独白。もしくは「毒吐く」でも可。

                               滑稽




アカン。
困ってもうた。


ウチは今困っとる。
というか、恋をしとる。
光一君はもう過去のオモイデや。
ウチも若かった、ちゅう事やな。
せやから今は新しい恋をしとるんや。
問題はその相手やねん。
その相手とは…。
ウチの事を助けてくれた人。
ぱっと見は冴えへんけど、いざとなったらごっつ格好ええ最強の男。
…ちゃうで!?ゴリポンの兄ちゃんやないからな!?
大体毎朝プロテインを5リットルくらい平気で一気飲みしてそーな人外を好きになる方がおかしいやんか!?
ウチが好きなんは亮にいちゃ…羽村の兄ちゃんや!
お姉ちゃんが大津名付きの火者とかになってくれたお陰でな、いつでも会えるようになったねん!
…お隣やろ、ちゅうツッコミは無しにしたってな。
にっこり笑って「おはよう」言うてくれたらもぉ…。ウチの一日はそれの有無にかかっとる言うても過言やない!
ウチと二人で会話しとる時間なんて至福の時やわ…。
…しかし、ウチって何でこぉ問題のある相手を好きになるんやろな?
…ん!?ちゃうちゃう。兄ちゃん個人には問題ないねん。
えらい優しいしオモロいし料理は上手いし…。
ちっと口が悪いんがタマにキズやけどな。せやから反射的にツッコミ入れてまうねん。
…ええやん!?ツッコミは世界の基本やで!?
兄ちゃんの口の悪いボケとウチのツッコミがあれば世界狙えるで!?
二人で新喜劇のタコヤキの星や!


…アカン。話が逸れたな。
問題は兄ちゃんの事やない。
ウチの保護者にして兄ちゃんの彼女、恋人、半ば妻!…呼び方は何でもええわ。
とにかく、ウチのお姉ちゃん、祁答院マコトが大問題なんや!
まあ判っとった事やけどな。
お姉ちゃんは兄ちゃんにべた惚れやねん。
ちょっと前に「モテへん」て牽制かけたら、ほんま堂々と惚気られたしな。
あれはアカン。最大のライバルや。
何しろ手強いで。
基本的にはしっかりしとるのに妙なところで抜けとるからな。
あのボケっぷりは見事や。ウチですら絶句してまう事が今でもある。
特に兄ちゃんなんかには破壊力抜群やろ。
しかもあのスタイルの良さや!
ボン!キュ!ボン!と三拍子揃ったあのカラダ!
そら、兄ちゃんも篭絡されてまうわな。
…ウチなんてお姉ちゃんに比べたらキュ!キュ!キュ!…やからな。
そらまあ世ん中にはそう言うんがタマラン、てのも居るで?
でもそんなんに萌えとる兄ちゃんはウチも嫌や…。
…世ん中って難しいな。


で、や!
お姉ちゃんは兄ちゃんにべた惚れやし、兄ちゃんもお姉ちゃんを放す気はない。それは判っとるねん。
ウチかてお姉ちゃんには幸せになって欲しいしな。
戦況は思いっきりウチに不利って訳や。
せ・や・け・ど、や!
ウチにはお姉ちゃんより優れとるもんがある!
それは!
若さや!!
十年くらい経って、兄ちゃんがお姉ちゃんに飽きた頃を見計らって!
ボン、キュ、ボンに育っとる…筈のウチのカラダで、一気に勝負をかけるねん!
器量!
スタイル!!
そしてびぼー!!!
これだけ揃っとる…筈の美女が迫れば、曲がり角にさしかかりかけたお姉ちゃんを押し退けるなんて簡単な事や!
…それでも駄目なら二号さん狙うちゅう手もあるしな。
お姉ちゃんは一般常識に疎い!
ウチがしたり顔で説明すれば信用する事請け合いや!
兄ちゃんの方は嬢の姉ちゃんでも騙くらかして術の一つも掛けたればちょちょいのちょいや!
その後でじっくり料理してまえばええ!
これがウチの名付けて
「隣の芝生はホンマに青かったねんな計画」の全てや!


…ん?
何が困ってるのか、やて?
簡単や。
この「ちょーきてきてんぼー」に基づいた計画やけど、一番の問題はウチの忍耐力の方やねん。
兄ちゃんがお姉ちゃんに飽きるその日までに、ウチが先に兄ちゃんを襲ってしまうんやないかって、それが心配やねん。
せやかてもう殆ど同棲しとるようなもんやで!?
目の前にこれ見よがしにうまそーなタコヤキ置かれとるようなモンや。
ついつい手が伸びそーになってまう。
…試練やわ。
…んー、まあそんな訳やから、ウチが何に悩んどるかは二人には内緒な?
約束やで!


「おーい、キララー。帰るぞー」
「…居ないようだな。行き違いか?」
「そうかもな。なあいずみさん、キララは…!?」
「ふふ…そうね。ちょっと亮君の記憶を弄っちゃえば、みーんな幸せになれるのよね」
「うふふふふ…、そうよね。飽きた時を見計らって攻める、ってのも一つの手段よね…。その為の『サトリ』だもの」
「…駄目だ。焦点があってない」
「…なぁ真言美ちゃん?いずみさんと鏡花はどうしたんだ?何か最近のキララみたいになってるけど」
「あ、あはははは…。キララちゃんに毒されちゃった、って言うか…」
「という事は三輪坂。キララが何を悩んでいたのか聞いてくれたんだな?」
「えっと、その、あの、それはぁ…ですねぇ…」
(…ひーん!あんなの喋れる訳ありませんよぅ!戻ってきてくださいよぅ、部長ぅ!鏡花さぁぁん!)
「「「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ…」」」





後書き

どうも、滑稽です。
まずは、一言。
…何でこんな電波なモノになってしまったんでしょうか?
自分でも判りません。
取り敢えず、竜園さんに投稿させて頂くようになった記念で竜庭さんから頂いたリクエスト。それが元なのは間違いないのですが…。
まあ僕の中のキララ像はこんなのです。ええ、言い訳しません。
気がついたらギャグにしても電波にしても普通なのにしてもとてもとても中途半端な代物になってしまいましたよ、ええ。
今後の精進を謳い文句に封印しようかとも思いましたが、これもまた一作品なので、大恥覚悟で送らせて頂く事にしました。
えー、それでは次でお会いしましょう。
失礼致します(色んな意味で)






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