに潜りこんできた。 疲れていたんだろう。神事は横になるとすぐ寝息をたてる。 その様子を感じたアタシはそっと目をあけた。 静かな寝室は、窓から柔らかい光がさしこんでいて見ることに支障はない。子供には広いベッド。さらに広くて暗いアタシの部屋。見慣れたはずのそれが、今日はどこか違って見える。だが嫌な感じはしない。 横には神事。うなされることもなく、静かに寝息だけを零す。 腕の中の人形をギュっときつく抱きしめる。 いつもより早く訪れた眠気に身をゆだねて、アタシは意識を手放した。 起床、朝食。そして勉強。一流といわれる講師陣による高度な教育にとどまらず、次代の惣流を次ぐべく様様なことを学ばされている。その合間に昼食や休憩。そんな時間が夕食の合図まで続く。 食事が済むと同時に就寝。アタシの一日は変ることなく過ぎてゆく。唯一の変化は、そのすべてに神事が共にいたこと。 一日が終わり、共に同じベッドで眠る。 そんな日々がしばらく続き、今日もアタシの目の前には神事が眠っていた。その寝顔には何の恐れもなく安心しきった顔をしている。 神事は時間ともにアタシに怯えることをしなくなっていた。 最初、アタシは落胆があった。やっぱりと諦めがあった。神事はやっぱり人なのだと。他の人と同じように、ママのお人形だけがアスカだと知ってしまったのだと。 だけど神事はアタシの傍を離れなかった。 アタシを怖がることもなく、アタシに話し掛ける。その黒い瞳は、ただアスカと変らず呼ぶ。勉強が解らないと言い、アスカはすごいと笑いかける。アタシに学び、いっしょに眠り、おはようと目をこすり、笑う。 変らない、神事は変わらない。そう知った時から、神事の視線を感じるたびに気持ちが落ち着くことを憶えた。 何故神事は変らないのだろう。 そう考え、腕に力を込める。サルのお人形は何も言わない。ただその感触は、人形自身以外のナニカがあることだけを意識させる。それがアタシを確かめる唯一の方法。 でも最近もう一つ方法を見つけた。 それを思い浮かべ、目を閉じる。 明日、また神事の瞳にアタシを見つけようと思いながら。 アタシは夢を見た。 その世界でアタシは人のように楽しそうに、怒り、泣き、そして神事に笑いかけていた。アタシが笑うのを見て神事が嬉しそうに笑う。 そんな夢を見た。 まるで人のように。 またナニかがオオキクナッタ。 それからしばらく日がすぎて。アタシは久しぶりにママに呼ばれた。 「ただいまアスカちゃん。いい子にしてた?」 「ママ、アスカはちゃんといい子にしてたわ」 屋敷にあるママの執務室。 間違いなくこの部屋はラングレー財閥の中枢だろう。時として、世界の情勢にすら影響を与える豪華な部屋にある大きな机。その前にアタシは立つ。しかし、頭首のはずのママはそこになく、別の人物が座っていた。 ママが今まで使っていた机には、代わりに神事のパパがいた。手を組んでアタシを見ている。そのそばにママが立ち、嬉しそうに話しかけてくる。 「報告は受けたわ。アスカちゃんが頑張ってるって」 アタシが経営を見ている会社は、業績を伸ばし続けている。アタシの方針に従って。 「この調子なら、もう一つ任せても大丈夫ね」 「うん、アタシもっと頑張る」 「嬉しいわ。この調子なら新しい子はいらないわね」 ママはそう言ってアタシの頭をなでる。本当に嬉しそうに。 なんでだろう。 ママに誉められたのに。頭をなでられたのに。ママの子供を続けられるのに。 腕の中のニンギョウが何故か重い。 「は・・い。アスカは、ママの、こ、子供でいられるように、が、がんばる」 アタシは必死に言葉を吐き出した。震えだす体を、零れそうになる何かを堪えて。 もういいわというママの言葉にアタシは足早に部屋から出ようとした。早く神事の顔が見たい。 「あ、そうそう。アスカちゃん。神事君に伝えてくれるかしら」 神事。その言葉がアタシの足を止める。 「貴方の願いは聞いたわ、好きになさいと」 「〜〜〜〜〜〜〜〜」 ママが歌ってる。 微かに憶えてる。昔、小さなアスカに歌ってくれた優しいメロディー。 今、アタシの目の前で歌っている。腕の中に眠る小さなニンギョウに向けて。 「アスカちゃん。ママといっしょに行きましょうね」 「ママ、ママ、置いていかないで!アスカはアタシよ!ママの子供はここにいるの!ママ!」 一生懸命叫ぶアタシに振り向くママ。 アタシは嬉しくて抱きつこうとするけど動けない。立てない。手を伸ばすことも身動きすることもできない。 見るとアタシの体は綿がつまった布の体だった。 立てないの。オニンギョウはひとりでたてないのヨ。わすれたの? ままの腕の中でその子はワラウ。 「もういらないの、貴方は」 呆然とするアタシにママはそう告げた。 「さあ行きましょうね、××君も待ってるわ」 優しく話し掛けるママの腕の中から、蒼い目の紅い髪の女の子が手を振る。 「ばいばい。オニンギョウさん」 歩き出すママ達の向こうに見える二つの人影。 別のアタシ、新しいヒトがママと行ってしまう。 それはイヤ。 だれにも見られなく、アタシはクチテユク。 イヤなの。 そして。アノコはいらないモノをみるようにミテ、アタシとちがうままのコドモといってしまう。 いや。イヤイヤ。イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ。 でもアタシはいらないオニンギョウなの。 だから。 アタシはボタンの目で小さくなる光を。 ミオクッタ。 「アスカ!!」 見慣れた天井。窓から差し込む真っ赤な日差し。 そして心配そうにアタシを見る神事。 「大丈夫?うなされてたよ」 「・・・そう」 体を起こして神事を見つめる。 アタシを見つめる神事と夢の中の神事が重なる。 「そろそろ夕食の時間だけど食べれる?」 神事の願い事。アタシに何も言わないのにママにお願いしていた。 手に力がこもる。 「まだきつい?」 「・・・るさい」 願い。 神事の願いなんて解ってる。ここを出て、神事のパパといっしょに暮らすこと。 アタシを置いてどこか遠くへ行くこと。 「え?」 「うるさい!!」 びっくりして立ちつくす神事に枕を投げつけた。 「でてけ!そんなに出て行きたいなら出て行けばいいじゃない!!」 「な・・に?何のこと?」 「ウルサイウルサイ!!出てってよ!!」 「アスカ」 「出てけー!!」 息を荒げながら神事を睨みつける。神事はとまどってる様子で、でも怯えずにアタシを見つめていた。 黒い瞳の中のアタシ。でも、やっぱりたった一人のアタシ。 結局、枕をベッドに戻すと、神事は黙って部屋から出て行った。 アタシは枕を掴むと扉に投げつけた。 ママは願いを叶えるといっていた。ひょっとしたら明日には神事はいなくなってるかもしれない。 アタシは目を固くつぶって。息を吸い込んで。喉まで上がったなにかを押し込めると。 暗闇の中、人形を強く抱きしめた。 目を開く。 また眠っていたみたい。 部屋はすでに真っ暗で、ドアの隙間から漏れる光が唯一の光源だった。 「神事!」 さっき追い出したことも忘れて、何よりも先に姿を捜す。 捜すまでもなく、いつものようにアタシの向かいで眠っている。 安堵をつくアタシの目に、テーブルに載せられている料理が目に入った。 料理はいつもと同じ量がある。 神事は自分も食べないでアタシが起きるのをまっていたのだろう。 「・・・・・・」 アタシは迷ったけど、結局神事を起こさなかった。 さっきのこともあるが、今はもう少し神事を見ていたかったから。 ふと、自分が枕に顔を埋めているのにきづいた。 当然ドアに目をやっても何もない。 「バカ・・・」 お腹がすいていたけど、でも、やっぱり食べられそうになかった。 目の前の少年は起きるそぶりもみせず、穏やかな寝息を立てて身動き一つしない。 アタシは少しづつ神事のそばに寄っていった。 アタシ以外の子供。よその子供。アタシの・・・。 「アタシの?」 いつも抱きしめている人形を見つめる。ママから初めてもらったサルのお人形。これはアタシのもの。アタシだけのもの。神事は? 「神事は・・・!」 伸ばした手のひらに感じるぬくもり。そのあたたかさに驚いて思わず手をひっこめる。 だけどおずおずと再び伸ばされる手。 神事の手は暖かかった。 アタシは人形なのに神事と同じあたたかい。 神事は人形じゃないのに。 アタシは神事と同じ? アタシは・・・人形じゃないの? その瞬間。 神事の手に力がはいる。ぎゅっと強く握られる手。 「!」 アタシは衝動の命じるまま、神事に強く抱きついた。 抱きつくモノはかたくてやわらかくて。心地よくて。 目を閉じても、やっぱりその感じはなくならなかった。 瞼に受ける白い光。窓から除く青い色がすでに日が昇ったことを教える。 アタシは顔を横に向けた。 「し、神事!?」 身を起こす。 ベッド、そして部屋には自分以外誰もいない。 アタシは急いでベッドから飛び降りると、靴もはかずドアに走った。 ドアは細く開いている。 アタシの中に暗い想像が沸き起こる。 この感じがなんなのか、なぜ走っているのかすら判らない。だけど早くあの姿が見たい、それだけがアタシを突き動かす衝動だった。 ドアを勢いよく開けると、そこは長い廊下が続いている。一番手前の窓、そこに神事は立っていた。 「あ、おはよう、アスカ」 呆然と立つアタシに神事が笑いかけた。 窓から庭を眺めていた神事は、てくてくとアタシの傍に歩いてきた。 「ど、どうしたの、アスカ!?」 何に驚いたのか慌てて駆け寄ってくる神事。 「え?」 伸ばされた神事の手を濡らす雫。 「アタシ・・・泣いてるの?」 自分が流しているものに驚いて。ぬぐった手のひらを見つめて。でも、それよりも。 「あ・・・」 心配そうにアタシの頭を神事がなでる。それが一番何かを刺激して。 アタシは神事に飛びついて声も出さないで泣いた、唇を強くかみ締めて。 体全体に感じるぬくもり。アタシが触れている部分が少しづつ暖かくなる。アタシも神事も。 アタシはやっと解った。 アタシの中で育つナニカ。惣流・アスカ・ラングレーの中で生まれ、大きくなる何か、それは私だったのだ。アタシの中のアスカ。ヒトであるアスカが、人の神事を求めていたんだと。 神事がいればアタシは人になれる。神事が傍にいれば。 アタシはそう理解した。 コレが、神事がほしい。 アタシの中のモノが、やっとカタチになる。 その時気がついた。 今、腕の中にはニンギョウはなく、神事がいてくれることに。 ちゃんと抱き返してくるそれを、アタシが選んだということに。 言葉が聞こえる。 「アスカ、明日から・・・僕と学校にいこう?」 <糸売・・・かな?> 竜庭の皆様はじめまして。ヒロという生モノです。 こんな拙いお話を読んでくれて感謝です。こうして発表するのは久々ですので、ちょこちょこ怪しげなところが・・・(汗) 今度はぱすてるの方を進めるので「ヒト」はしばらくお休みです。 いるかわからない、続きを希望の方、一言でも感想をもらえると嬉しいです。 痛がりなので、あまりきつい言葉はご容赦を。 では、どこかで。 |
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