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2004年4月11日

今日は、オレの解禁日と決めていたが、心地よいぬくもりから抜け出すことが出来ず、布団を抜け出した頃には、もうとっくに陽が高く昇っていた。

岩手解禁のご挨拶は猿ヶ石と決めている。ま、単に和賀に比べ雪解けが早いという理由だけだが(笑)今日は、ヤマメとイワナの両方を釣ってやろうかと、思っていたのだが、この時間じゃ無理かな?

『やっぱし、オレはイワナ師だからな、ヤマメなんぞに浮気しちゃいけねぇや』

車のダッシュボードに貼った『日本一 元祖岩魚師』のステッカーを見つめながら、そう思い、気を取り直して、猿ヶ石の源流部に向かった。なぜか、2時間ほど時が失われていたが気にしない、気にしない・・・

最後の民家を過ぎて、林道の奥へと車を走らせる。久しぶりの源流部に心も弾む。
しかし!うきうき心はふっとんでしまった。

『進入禁止』

立て札とバリケード
どの支流に行こうと思っても全て封鎖されていたのである。
間伐作業らしい。

原生林の多い処だが、杉の植林もされている。林業を生業としている方たちには、間伐作業は大事な事だし、山をきちんと手入れしてるのだから、しょうがないと諦めるより仕方がないのである。 確かに林道のあちこちに最近伐採したと思われる杉の細い木が山積みされていた。

しかし、最源流部に至る林道も封鎖されているのである。この辺はもう植林地帯では無いのに?残された源流部の釣り場は堰堤だらけの本流のみ。

ちょっと面白くない気持ちのまま、林道を引き返しながら、釣り人の嫌らしい気持ちが湧いてきた。
『あの沢なら・・・』
古い釣書で本流右岸にさしている種沢と紹介されていた処である。本流の短い堰堤区間に魚影が濃いのはここが種沢となっているからだと記載されていたのを、オレはずっと信じていた。だから、ココだけは、足を踏み入れるのを躊躇していた沢なのである。
『調査するだけなら・・・』

調査と云う目的を口実に、意を決して沢に向かったのである。もちろん沢の合流点から遡行しても良いのだが、以前に合流点からちょっとだけは調査済みなので、(どこが躊躇していたんじゃ!(自爆))その先を見たかった。

1/25000の地図によれば、点線で示されている細い道が本流と沢の間に通っており、ある場所で、本流と沢が道を挟んで平行に流れている場所がある。つまり本流を徒渉し、細い道を越えれば簡単に沢の中流部に辿り付くことできる。ふっふっふ・・・こんな事を思いつくのは、だっぺ屋か元祖イワナ師ぐらいだろう(爆)

さて、意気揚々と本流を徒渉し、細い古道に辿り着く。ここ、古道?砕石で敷き詰められ大型が余裕で走れるじゃん(爆)さらに、真新しいガードレールもついてるし(核爆)ま、仕方がない、こんな事はよくある話・・・。気を取り直して沢に降り立つ。いきなり、7寸ほどのイワナが挨拶してくれる。なにがあっても、イワナの顔を拝めば全てを忘れてしまうのだ。

しかし、そんな幸せ気分もつかの間、猿ヶ石川に対する私の思いは粉々に砕かれるのだった。

『ナニコレ?嘘〜っ?!!』

種沢は既に閉鎖水系になってしまっていたのである。
ここだけは、堰堤が無いと思ってたのにぃ!!!
平成11年・・・私が岩手に帰る直前に堰堤は完成していたのだ。しかし、よくぞここまで細切れにしてくれるものだ。堰堤は既にほとんど埋まっている。こういう堰堤は埋まっても、沢の傾斜が緩やかになることで、土石流を防ぐのだと、お国が云っていた。土石流が発生するような、急な沢ではなく、なだらかな渓相なのに。
そんな事を思いつつも、堰堤下に竿を出してしまうえげつない釣り師の姿(自爆)
堰堤を昇ってみたら、あらま?
堰堤脇は広大な作業スペースになっていた。小屋もある。重機もある。様々な広葉樹が伐採され山積みされていた。間伐とはほど遠い、大木まで伐採されているのである。木々には、真新しい伐採予定年の札が貼ってあり、どうやら平成17年まで、伐採を続けるようだ。
う〜ん・・・間伐の基準って?杉の木はどれ?
しかし、なんで堰堤脇に作業場所があるのだろう?堰堤を作った時の場所を利用してるのだろうか?作業場所を整地したときの土砂を捨てる為に、堰堤を作ったと考えた方が当たってる気がする。なんか、面白くない。

猿ヶ石の大物イワナの話も既に過去の事。閉鎖水系で細々と種を残してはいるのだろうが、徐々に絶えてしまうだろう。この源流部は奇形イワナが多い。最初はゾンジャイワナだ、仙人イワナだと喜んでいたが、自分が無知なだけであった。顎が欠けるのは、近親交配による、遺伝子異常のためなそうだ。その他にも、エラブタの奇形なども、珍しくはない。
『国土に災害をもたらす治山ダム』
書き直したろか?ゴルァ〜!!
う〜ん、むなしい遠吠え(^^;)

岩手でその伝説的な神秘性に魅せられて、足げく通った猿ヶ石源流。源流部でここだけは、堰堤は無いだろうと、ただ一つ残していた沢。来ない方が良かったのかもしれない。知りすぎるということは時に人を絶望にたたき落とすものだ。
(そこまで大げさではないが(^^;))

おかげさまで、猿ヶ石源流部支沢全てに堰堤を確認することができました。(爆)
今回を持ちまして猿ヶ石源流の探訪は終了いたします。(やけくそ爆)

まさか、解禁で猿ヶ石に別れを言うはめになるとは・・・・トホホ

というわけで、岩手源流釣り情報!!
GW期に猿ヶ石源流に憧れを持っていらっしゃる釣り人が毎年、他県から訪れていますが、たぶん2年くらいは入れませんよ〜、下流でヤマメ釣ってくださいな〜、その場合はダ○ワのキャップにサングラス、軟調の7M竿でゼロ釣法ってのが、岩手のしきたりですからね(爆)

                     
(完)
あんまり、重苦しい結末もなんなんで(苦笑)お口直しに・・・
美しい猿ヶ石天然イワナ
源流部の巨大なバッケ(フキノトウ)