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だっぺ屋のお勧め本「新・源流紀行」

待ちに待った「新・源流紀行」が発売された。まだ、手に入れてない方の為に、だっぺ屋店主、岩國が簡単にご紹介しよう。

「源流紀行」「源流への旅」等、源流本を専門に出版している(有)モアの新刊である。ただ、今回は出版社の本というより釣り人が作った釣り人の為の本というほうが正しい。

(写真:今回の新刊、CD付き、ケースは私の自前で、実際は本の裏表紙のソフトケースに入ってるのでお間違え無いように^^;)

源流界の大御所であった故川上氏の提案により、志を同じくする釣り人達の自費出版となっている。販売ルートもネット販売という、今までに無かったスタイルである。数々の源流本を手がけた(有)モアの編集により、新しい形の源流本に仕上がった。

■サイズ&ボリューム

A5版240頁となっている。巻頭カラー写真16頁は上質な紙に印刷されとても綺麗だ。各記事はモノクロ。編集後記に予算の都合と記されているが、A5の場合、巻頭カラー以外はモノクロで正解だと思う。A5版で文章が主体の場合、必然的に小さくなる写真もまたモノクロの方が逆に味わいが出るので好きだ。

■釣行記

今回は志を同じくする多くの釣り人達の釣行記によって構成されている。もちろん各誌で著名な達人と云われる方から、初寄稿の方まで様々な方の釣行記が満載。その数、実に27河川に及ぶ。従来の倍の数だ。中には、私の友人、ネット仲間の釣行記も掲載されている。仲間達が達人達と同じ本に載っているというだけで、今まで憧れだった源流部が身近なモノに思えてくるから不思議だ。初寄稿の方の釣行記も、それぞれの想いが伝わる力作揃いだ。ライターの方はHPをお持ちの方もたくさんいるが、やはりHPの釣行記とは違った味わいがある。

■記事

釣行記の他に、「ピンソール開発秘話」「源流行のザックの中身」「座談会・秋月岩魚氏を迎えて」「川上健次、斎藤信之、両氏を偲ぶ記」の4編の記事が掲載されている。いずれも、興味深い内容だ。「源流行のザックの中身」は岩遊の豊野氏のザックを紹介しているのだが、個人的には1頁というのが物足りなかった。ザックに何が入ってるかという単純な紹介で終わっている。一つ一つの装備が厳選された物だろうから、できれば、もう少し詳細に一品、一品の解説があれば嬉しかったのだが。紙面の都合では無く、企業秘密なら仕方が無いが。

■デジタル写真集

本書には、デジタル写真集として「4色CD」が付属している。4色とは、出版業界用語でフルカラーの意味なそうだ(編集された小峰氏から直々に教えて頂いた)このCDだけでも十分楽しめる内容となっている。27河川についての本文掲載写真の他、未掲載写真も納められ、一行コメントもついており、非常に良い出来なのだが、私個人としては非常に微妙に微妙なのである^^;

なにが微妙かというと、CDをPCにセットするだけで自動再生するHTML形式のスライドショーになっているのだが、ディスプレイがSXGA(1280x1024)でないと、楽しめないのである。写真の多くが1024x768になっており、現在の一般的?な解像度XGA(1024x768)では、ブラウザのツールバーとスライドショーのメニューの為に、写真が3/4ほどしか見えない。現在ではまだ、XGA環境の人が多いのではないだろうか。写真集としてはとても良く出来ているので、これだけが残念だった。採用したスライドショーの問題だけで、画像自体はとても綺麗だし、貴重な画像も多数納められているので、永久保存版であることは間違いない。

尚、XGA環境しかなく、ちらっと見てあきらめてる人は、CDの実行をストップしエクスプローラーで開いてほしい。「画像」フォルダを開くと、各河川毎のフォルダが表示される。更に各河川のフォルダを開くと写真が納められているので、WINのビューワでスライドショーにすれば、自動縮小され楽しむ事ができる。この事は、CDのREADME.TXTに書かれている。ただ、一行コメントは出ないので味気ないのだが^^;

次回もCDによる写真集を付けて下さるなら、解像度に合わせて自動縮小してくれるスライドショーをお願いしたいものだ。でも、次回の時には、SXGAが当たり前になってる可能性もあるんだよなぁ。なので、微妙に微妙なのである。もしかしたら、今時、 XGA環境、私だけだったりして^^;

■一読者としての評価

さて、本書を楽しみにしてた私としては、CDの微妙はあるが、やはり手にして嬉しい一冊だった。ちなみに微妙なCDはSXGA可能な仕事用PCで確認している。源流好きな人なら、必ず楽しめる本だと思う。価格1900円(税抜)も極めて良心的価格である。

業界の思惑で作られる本よりずっと良い。できれば、毎年の発刊をお願いしたいところである。もし、実現すれば、もっと取り上げて欲しい記事とかあるのだが。今回の採算性をみて、是非検討して欲しい。購入者も一人一人がスポンサーだと思って、盛り上げて欲しいと思う。仲間内だけで読んでる、紹介してる、のでは勿体ない。源流を手始めとして、内容をもっと充実させ、渓流一般、鮎、鯉、ヘラ、ワカサギ、そして海釣り、そして自然を愛する人達全部に行き渡ったらどんなに凄いことか。

最後に、私は本の完成を待たずして亡くなられた川上氏、斎藤氏との直接のご縁がありませんでしたので、敢えて両氏への哀悼的話題には触れず、一般の一読者が読んだ一源流本と云う立場で書かせてもらいました。全国にどれだけの源流ファンがいるかは分かりませんが、専門誌が少ない中、このような素晴らしい本を提案された故川上氏、並びにカメラマンとして参加された故斎藤氏、そしてお二人のご不幸にもめげずに完成させた関係諸氏に「ありがとう」という言葉を贈ります。

 記:だっぺ屋 岩國

「新・源流紀行」の注文は、こちらで受け付けてるそうです。
https://shakubonigetai.com/genryukikou/
繋がりにくい場合は(有)モアへお問い合わせください。
http://members.jcom.home.ne.jp/genryuenotabi/

尚、ご紹介した書籍の販売に関しては、当HPは一読者の情報としてご紹介申し上げているだけで、一切関わっておりませんので当サイトへのご質問等、お問い合わせはご遠慮願います。また、「お勧め」に関しても一読者の個人的感想であることをご理解ください。