鳥甲山                                2003.10.3〜5

月 日    10月3日(金)〜5日(日)

天 候   晴れ/小雨

メンバー  星野、一戸

コース   10/3大 宮―――東松山IC―――塩沢石打IC―――十二峠―――津 南―――和山狢平登山口(仮眠)

      10/4登山口7:15――稜線8:00-8:05――小水の頭8:50-9:00――白ーの頭9:45-9:55――白砂分岐10:58―

         鳥甲山11:03-11:40――赤ーの頭12:10――赤ーの肩12:40-12:50――屋敷山鞍部1:3:50-14:10――

         屋敷下山口15:50-16:10――和山狢平登山口17:20-17:30――栃川高原温泉キャンプ場18:00(泊)

      10/5キャンプ場―――のよさの里―――秋山郷萌黄の里―――十日町由家―――石打ユングパルナス―――

         塩沢石打IC―――東松山IC―――大宮

 計画の予定時間より1時間早く大宮駅をPM9:00に出発。関越道は順調。塩沢・石打ICで下車し、車はたまに通る十二峠経由で津南へ。ここ津南を過ぎたら目的地まで一軒もないというコンビニに立ち寄り、忘れ物がないかチェック。
秋山郷に入ると道は極端に狭くなり、国道を行くがカーナビが変な道を指している。鳥甲牧場や林道経由の道に入ったりして3回ほどバック。そのお蔭かノウサギが1羽、狸の夫婦か2匹、それに木の葉が風に舞っているのかと思いきやノネズミかヤチネズミか?1匹を見ることができた。
2:00やっと目的地の狢平の登山口に到着。車が5・6台留まっていて、既にテントを張っているパーティもいた。早速テントを張り、一杯飲んで就寝

 5時半出発のところを7時15分と大分遅れて出発。草深い登山口からいきなり急登がはじまる。はじめはスギ林だが、ブナやミズナラの大木が伐らずに残っているので、足元は陽が差し込まずぬかるんでいる。約10分ほどで最後の水場。ここから稜線までが第1の急登でタップリ汗を搾らされる。
「鳥甲山自然環境保全地域」の看板のあるところでひといき入れた。南の志賀高原の山には初冠雪らしく雪が白く光っている。ここからは展望は良くなり蛇行する中津川に沿って和山の集落が見える。足元にはイワカガミの葉が多いから花の時期に来ればはなやかな道だろう。今はミヤマママコナがピンクの花を開いていた。


草深い登山口 振られ易い万仏岩のアルミのはしご

 第2の急登を登って行く。雲を被った苗場山の巨体は山腹から下しか見えないが、雲の動きも盛んだ。樹木の背丈も低くなり、稜線も狭まってきてサロメチールの匂いに似たシラタマノキやアカモノ(イワハゼ)などの美しい木の実もまじりはじめてきた。
 万仏岩のアルミのハシゴは下部がしっかり固定してない縄梯子のような感じのもので不安定な上、5m程の高さがあってバランスが取りにくい。ハシゴの上部にはクサリも付けられているが、ちょっとした岩場になっているので注意が必要だ。この上は鎖もないので岩場を3点支持で越える。鳥甲山のピークはぜんぜん見えないが、赤ーノ頭の赤茶色の岩壁が素晴らしい。

どこまで行っても傾斜がゆるまないので、高度だけはどんどん上がる。アカモノとミヤマママコナのほかにタテヤマウツボグサ、ミヤマリンドウなども現れてきた。
このルートは、一つピークを登るとまた同じようなピークが現れる。AM8:50小水の頭と思しき1,705mピークで小休止。
ここから少し下り背丈を越す笹薮中の道とガイド文に書かれていた登りを過ぎ平坦な場所に出ると白ーノ頭に着くAM9:45。通しで二時間半。植生が急に変わってダケカンバやシラビソだろうか針葉樹林に囲まれ展望はない。木の間越に裏志賀の山々がみえる。

小水の頭下のナイフエッジの稜線 色づき始めた小水の頭

 ここからはしばらくの下り。苦労して稼いだ高度なのでちょっと惜しい。しかし、この下りには参った。何しろグチャグチャで滑ること滑ること。とうとう木の根に足を置いた瞬間、真横にズドンだ。
このルートの核心部というべきカミソリの刃の岩峰が近づいてきた。それにしても傾斜も厳しいし道も狭い。左右の樹木の隙間から下の方が透けて見える。覗いてみるとビビるくらいのたっぷりの高度感があり非常に楽しい。鳥甲山の登山道はほとんどが稜線伝いで、その大部分で左右が絶壁になっている。魚野川を挟んで反対側にあるなだらかな稜線の苗場山は女性的な山、鳥甲山は険しく急峻な男性的な山であると言われている。

あまり右端によると登山道の下が抉れていたりするから、よそ見などをして一歩でも踏み外したり、バランスを崩したなら命取りになるような所である。そのため、皆緊張し注意するからなのか、その割に遭難事故は少ない。事故というのは、案外危険な所では発生しにくく、危険箇所を過ぎ「ホッ」と気を抜いた場所とか、一般尾根上の何ほどのこともない場所で発生している例が多いのだ。カミソリの刃の岩場は、幅が40〜50pと非常に痩せた稜線にあり、高度感もあるが左側は樹林となっている分恐怖感は少ない。
そこを慎重に通過すると今度は、大きな岩場の中段を40m近くトラバースするのだが、この辺りは右下が急な崖になっていてかなりスリルがあって面白い。ここが本来のカミソリの刃で、現在立ち入り禁止のロープ゜が張ってある。岩峰を見上げると古い細い針金が残っている。このトラバースは確かに金ちぢみだったと思う。
ここの鎖場はぴかぴかの真新しいもので、岩にボルトを打って固定したものではなく、土の地面に打ち込んだ杭に通しただけのものなので、肝心の杭がぐらぐらしていたり、なかには引っこ抜けているのもあった。

岩場の上部 カミソリの刃上部
カミソリの刃岩場、右側がスッパリ切れ落ちている ななかまどとカミソリの刃岩峰

アキノキリンソウやウメバチソウなどが咲き残る草付きの急登を頑張ると、山頂への分岐。そこから20分と書かれていた鳥甲山の山頂へは5分だった。登山地図通りだとすれば1時間45分遅れて出発したのに山頂へは17分早く着いてしまった訳だが、これは我々の足が速かったわけではない。この地図を作成した時は鎖などもなく、本格的上級者コースで時間を費やしたのだろうが、現在は一般向きになっていて時間もそうかからない。
山頂は針葉樹の疎林なので、大展望というわけにはいかないが、志賀高原方面はよく見える。焼額山は無惨なモヒカン刈りになっていた。横手山の台形の山体と尖った笠ケ岳、岩菅と寺小屋山から東館山まで見えた。

 頂上で昼食。後から登ってきた群馬弁のパーティが頂上標識のまん前に陣取りにぎやかにオデンパーティを始めたから、次々に登ってくる登山者は頂上標識で写真も撮れず下山する羽目に・・・可哀想に。
この人達は和山登山口からのピストンだということだった。この日鳥甲山に登ったハイカーの半分以上は林道歩きを嫌ってピストン。交通の便の悪いこの秋山郷はマイカー登山しか向かないのでどうしてもピストン登山が多い様だ。


鳥甲山山頂 赤ーノ頭方面

 苗場山の上にはひっきりなしに雲が湧いていし、後から来る人のためにも席を空けなくてはと、下山にかかる。われわれは今度は屋敷方面に下る。こちらは登り下りがあまりなく、ひたすら下る一方で、危険なところも全くないかわりに、変化のない樹林帯が続くので、ちょっと飽きる。まさに下山向きの道だ。
笹原の海と右側ガスパッと綺麗に切れ落ちた稜線を行く。赤ーノ頭を知らずに巻き覗きの大崩壊地を過ぎると潅木林に入ると下り一方となる。とうとう雨が降り出してきた。屋敷山との鞍部の1460m地点の下降点となるが、和山登山口からここまでに3本しかない道標のうち1本が間違い表記では、まずいだろう。

下降点からは、えらく滑りやすい急坂、ストックを使って慎重に下る。豪雪地帯らしく下向きに生えた灌木林、道は沢状になって益々滑りやすくなってきた。ずっと下ってブナの原生林だ。大きな堰堤を二つ過ぎると屋敷温泉への林道に飛び出した。

 すぐ右にあるトンネルの中で腹ごしらえをし、車のある和山登山口へは約7キロの林道の登りだ。舗装された道を登山靴で登るのは非常に疲れる。それでも1時間10分で帰り着いた。 雨が降っているので、今夜は切明温泉の保養センター雄川閣に泊まって河原に湧く温泉をツルハシで掘って入ってみたい誘惑にかけられたが、前日に見た栃川高原温泉キャンプ場にテントを張ることにした。

ツタウルシの紅葉 不動の滝 屋敷下山口
栃川高原キャンプ場、温泉も有る おでん鍋で乾杯!

 今日は土曜日だというのに雨のせいか一張りしかテントはないまったく静かなキャンプ場だ。
腹が減っているのでまず、ビールで乾杯しオデンパーティの開催だ。オデンをつまみに前回の巻機山でのビバークを今後の山行にどう生かしていくかについて論議を重ね一定の方向性を見出した。テントの外ではまだ雨が降っているが、温泉に浸かりに行く。小さな村の公衆浴場みたいな感じだが、無職透明の湯は少し温めで柔らかく身体の芯までよく暖まる。
テントに戻り、今度はキムチを入れたウドンで腹から温めて寝ることにした。

 翌日も雨が止まない。今日は苗場山に登る予定だったがこれじゃ中止するしかないねと、寝直す。雨があがったのはすでに9時半を廻っていた。遅い朝食を食べてテントを撤収。前回の苗場山山行の一戸・小川・大槻の3名で泊まった「のよさの里」キャンプ場に立ち寄り、また、この上にある池まで行って見たが、鳥甲山は山頂部を厚い雲に覆われて姿を見せてくれることがなかった。
十日町の由屋に立ち寄り名物の「へぎそば」をたらふく食べて石打のユングパルナスの露天風呂、塩風呂、薬湯風呂に浸かりゆっくり帰ってきた。


十日町、由屋のへぎそば 石打、ユングパルナスの露天風呂

写真:星野、一戸/文:星野