２００５年５月３日
猿ヶ石川支流の小渓
連休ともなると、釣り場は県内、県外問わず釣り客で賑わう。猿ヶ石川沿いに車を走らせると、本流ヤマメ狙いの釣り人が沢山いる。長竿を振り回す姿が格好良い。でもオレにはできない釣りだから関係ないけど（苦笑）
さて、いつもの事だが、のんびり１１時現着。先客無し。堰堤上の源流部に行ってみるか。ココ、昔、某源流釣り書で紹介されたけど、普通こんなちっぽけな沢わざわざ来ないよなぁ。（笑）
堰堤から先には、道は付いていない。しばらく沢通しで歩いていると、ちび岩魚が走った。どれどれと、竿を出すと、小さすぎて餌をくわえきれないオチビだ。このとき頭の中では、４年前の記憶を辿っていた。そう、４年前に一度来ているのだ。
記憶によれば緩やかな普通の釣り場を過ぎると、急勾配の巨岩地帯に出くわすはず。竿を仕舞い、先を急ぐ。記憶通り、巨岩地帯に到着。写真がへたくそなので、急勾配に見えないが、実際目にすると、嫌になる勾配である。
普通の釣り人が帰る場所だ。これじゃ上には居ないだろうって場所。某釣書でもここで引き返している。お気楽日帰りコースの終点だ。オレの狙いはその上だ。そう４年前に、その巨岩地帯の上にも岩魚の生息を確認していたのだ。でも、チビしか居なかった。チビがいるんだから親が居るはずだ。
小渓に棲む主を捜せ！沢の主猿ヶ石編だ！気合いは十分！！
巨岩地帯をやっと越えて、また穏やかな流れになる。さて本格的に調べますか。早速かかってくれたのは、まっくろくろすけの岩魚。７寸に満たないちびさんである。チビのくせに、尾鰭だけがやけに立派だ。ぼちぼち型モノを期待したが、その後も、型は上がらない。１８〜２０ｃｍのいわゆる６寸。これで成魚というには小さすぎる。いや、これで成魚なのか？
良い型に恵まれず、逆に３寸ほどのちびがたまに出てくるだけになってしまった。
こんなちび助が下から上ってくるわけない。絶対親がいる。それだけを信じて先へ進む。
流れはいくつかに分かれ、水量の多いほうを選んで進む。もうこの辺は尾根筋に近く、水量も減り、ちょろちょろ流れる沢は、まるで里の小川の様。でも標高は７００Ｍぐらいなんだよな。
もう、魚止めの滝が現れるような場所ではない。
滝がなくとも、でっかいプールがあるんじゃなかろうか？それしか、考えられない。そこに大岩魚がいて、産卵しちびたちが下っているのだ。
ついにプール発見！
瀬じりには５寸ほどの岩魚がゆらゆらと泳いでいる！！
って、５寸かよ（笑）
しかし、なんか変？
トンネル？？？
いや、よく見ると、直径１Ｍ以上のパイプだ。なんでこんな処に？？？なんの為に、誰が、どうやって持ってきたの？
こんなもん、担いでこれないぜ？ここに道でも造ろうとしたんだろうか？いや道らしきものは無いし、それに、ただポンと置いただけ、いや転がってきてスポッとはまったように見える。ヘリで運ぶ途中に落としたのだろうか？？謎は深まるばかりだ。
まっ、ええ。それより、親はいるのかいな？意外に水深はある。１Ｍはないが、５０ｃｍ以上はあるぞ。これは期待できるかもしれない。
左にグルグルポイントがある。ここだな。・・・・クンクン・・・良し来た！がっぴょ〜ん！残念！５寸のチビ！！
じゃ、右か？・・・・クンクン・・・良し来た！がっぴょ〜ん！残念！またしても５寸のチビ！！
おかしいなぁ。ここに居なきゃ、どこにいるっつうだよ。
よっしゃ、重りつけて、底探ってみるか。
落ち込みを狙って・・・そりゃ・・・
・・・・・・・・・・・・
クンクン・・・グン！！
今度こそ間違いねぇだろ！！おりゃ！！
確かに親は居た。
体長２５ｃｍのオスの岩魚
しかし、細っせぇ〜・・・
全身見せるのは可哀想で痛々しい。
でも、腹の鮮やかな黄色は間違いなくここの主だと主張している。
ん、決めた。
ここは主の棲む魚止めトンネル
で、おまえがココの主だ。早く回復してもっと強くなれ。
主を確かめた達成感と共に、なぜかちょっと寂しい気持ちが湧いてきて複雑
閉ざされた小渓に生きる岩魚達。過酷な環境で精一杯生きている。いや、こいつらは、こいつらでのびのび生きてるのかもしれない。でかくなるだけが幸せとは限るまい。小渓には小渓に適した生き方があるはず。そうそう、物事、ネガティブに考えすぎたらアカン！！主の顎はすこしだけ曲がっていた。痩せても一国一城の主だと主張しているじゃないか。まっくろくろすけだって、立派な尾鰭がオレは強いんだと主張していた。どんな環境でも、強く生きるやつは格好いい。
オレも、強く、そして、のびのびと生きるぞ！！それが格好いいってもんだ！！
で、後何年、生きられるのかなぁ・・・何年遊べるのかなぁ・・・←まるっきりネガティブじゃん（爆）
(完）