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2005年8月27〜28日
岩手 胆沢川支流
メンバー:Yさん、コージさん、岩國
写真  :岩國

週末は台風が来る。こりゃ、遊べないな。ビデオでも借りてのんびりしよう。レンタル店で週末用にビデオを6本借りて、家に着いた時だった。携帯が鳴った。かけてきた相手は、あのウルサイカマボコ・・・いや、小田原のコージさんだった。
「どーも〜!元気?今週末暇?もし、暇だったら友人のYさんと岩手で渓泊まりしたいんだけど?」
突然の話でびっくり!
「えっ?ウッソ〜!ヤダ〜、ホント〜??」という返事はしないが(苦笑)
(ふと、書いていて、古い!!(自爆)。今時だったら、『マジ?、マジ?、マジィ〜?超〜信じられないって感ジィ!!』う〜ん・・・これも既に数年前か・・・まっどうでもいいや(爆))

心配された台風はほとんど影響を残さず岩手を去った。というわけで、遠路はるばるコージさんとご友人のYさんはやってきた。感動の再開!と云いたいところだが、コージさんとは去年の暮れ会ってるから、大して感動もない(爆)Yさんとはもちろん初対面である。Yさんに挨拶しながら、どこへ行くか最終決断した。あらかじめ、コージさんから、Yさんは渓流釣りを始めたばかりで渓泊まりは初めてと聞いていた。それなら県南のあそこしかあんめぇ・・。
というわけで、コージ様ご一行、「おいでなさいませツアー」に決定!!

おいでなさいませツアーには難所は何もない。が、最初の急登だけが辛い。200Mを一気に登るのだ。一応オレがペースメーカーとなり、予定の30分で全員尾根到着。山登りする釣りが初めて云うYさんは、きつかったようだが、体力はかなりありそうなので、歩き方に慣れれば、あっという間にオレなど置いて行かれるでしょう(汗)。

オレは、ここは、4度目になるが、山頂からの景色をまともに拝んだ事が無い。いつもガスがかかっているからだ。しかし、今日はくっきりとは言えないまでも、結構見渡せる。山頂ルートに行きたいのだが、楽な迂回コースかな・・・
「ちょっとだけまた登る絶景山頂パノラマルートと、楽チン迂回ルートどっちがいい?」
「楽チン迂回ルート!!」
客人は予想通りの答えであった(苦笑)
数歩、迂回ルートを歩き始めた時である。コージさんが声をかけてきた。
「ホントは山頂行きたいんでしょ?いいよ。まだ余裕あるから」
というわけで、360度パノラマコースに変更!!コージさん、お気遣いありがとう!!
ぜいぜい云いながら、山頂到着。予想通りの絶景!もちろん、この絶景にコージさん、Yさんも、感動していた。見渡すかぎり、山、山、それも高圧線も、鉄塔も無い山が360度広がっているのである。全員、大満足!!きゃっほ〜!!

オレは景色に見とれる二人をよそに、こっそりベストからコンパスと地図を出し
「あっちが北で、数度ずれて、向こうがホントの北だな。ふむふむふむ。とすると、向こうの山は・・」

『山をやるなら、ジルバのコンパスを持たなくてはいけない』
という三田村連山の教えを試すときがやっと来たのだ。春にこっそり買ったジルバのコンパスを使うときが来たのだよ!これやりたくって、山頂来たようなものだ。気分は山屋〜!!
う〜ん、ジルバのコンパスと地図見てるオレってカッコイイかも?(爆)カッコだけまねしても、1/25000地図では遠くの山は全然解らない。針を見て「北だ!東だ!」と喜んでいるだけのオレ。意味無いじゃん!!(自爆)というわけで、二人に自慢もできるはずはなく、またこっそりと、コンパスと地図を仕舞う(核自爆)

パノラマ展望の後、ブナの大木を見ながらテン場へと向かう。風雪に耐え、折れ曲がりながらも天に向かって伸びた姿は見る者を感動させる。客人達も感慨深げに時々立ち止まって、逞しいブナの木見つめていた。しばらくして沢の音が聞こえてくると、皆、顔がほころぶ。釣り人というのは、沢の音が聞こえると俄然元気になるものだ。3時間ほどかけて、ようやくテン場に到着。とても綺麗であった。前のパーティーはとてもマナーの良い人達だ。テン場が綺麗だと、嬉しいモノである。さて、早速乾杯!冷たいビールの美味いこと!!渓泊まり初めてというYさんも笑顔で崩れそうである。もう、ハマッちゃったみたいです。(^o^)

一息ついたところで遅い朝食を取り、各自、好きな場所に釣りに出かける。ノルマは各自2匹。オレ は本流の下流に出かけた。今回のイワナは小ぶりだったが、飽きない程に遊んでくれた。7寸オーバーを2匹キープして帰って来たときには、テン場には煙が。客人二人は既に帰っており、タープの下で爆睡していた。

流れの音と時折吹く爽やかな風が心地良い。焚き火の前で一人ぼーっと山を眺める。なんて贅沢な時間なんだろう。そうこうしているウチに、二人とも起きてきた。時計はまだ、4時前だったが、宴会準備を始める。渓料理というのは、本当に大の大人を子供に変える。絶対に家ではしないくせに、皆、楽しそうに自慢の?料理を作る。Yさんも、初めての料理に真剣そのものだ。料理ができあがったところで、再度乾杯!後は、楽しい四方山話だ。
やがて、周りは暗くなり、漆黒に包まれる。焚き火の明かりだけが浮き上がる。ふと、空を見上げた。オレは思わず声をあげた。
「星だ!星が見えるよ!」
テン場の木々の隙間からいくつもの星が見える。コージさんが叫ぶ。
「河原いこうよ!」
3人は河原へいき、天を仰ぐ。まさしく満天の星空!星に手が届きそうなほど近くに見える。むさくるしいオヤジ3人が、うっとりと星を眺める姿は、絵にはならないが(笑)とにかく感動モノだったのだ。

星話題でまた、酒を飲む。男3人でロマンチックな星の話題もないだろうが、たまには良いモノだ。コージさんといえば、知ってる人は知ってる漫才オヤジだが、今回は真面目な話題ばかり、どうやらYさんに山の楽しさ、素晴らしさを教えたいのだろう。いや、既にYさんはすっかり、山の魅力に取り憑かれている様子だ。そう、誰が語る必要もない。経験すれば誰もが虜になるのだ。私もホストとしてほっとした。

早くから飲み始めたせいか、8時には全員就寝。タープの周りに線香の結界を張ったせいか、蚊に悩まされる事無く、爆睡・・・・
気持ちの良い晴れ渡った朝を迎える。Yさんは、朝まづめを楽しむべく出かける。オレとコージさんは、朝食づくりだ。朝食といっても、昨日の残り物なのだが。まっ、ありがちな、残飯雑炊である。コージさんは笑いながら
「これが、家の朝食だったら、怒るよな(笑)」
でも、美味いのです。山で食べる残飯雑炊は(笑)
1時間ほどして、にっこり顔のYさんが帰ってきた。

朝食を済ませ、お茶を飲み、快適なテン場に別れを告げるときが来た。帰り道はどうしようか?帰りは途中のナメ滝から沢通しで釣り上がりながら帰るか。来た道をそのまま帰るんじゃつまらないですからね。こっそり考えたにわかホストのサービス心である。Yさんの遡行技術がどれほどか分からなかったが、いざとなればどこでも道に上がれるので心配は無いだろう。

とりあえず、来た道をそのまま戻る。さて、ナメ滝が近くなってきた。
「昨日、ナメ滝見てないでしょう?ナメ滝で記念撮影しましょう」
すかさず、コージさん
「イワナいる?(笑)」
「いれば、いる。お留守なら、いない(笑)」
ナメ滝に到着すると、早速コージさんは、ザックから竿を出し、一振り!いましたねぇ!2匹ほど釣って満足そう。満足してもらったところでナメ滝を登って頂き、記念撮影。

「ここから、沢通しで帰りますよ」
既に、ナメ滝下でイワナを釣ったコージさんは当然待ってましたという顔である(笑)Yさんの遡行は私が心配する必要は無かった。釣りは始めたばかりというが、コージさんが連れて行く渓は結構険しい渓が多いのを知っているので、それなりにできるとは思っていたのだが、想像以上だった。それに学生時代は体操をやっていたというから、バランス感覚は抜きんでている。ちょっとした小滝も難なくこなしていく。

釣りは二人にまかせ、のんびりとホスト役を務めることにした。コージさんは入れ掛かり状態にハイテンションになり、目尻が下がりっぱなしである(苦笑)どれほど釣ったのであろうか?やっと?針をロスした(ほっ)
「オレ、もう釣りはいいや。針とれちゃったし」
と宣う、コージさん。といいながら、新しい針付けるなっちゅうの!(爆)
Yさんが、じっくり攻めてる間に、また、上に行って、釣り始める。で、また、かかる。こっち向いてにっこり!
「コージさん!もう釣らないって云ったじゃん!Yさんに譲りなよ!!」
「だって、入れ掛かりなんだもん!(笑)」
オヤヂは悪ガキのように笑う。もう手が付けられない。
まったく、このオヤヂは(苦笑)
「Yさん、あのオヤヂはほっとくと、いくらでも釣っちゃううから、どんどん先行って釣ってくださいね(笑)」
コージさんを師匠と慕うYさんは、オレのオヤヂ呼ばわりに苦笑した。
(コージさんとYさんの関係のてまえ、今まではコージさんが居ないときでも必ずコージさんと呼んでいた(笑))
コージさんもさすがに、遠慮?しはじめたが、懐かしい光景が・・・
「Yさん、あそことあそこ。あのよれと、巻き込み」
一応、一級ポイントを譲り、自分は後ろの竿抜けポイントで釣り上げ、得意そうに笑うのである。
あ〜、このオヤヂ!、全然、変わってないなぁ(爆)
楽しい沢釣りも終え、予定より大幅に遅れて車止め到着。おきまりコースの温泉に入り、無事ツアーは終了した。突然の来訪ではあったが、兎にも角にも楽しく、上出来のツアーであった。そして、なにより、こんなオレに会いにきてくれたことが嬉しいじゃないですか。人付き合いは上手いほうじゃないだけに、遠路はるばる友が来てくれるってのは本当に嬉しいモノです。
遊び仲間というのは、仕事仲間とは違って心おきなく話せるし、いくつになっても遊び仲間、それも悪ガキ仲間でありたいものです。