そこそこ良いのが良いな…
”自然リサイクルは可能?”
 (1999年12月)


  自然リサイクルは可能?
 千年期とか言っても日常ではただの一年であるし、あっと言う間にまた一年経ったなと思う。しかし、この一年、変化の兆しがいよいよ形になって来たようである。
 変化を迫るものとは、情報技術革新と環境問題がそれである。佐渡も、いや、佐渡だからこそ尚、変わることを迫られていると思える。
 特に、後者においては、環境の優良証明とも言えた朱鷺も全国的話題となり、当面策、恒久策とも対策を迫られている。ここはやはり、自然リサイクルの可否が問われるところではないだろうか。
     ×      ×
 15年ほど前、「エントロピーの法則」という本がベストセラーとなった。熱力学第二の法則とて、要は、「覆水盆に帰らず」という地球環境の危機を喚起した内容であった。特に我が頭に焼き付いているのは、燃やしたら「元には戻らない」ということである。この法則の延長線上に、もう朱鷺が佐渡の空を飛ぶことは無いということがあるのだろう。
 我々は、相も変わらず生活の向上を追い、「エントロピーの法則」の進行を証明した。山を崩してビルに変え、飽衣飽食はゴミの山をもたらし、ゴミ処理場で煙りにして良しとした。ところが今度は、有害だから煙りを出すなという。まさに、自然リサイクルを考えなければならなくなったのではないだろうか。
     ×      ×
 幸か不幸か佐渡は島であるからして、島内のゴミは、島内で処理しないと目立つことこの上ない、自分の尻は自分で拭くことを要求されて当然だが、処理に困る物が山に放置され、海に捨てられる運命にある。佐渡は、正に日本のゴミ問題を先進的に抱えている。
 そんな折り、羽茂町が自然リサイクルで有機堆肥を作るテストをしているという話を聞いた。ゴミの50%を占めるという生ゴミは勿論、畜糞、木屑、モミ、ワラ等を一カ月という短期で有機堆肥とし、化学肥料で無機化した土を有機化出来、安全美味な農産物が生産出来るという。堆肥になるなら燃やさなくて済む、つまり煙りは出ないのである。
 有機肥料、飼料が島内で自給出来れば佐渡の一次産業は脚光を浴びるだろう、自然豊かな島で安全、美味な食物が生産されると。
 化学肥料使用による効率で得た「物質的豊かさ」を失うかも知れないが、それも「精神的豊かさ」を求めて、時代はようやく変わりつつあると思う。
     ×      ×
 世の中が、安全な環境、食物を求めて変わりつつあります。日本で「一番自然豊かな島佐渡」が、この変革を模索し、結果を確かめるに最適の地域であり、自然リサイクルに向けて行動することに何の不思議はない。   
 一例を挙げた有機堆肥自給自足は、肥、飼料を島外から買わずに済み一次産業の島内粗利額を上げ、安全と美味の声価は高まり、島外に販路が拡がる。
 文字通り一石二鳥であり、実現したら朱鷺が再び空を舞うのも夢ではないような気がして来ますね。すなわち、自然リサイクル・テーマパーク佐渡。
     ×      ×
 まあ 他人にせっつかれてやるのは誰しも嫌なもの、それぞれのペースでやりますか、ただし、間に合うように。

―― 泰(たい


1999年12月