不良雑貨専門「だっぺ屋」の
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2004年9月26日

ほとんど人の入らないココは、オレの沢と言ってもいいくらいだ。アイツを追い求めて、早4年が経った。これまで、一度たりとも、釣り師、沢屋とも遭遇していない。朝一番で入ろうが、昼から入ろうが、誰とも会ったことがない。

もう、禁漁ということで、本流沿いの林道は釣り師の車がたくさん止まっていた。県外ナンバーもいる。さすがに、今日ばかりは無理かと思った。なにせ、昼近い11時なのだから。

しかし、不安はすぐにうち消された。いつもの尾根越え道を通って、沢に降りても、人の気配が無い。まあ、考えてみてれば、本流の方が大物がでるし、苦労してこんな沢に入らなくてもいいのだからな。

水嵩は、最近の雨のおかげで上々である。これなら、沢の主に会えるかな?オレは、駆けるように上流へと向かった。水の流れの音に人のにぎやかな声が混じってる様な気がした。 やっぱり、誰か先客がいるのか?前には誰もいない。 後ろを振り返るが、誰もいない。アタリを見回した。でも、聞こえる。耳を澄ませて、聞いてみた。

「だっぺ屋さん、そんなに駆けたら、イワナさん達、逃げちゃいますよ(笑)」
「だっぺ屋さん、急がなくてもイワナさん達は逃げませんよ(笑)」
「だっぺ屋さん、そんなに慌てるんなら、早起きしなさいよ(笑)」

そうか、こいつらがざわめいていたのか。フッ・・・驚かせやがって(笑)
ダイモンジソウが渓を賑わしていたのだ。



いつもの竿出しポイント前で、チビが走った。確かに慌てる必要はないな。しかし、もう12時をとっくにまわっている。折角来たんだ、上流部まで行ってみたいし、大場所だけ竿を出して行くか。
しかし、大場所でイワナの気配がない。誰か昨日入ったのだろうか?いや、全く足跡がない。それに昨日は大雨だったんだ。入るわけがない。そうか、雨で増水したのを期に、イワナ達は登ったのか?

そういえば、2週間前に見たウジャウジャ光景は、雪解け時にはいなかったポイントだ。きっと登ってるに違いない。気が付けば奥の二股に到着した。右か?左か?この前は左に行った。今日は右にしよう。竿も出さず、右俣のナメ滝まで進む。ナメ滝を越えれば、短いローカが現れる。ここでは、釣れた試しが無いのだが、遡上途中ならここにも、いるかもしれないな。

ローカ一番手前の瀬尻に餌を落としてみた。いきなり、竿がしなった。手にしたのはまるまると太った9寸近いヤツだった。
やはり、上に登っているんだな。このアタリになると、オレ好みの渓相に変わってくる。まさに、深山幽谷という雰囲気だ



先ほどまでが嘘のように、如何にもポイントで良型が飛び出してくる。しかし、もうタイムリミットだぜ。昨年、女主を釣った落ち込みまで来てしまった。小さな魚影が見えた。せいぜい6寸程か・・・チビさんとちょっと遊んで、終わりとするか・・・

重り無しなので、ブドウ虫を落ち込みの巻き込みに落としてやる。ブドウ虫は水面から静かに沈みながら、落ち込み口へと向かっていく。落ち込み近くで、すーっと、沈んでいく。ブドウ虫が見えなくなる。テンションを掛けないように目印を注視しながら静かに穂先を下げていく。
道糸がわずかに弧を作る程度に竿を操る。よし!流れに乗ったな。


次の瞬間、強烈なアタリがあった。これは、さっき見た6寸じゃない!

1.5Mの提灯仕掛けを強引に引き上げると、女主だった。

去年の女主はEカップだったが、今年はオレ好みのBカップだ(笑)
同じ尺でも、それなりの均整のとれた方がオレは好きなんだな。今流行りの巨乳アイドルみたいなのは、どうも好きになれん。Cはちょっといいかもなぁムフッ・・Dになるとちょっと敬遠だなぁ。今流行はEだFだと?挙げ句の果てはスイカップだと。あんなもん、バァ〜さんになったら、よいっしょ!って、肩にかけるんだぞ。あっ、釣りとは関係ないか(自爆)
まっ、人様をけなす前に2LBの鮎タイツがきつくてしょうがない、オレのFカップの腹をどうにかしなきゃな(笑)

時計を見ると、もう3時だった。主には会えなかったが、今年を締めくくるには十分な、美女だった。大満足でおにぎりをほおばりながら、渓を駆けるように下っていった。休憩無しでも2時間はかかるぞ。(苦笑)駆けながら、4年間を振り返った。

今年も、会えなかった。もしかしたら、アイツは幻だったのだろうか?そもそも、アイツを見たのは4年前の今頃だ。オレがへたくそだったから、大きく見えたのだろうか?でも、あの時、アイツよりずっと小さい魚影だったヤツを釣り上げたら29cmだった。あれから、沢の主探しが始まったんだ。
アイツは間違いなく、尺2寸、否、それ以上あったかも知れない。でも、この沢はそんなに大きくはない。尺クラスはいつもいるが、尺クラスまでしか、育たない環境とも考えられる。でも・・・アイツはやっぱりいるに違いない。そう信じたい。そう信じる!もういないと思ってた先にいるのだろうか?
来年は、源頭まで調べるしかないな。
それには、早寝、早起きだな(核自爆)

(完)