これから始まるのは、一つの未来。 祝福と御都合に支配された、平和という言葉に最も近い、明日。 平穏と言える日々は存在しない。 ここに在るのは、大津名という名の都市を覆った、とある子供達のドタバタ喜劇。 今宵語るのはその第二十一話。 始まりを告げるのは、ただ常にこの一言。 「それでは、良い夜を」 スラップスティック・デイズ 第二十一話。もしくは決戦でも可。 滑稽 「ハバキ…?」 「ああ」 「アンタ、何者だ?」 ハバキと名乗る男は、無言で指を鳴らした。 突然、蒼く染まる周囲。 「なっ…!?」 「なんて事はない。アクイの首領さ」 「あんたが…首領?」 「その通り。…では、場所を変えるとしよう」 「ちょっと待て。素直に俺が従うと思うか?」 「そうか。…ならば月並だが、百瀬真言葉の命が惜しければ、大人しくついてきて貰おう…というのは如何かね?」 「…判ったよ」 どうやら諾以外の選択肢は残されていないらしい。 「では、行こうか羽村シン」 ハバキはシンに背を向け、悠然と歩き出す。 その堂々とした背には、全く隙がなく。 「ち…」 シンは、大人しく現状を受け入れなければならない現状に歯噛みしながら、ハバキの後について歩き出した。 「…マコト」 ふと書斎から出てきた亮は、妻に声をかけた。 「はい、何ですか?」 「星川達に連絡を取ってくれ」 「え?」 「学校はキララに任せて、お前は星川達とどこかで合流するんだ。流石に学校に保護者が集結するのは目立ちすぎるから…な」 「どういう…?」 「さっきからシンの気配を感じない」 「な…!?」 亮の重ねは熟練を積んで一種のレーダーのようなモノになっている。 知っている気配であれば、大津名市内であれば居場所を特定する事が可能だ。 が、それにシンの気配が引っかからない。 「突然消えたから気になってる。事故に遭ったとかで意識不明なのかも知れない」 「だから集合を?」 事故にあった状態でアクイに先行されてはまずい。 「そうだ。アクイによる誘拐の線も含めて、シンをアクイに確保されるのは困る。厄介な事を頼む事になるが、任せたい」 「あなたは?」 「する事がある。取り敢えず合流してくれたら連絡をくれ」 「判りました」 颯爽とロングコートを身に纏い、出て行くマコト。 出掛けに携帯電話を持っていたから、短時間で合流出来るだろう。 そして。 それは現れた。 「お前がここに居る、という事はシンは誘拐された、と考えていいのかな」 「久しぶり…だな…羽村亮」 待ち受けていた方も、現れた方も、互いの反応に驚きを示さない。 「夜訃羅…とか言ったな?シンをどうした」 「我等の…盟主が…面倒を…見ている…頃…だろう…」 「盟主だと?」 「然り…」 抑揚のない夜訃羅の言に、ほんのわずか、感情の色が乗る。 「我等…アクイは…欲望が…寄り…集まって…出来た…存在…」 それは自分達の存在を誇るような。 「貴様の…知らぬ…アクイも…あろうが…」 そして、変貌が始まった。 「教えて…やろう…我等の…本質を…」 最初は、巨大化の類のように見えた。 「Kidは…あらゆる…破壊に…対する…欲」 だが、違う。 「マリオン・メイカーは…あらゆる…支配に…対する…欲」 ぞわり、ぞわり。 「媚濡裡は…あらゆる…色に…対する…欲」 夜訃羅が増えていく。 「貴様が…殺した…死屍解は…あらゆる…死に…対する…欲」 誇張ではなく、確かに増えていく。 どこから言葉を発しているのか。それすらも判らない。 「そして…我…こそは…恐怖…あらゆる…恐怖を…結集した、アクイ」 目の前にまるで冗談のように広がる、無数の夜訃羅。 「恐怖…か。本能に根ざす最も根本的な感情だな」 「然り…」 「ならば何故、貴様が盟主になっていない?」 「知れた…事…。我等が…盟主は…我より…なお…強きモノであるからだ」 「強い?」 恐怖より強いもの。そんな感情があると言うのだろうか。 ふとシンの事が心配になるが、亮も亮とてそれ所ではない。 「そして…貴様は…我に…適わぬ…」 「ほう?」 「恐怖を…司る…我が…唯一…恐怖した…『あの火者』…。例え…火群たる…貴様とて…奴とは…違い…恐怖を…持ち合わせて…居よう」 「へぇ…『あの人』に会った事があるのか。そうか」 亮は相好を崩した。 「確かに『あの人』なら、お前なぞ何の問題にもならんだろうな。あの人の強さは…人の領分を超越した所にある」 史上最強の火者。そう呼ばれた男がこのアクイ―いや、アクイになる前の光狩か―とどういった戦いを繰り広げたのか。 この件が終わったら是非聞いてみたいと思う。 「だけどまあ、だからと言って…」 その為にも。ここで必ず勝たねばならない。 護章が輝き、全身を包む。 「俺がお前に勝てない理由にはならないぜ?」 亮は全身を黒塗りの鎧に包み、眼前のアクイの群れに対した。 「それで…亮君は?」 七荻探偵事務所所長室。 自宅と学校から近い位置にあるこちらでいずみ、鏡花と合流し、星川貿易本社へと行く予定だったのだが。 少々予定が狂った。 「心当たりがある、と言っていたが判らん。自宅と連絡が取れん」 いずみの問いに、苦い顔で答えるマコト。 「な―」 「亮の奴は心配ない。問題はシンの方だ」 市内の病院に当たってみたが、どうやらシンが運び込まれたという話はない。 ならば間違いなくアクイが関わっている。 「そうね。シンが鍵である以上、その無事が一番大切ではあるわ」 「なら、とにかく星川君達と合流しないと」 「判ったわ。じゃ―」 と。 建物内部がさっと蒼く染まった。 「凍夜!?」 「ち…、張られて居たのか」 「アクイは…どこかしら」 注意深く周囲を見回す三人。 そんな中、窓から下を見下ろしたマコトが驚愕する。 「凍夜じゃない…!!ここは、狭間!?」 「はい、正解です」 割り込む声。 窓の向こうに、現れる人影。 シルクハットに片眼鏡。見るからに似非紳士満点の男が、優雅に礼をしていた。 「私の名前はマリオン・メイカー。皆様お初にお眼にかかります」 慇懃だが、不快な声音。 「羽村マコト様、七荻鏡花様、火倉いずみ様でよろしいでしょうか?」 「ふん…」 返答せず、睨みつける三人。 「なお、羽村シン様は我等が盟主が丁重におもてなし差し上げている最中でございます。ご安心くださいませ」 「何っ!?」 と、その余裕が崩される。 「観客の皆様には、私めの作品を堪能して頂きましょう」 すぅ、と大きく距離をとる男。 「ここは私の劇場でございます。そして主演たるは―」 窓の外からぞろり、と現れる巨大なアクイ。 「死屍解殿と共同で作り上げましたるこの大アクイとなっております。では皆様、心行くまで楽しんで下さいませ」 消える、青年。 「くそ…。こいつを三人で相手するのか」 事務所のあるビルは決して低くない。 浮いているのではなく立っているのであれば、その体躯はかなり異常なサイズだ。 「屋上に行きましょう。ここでは戦闘にならないわ」 鏡花の言に頷くと、三人は事務所を後にした。 「ここは…」 「我等の根城とする狭間だ。…とは言え、現在ここに在るのは私と貴様だけだが」 「ふん。ここで決着をつけようって腹か」 「その通りだ」 すう、と取り出される巨大な槍。 頭上に感じる強い圧迫。 「ちぃ!!」 振り下ろされる一撃を避け、こちらも武器を取り出す。 「我等は人の世の感情を集約して生まれた光狩だ。真の月から来る力を断たれた我等は、または寄り添い、または共食いにて強を残さねばただ散るのを待たねばならなかった」 「…それがどうした」 「母が再び大地との扉を開かねば。我等地上に在るアクイと光狩は早晩滅ぶ。だからこそ…我等は貴様を殺して母を呼ぶ」 ハバキの独白。そんな中でも攻撃の手は止まない。 「例え激怒した母に無数の塵へと還元されようと。我等は貴様を必ず殺す。そうせねばならんのだ」 だが、シンはそんな事に興味はなかった。 「真言葉を…どこへやった?」 「さあな。私の目的は貴様を殺す事だ。それ以外の要素に興味はない」 どこまでも問答無用だ。 「まあいい。お前をさっさと斬り捨てて、俺は真言葉を助けるさ」 「笑わせるな、人間如きが」 「舐めるな、アクイ」 だが、シンの思いとは裏腹に。二人は数時間に渡って激闘を繰り広げる事になる。 夕刻。天文部部室。 「キララ先生?シンと真言葉さんが来てないって聞いたんですけど」 キララがやって来た時、部室には全員が集まっていた。 「判らん」 「判らん、て…」 「それどころやない、っちう事や」 「え?」 いずみからある程度の事情は聞いていたキララだ。 部室に来る前に連絡を取ろうとしたが、亮ともマコトとも電話が繋がらない。 もしも二人がアクイの攻撃に晒されているのだとしたら―。 「…案の定やったな」 すう、と蒼く染まる空。 「アクイ!?」 「羽村シン様のご学友の皆様で御座いますね」 ふっと、部室の中央に現れる男。 「私、マリオン・メイカーと申します。火者の皆様に私の人形を披露させて頂きに上がりました」 「何やて?」 「残念ながら私めの劇場は現在公演中で御座いまして。それ故今回は路上公演となります事をお許し下さい」 ふ、っと消えるマリオン・メイカー。 「外っ!?」 慌てて天文部から出る一同。 「こちらで御座います」 空中に浮かぶ、マリオン・メイカー。 「私めのコレクションたる人形の数々、お楽しみくださいませ」 「うわっ!?」 ぞろぞろと立ち並ぶ、人影。 「何…こいつら…」 「あああああああああああああああああ…」 「うあううううううううううう」 呻くのは人形である。だが、その各所には確かに人間の生身と思われる部位が。 「ああ、これらは元々人間を材料にしております。そしてこちらが先程接収致しました―」 と、マリオン・メイカーが両手を振り上げる。 その、直ぐ下。 「こ…真言葉っ!?」 糸に繋がれた真言葉が悲しげな目でこちらを見ていた。 「その外法…」 と、一人冷静さを保っていた縁が、ふとある事に気付いた。 「貴様が…兄を操ったアクイか」 「ふむ?…おお。石動と言いましたか」 ぽん、と手を打つマリオン・メイカー。 「残念ながら、それは私の仕事では御座いません。指示を出したのは私ですが、ね」 「そ。それは僕の仕事さ♪」 ふっと現れる、目深に帽子を被った青年。 「私の現存する最高傑作、自律人形のミディで御座います。ミディ。こちらのご婦人のお相手をして差し上げなさい」 「おっけー、MM。さ、オバサン。僕と遊んでちょーだいね」 「…れが」 「んー?」 「誰がオバサンやてぇぇっ!?」 ドン、と。 凄まじい踏み出しでミディに蹴りを見舞うキララ。 「ごはぁ!?」 吹き飛ぶミディ。 「つぅ…」 立ち上がったそこに、追撃を加えたのは。 「キララ先生のぉぉっ!!」 巨大な足が二つ。 「どこがオバサンかぁぁっ!!」 「はぶうううううっ!?」 「シンカイ・怒りのドロップキイック!!」 再び二転三転するミディ。 「あいたたた…。わ、首が取れてる!?」 起き上がったその体に首はなく。 ころころと転がっている首を拾って、乗せる。 「もう。血の気が多いなあ」 「キララ先生、ホノオ。気をつけろ」 と、二人の背後に駆けてきたのはしのぶ。 「しのぶ?」 「あっちはあの二人に任せて来ました。それより、アイツです」 と、ミディを剣呑な目で睨む。 「心の声が聞こえません。軽く見ていると痛い目を見かねませんよ」 「ふん。粉みじんにしてくれる」 「せや。物事の道理ってやつをきちーっと教えてやらなあかんわ」 血気にはやるホノオ達二人。 「ああもう…。先生が挑発に乗ってどうしますか」 しのぶは呆れながらも、こちらの援護に回る事を決めた。 一方、縁達は。 「イーちゃん…行くわよ。真言葉ちゃんを助けないと」 「狭間の外での緒戦が兄の仇か。…それもまた、面白い!!」 まるで曲を奏でるように、両手を振るマリオン・メイカー。 と、真言葉がイスターテを取り出し、奏で始めた。 「組曲・魔王で御座います」 まるでおぞましい魔王が現出したかのような錯覚を覚えさせる、その演奏。 「く…!?」 「うぁ…」 「キュイ…」 操られているとはいえ、真言葉の動きはとても情熱的に見えた。 「で、いずみさん達にもセンパイ達にも連絡がつかねぇ、と」 「そうなんだ。本当ならもっと早くに出向くべきだったと思うんだけど」 「仕方ないさ。俺達の社会的立場じゃあいつら程自由には動けんよ」 「それでこんな状況ってのもね…」 溜め息をつく、翼。 彼等が集合するのを待っていたかのように、アクイが周囲を取り囲んでいる。 「原人…か。間違いなくこれは『あの女』のようだな」 全身が黒い体毛に覆われ、人間とも猿とも思える容姿のアクイ。 見覚えがある。 「だね」 「あの女?もしかしてこの前話していた―」 壮一の問いに、 「あら、覚えていてくれたのね?」 答える艶のこもった女の声。 「…来たね」 「ふふ…」 笑い声が聞こえ、アクイの群れが道を作る。 その向こうから歩いてくる、女。 「こいつが…ゴリポンから逃げおおせたってアクイかよ」 「媚濡裡よん♪よろしくね」 「…!!そ、壮一さん!!見ちゃ駄目!!」 ば、っと壮一の顔を覆う真言美。 「馬鹿。これじゃ奴さんも見えねえじゃねぇか」 「で、でもぉ…」 「だー!!」 と、振り払う壮一。 「アクイなんぞに反応する程俺もまだ落ちぶれてねぇよ」 「そ、そう…?」 その様子を面白そうに見ていた媚濡裡だったが、残り二人の剣呑な視線に気付き、妖艶な笑みを浮かべた。 「さ・て。おにーさん達、私の可愛い可愛い下僕になってね♪」 「はっ、今度は殺す」 「二度も逃げられるとは思わない事だよ」 「くすくす…」 「We are too crazy to liv'in the noon!!」 Kidの口から紡がれる言葉。 二人も超高速で攻撃を繰り出しているが、どちらにも当たらない。 「Hunter君。そろそろ準備運動は終わりにしないかい?」 「そうですね」 言い様、サカキは銃を撃った。 虚を衝いた銃弾が、Kidの左耳をこそぎ、突き抜けていく。 「HA-HA-HA!!痛いねぇ!!見事なくらい痛い!!いいね、容赦がない!!」 と、そこまでまくしたてていたKidの表情が凍った。 「…Why…?」 「ああ、やはり再生しませんか」 「何を…した」 「貴方のその異常なまでの再生能力の核。あの巨大な肉塊は破壊しました」 「…何時の間に…」 「貴方が子供の姿を取っているのも、つまりは再生に必要な肉の量が少ないから。…違いますか?」 「く…くっくっく…」 と、Kidの体が一気に成長を遂げた。 「それが貴方の本性ですか」 「いいねぇ…。これだ…これなんだ」 狂喜の笑みを浮かべるKid。 「命そのものを磨り減らすスリル…、生きるか死ぬかのこの緊張感が…」 何時の間にか人を食ったような英語混じりも消えている。 「僕の狂気を加速させるっ!!」 「…行きなさいっ!」 サカキが銃の引き金を引く。 「はっはぁ!!」 軽い動作でそれを受け止めるKid。 「サカキ君。僕は君が心の底から妬ましかった」 両手の指が硬質化し、身長と同様長く伸びている。 「僕達とは違って、Mamから力を授けられている貴様がぁぁっ!!」 「ちっ…」 銃を乱射するサカキ。数発を除いて、その弾丸は全く見当違いの方向へ。 そして、跳ねる。 「これがJokerかい?」 全周囲から飛来する弾幕の中、涼しい顔で笑うKid。 「こんなのは―」 と、長い爪でそれら全てを打ち落とす。 だが無論、サカキの狙いもそれだけではない。 天井、壁、床。 八方から現れた無数の砲台が、各々時間差をつけてKidを狙い撃ちはじめた。 「流石だねぇ…っ!!」 辛うじて避けていた弾丸の雨。とうとうその一発がKidの顔面を抉ろうとした刹那。 Kidの姿が掻き消えた。 「っ…!?」 「It's my joker♪」 声は、背後から。 振り返ったその目に、映るKidの翼のような両手― 「…標的は…」 だが、サカキは― 「Check…」 Kidの目を見据えて― 「貴方です…」 口許を歪めた。 「Mat…e?」 弾丸ではない。 無数の砲台の中にある、ほんの幾つか。 そこから放たれたのは、光線。 その全てが寸分違わずKidの両手を打ち抜き、指を弾き飛ばしていた。 「それが…」 「私の、Jokerです。Kid」 サカキはそう告げると、迷わず引き金を引いた。 同時に砲台も再び銃撃を開始する。 全身くまなく弾丸が貫き。 「…私の勝ちですね」 藻屑と化したKidの口から最期に漏れたのは、 「Good die Mr. Night Hunter?」 そんな言葉だった。 「やるな」 「ちぃ」 槍をいなして斬りつけるが、あちらも人間の反応では不可能な速度でそれを避ける。 こちらもあちらも、全く傷はない。 戦力は拮抗している。現状においては全くの互角だと言っていいだろう。 「ふむ…」 と、ハバキが槍を足下に突き立てた。 「?」 怪訝な顔をするシンに、ハバキはふと語りだした。 「観念的かもしれないが…、私こそは『覇吐』であり、同時に『覇芭鬼』でもある」 「何?」 ほんの少しのニュアンスの違いを感じるが、よく判らない。 「言ったな?我等こそは人の世が創り出したあらゆる感情を集約して生まれた光狩でありアクイ。『覇吐』たる私は世界が生み出した『神話への憧れ』であり―」 と、ハバキの全身が不自然に盛り上がった。 異様な音を立てながら、巨大化していく。 「アクイの首領たる我…『覇芭鬼』こそは…、あらゆる人類が生み出した『神話への畏れ』そのものだ!!」 どう表現すべきだろうか。 神話に現れる怪物の類。 そこに在るのは、まさにそれ。 「…それがお前の本性か」 大人の男の胴回り程はありそうな太さの腕。四本の鉤爪をかちかち打ち鳴らし、こちらを引き裂こうか、握りつぶそうか迷っているかのようだ。 更に紫色の背中からは長大な角が幾本も生えており、まるでこちらの剣を防ぐかのように全身に巻きついている。 そして額にある一本の巨大な角。 まさにその姿は大鬼。 「そう。我こそは覇芭鬼。神話の具現にして―」 持っていた槍を軽々と握り潰し、 「貴様に引導を渡す神鬼だ!!」 ハバキ―覇芭鬼は大音声を上げた。 第二十二話。もしくは激闘でも可。 に続く 後書き ども、滑稽です。 アクイ編、クライマックスの開始です。 今回は戦闘シーンばかりです。 ああ、ダレるとか言わないで…(泣 では、また次回。 |
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