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2003年7月13日

今週は、ずいぶんと雨が降った。土曜日は晴れたが、恐らく、沢の水は引いて無いだろうということで、今日、沢の主を捜しに秘密沢を調査をする事にした。雨の後のせいか、魚達は気軽に挨拶してくれた。しかし、今日は、いつもの魚達を釣りに来たわけでは無いので、前回ヘツリを止めた「神のお告げ」ポイントまで、急ぐ。途中いつも必ず竿を出す、大淵がある。そこで、オレは、石化けして、大物を狙っていた。その時である。上流から気配が・・人?
メスのカモシカだった。石化けしてるオレに気づかず、ゆったりと歩いてくる。彼女の自然な姿を石越しに見る。オレとは2Mの距離だ。それから、ゆっくりと2M程斜面を登り、そこの木の葉をゆっくりと食べている。何の警戒心もなく、自然そのままの姿だ。

オレは、嬉しくなり写真を撮ろうと思ったが、カメラは河原に置いたザックの中だった。気づかれないよう、カメラを取りに向かったとき、彼女が、オレに気づき、思わずビクッとした表情がとても可愛かった。彼女はちょっと間をおいて、山の中へ消えた。彼女の姿を記録できなかったのは残念だったが、今日はなんか、良いことがありそうな気がした。  

神のお告げポイントに着いた。今日は、「もっと、奥へいらっしゃい」と囁いている。通らずは、両壁断崖の10M程で、その先は2M程の直瀑の滝である。つまり、2M上までヘツルしか無いのである。

なぜか、今日は余裕があった。もし、堪えられなくなったら、思いっきり岩盤を蹴り、飛び込もう。それぐらいの覚悟と平常心があった。そんな余裕のせいか、難なくクリアできた。ヘツッた後は、帰りのルートを再確認する余裕である。不思議に冷静だった。これも、神のご加護か。

暫く、魚信の無いまま釣り上がりと、また、イワナが飛び出してきた。まだまだ、魚達はいるのである。魚影が濃くなったところで、現れた、2段の小滝である。手前が1.5M程、奥が3M程である。写真だと、小さな落ち込みに見えるかもしれないが、それぐらいあるのだ。 もちろん、おいしいポイントである。どこに一投目を放りこんだかは、察しがつくであろう。暫くして、ガツンという、スゴイアタリがあった。強烈だったので、すかさずアワセたが早すぎて、バレてしまった。                                       

実は、今日の餌は太ミミズ君だ。いつもは、ブドウ虫で、アワセをくれてやったときには飲み込まれてる場合も多いのだが・・・
もう一度、流してみる。再度、ガツンという感触が、オレの左手に伝わったが、手首を逆に返す。つまり、送り込みだ。それから、一呼吸おいて、静かに竿を立てる。竿に聞くと云うヤツだ。まさしく、竿は答えた
「来てますよ〜」

それから、思いっきり竿を立てる。 今日は、8〜9寸クラスのに、ずいぶんと手こずった。それだけ、イワナの活性が高いのである。しかし、この引きだけは、全然違った。立てた竿を絞り込まれると云ったら良いのだろうか。やっと、取り込んだイワナは現代風の小顔のメスだ。体は間違いなくEカップだ!(瀑)



しかし、彼女が沢の女主なのだろうか?その先で7寸ほどのが釣れた。やはり、主はまだ、先にいるはずだ。今日は8時間も費やした。この先を確かめるには、ここまで、釣らずに遡行し、それから確かめるしかない。それとも、渓泊まりするかだ。

大きいイワナを釣りたければ、もっと良い場所がある。そんな大物がいるところより、今のオレには魅力的で、大切な秘密沢なのである。子供の頃の秘密基地のように・・・

(完)