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2006年 7月22〜23日 
玉川水系堀内沢
メンバー いばらさん、岩國
写真   同上

いばらさんからの誘いで、堀内沢に行くことになった。堀内沢といえば、秋田では沢屋釣り屋御用達の有名処である。隣の県とはいえ、オレのような、なんちゃって源流マンには、なかなか単独では行けないところなので、二つ返事でOKしたのである。いばらさんも初入渓なのだが、お互いネットで下調べを行い、かなりの感触を得ていた。どこのレポートを見ても、お決まりのようにシャチアシ沢、ワニ岩、三角岩、は観光スポットの如く、紹介されている。山ほどあるネットレポートのどれを見ても、雨の日以外は、るんるん楽チン遡行なのである。中間点の朝日沢出会いにはテン場があるらしい。しかしそこまでの詳細なレポートはどこにも書いていない。裏を返せばそれぐらい簡単な歩きということと判断する。単調な河原歩きかな?しかし、雨が降っている以上、高をくくってはいけないというわけで、朝日沢のテン場を目的地と決めた。


21日夜、北上駅にいばらさんを迎えに行く。雨が降っていたが予報では朝には上がるはず。降っても昼までのはずだ。
「これぐらいなら、大丈夫でしょ。もし、ダメなら橋の上から釣りましょう」
と、冗談を言いながら、一路秋田を目指した。お決まりの夏瀬温泉を通り過ぎ、発電所前に着いたのは2時頃だった。
「ねぇ、いばらさん、調べた遡行タイム、色々なんですけど、実際、沢屋さんだと、朝日沢までどれぐらいで行きますかね?」
「3時間じゃないですかね」
「じゃあ、5時に出発して、8時にはテン場。それから、奥の二股まで行きますか(笑)」
「承っておきます(笑)」

夜明けには雨が上がる事を願って、仮眠をとることにした。

4時半起床。朝食を済ませ、5時出発。の予定だったが、実際に歩き始めたのは6時。それも、出発は発電所前ではなく、下流の夏瀬温泉駐車場(爆)まっ、理由はいばらさんに会ったときに聞いてください。私は理由を書けません(謎爆)

気合いを入れて、さぁ出発!
小雨の中、夏瀬橋を渡り、林道を歩く。健脚のいばらさんには申し訳なかったが、無体力自慢のオレが先行でペースを決める。歩きに関しては女川敗退後、「かめ」に徹している。歩みはのろくとも、休憩無しで50分ほどで入渓点に到着。予定では1時間だったので、嬉しい事!脚に自信の無いみなさん!亀に徹すべきです!(自爆)

いよいよ、堀内遡行の開始である。テン場予定の朝日沢出会いまでは、釣る予定は無い。経験豊富ないばらさんが、すぐに踏み後を見つけ、不要の河原歩きを避けてくれる。途中既に入渓していた釣り人を横目に見ながら、先を急ぐ。やがて、踏み後が無くなり、沢に降り立つ。でも、これって沢?川幅はまさしく川!増水気味でやや暴れているが、遡行できない程ではなさそうだ。何度か右へ左へと渡渉するのだが、押しの強さに四苦八苦。誰だよ楽チンルンルンって言ったのは!(自爆)やがて腰までの水位を渡らなければならない場所に。いばらさんが、なんとか中間地点の岩場にたどり着く。オレも続くが、一歩踏み出すのが辛いし怖い。なんとか、いばらさんのところまで、あと一歩。いばらさんが手を差し伸べてくれた。最後の一歩が川底に着地した瞬間、スコーン!足払いをくった様に滑った。両足が完全に川底から離れ、水没!仰向けに!!しかし、いばらさんの手は、しっかりとオレの左手を掴んでくれていた。ファイト〜!いっぱ〜つ!!(笑)ザックの浮力で、体が反転し、ようやく立ち上がることができた。ふぅ〜(^^;)

荒れる堀内を渡渉する
朝日沢までのルートについては、下調べでは見つける事ができなかったので、地形図を見ながら、遡行するのだが、現在地が掴めない。歩き始めて、丁度3時間が経過したとき、古い堰堤が現れた?いや、自然が作り出した天然堰堤である。それにしても、すさまじい光景だ。現在西日本で豪雨が続き、堤防などが決壊し、大被害をもたらし、犠牲者も多数出ている。自然が怒り狂えば、人間などひとたまりも無いことを、痛感させられる。

流木と石で出来た天然堰堤
さて、目標の沢屋タイムをオーバーしたが、まだ朝日沢は出てこない。腹が減ったので、ここで大休止し、エネルギー補給。まあ、ここまでそんなに悪いペースじゃないし、1時間以内には着くだろうと、二人で余裕をかましていた。もともと、林道1時間、遡行3時間と踏んでいたので、予定通りである。ここを高巻き、上流へと向かう。両岸が狭まっているところが多くなり、巻きが多くなる。沢屋さんなら面白くもなんともないトラバースやヘツリが、オレには丁度良い面白さだ。山行には、山行の静の楽しさがあるが、渓流の遡行は動の面白さだ。

【左】草地のトラバースも、アクアなら楽チン。
【右】ぶら下がり健康器で遊ぶオレ、じゃなくてアクア不得意のヌメ岩で滑って宙吊り(笑)
さて、本来の予定タイム4時間が過ぎた。巻き道が解らなかったりして、タイムロスはあったもののもう着いてもいい頃なのに。それに心配事が一つ。4時間を過ぎるとオレの足は攣る事になっているのだ(爆)予想通りふくらはぎが微細動をはじめた。そして、ついに渡渉の途中でふくらはぎの痙攣!(自爆)さすがにここからは、ペースダウン。それにしても、着かない。何度も地形図を見て、今までの行程と時間を頭の中で重ねるが、現在地が掴めない。
「ねぇ、いばらさん、朝日沢って大きい沢ですかね?もう通り過ぎたってことはないですかね?あそこに見えるのワニ岩じゃないの?」
「大きい沢だと思うけど・・通り過ぎたのかなぁ・・・とにかく、あの岩まで行ってみましょう」

岩が近づいてくると、単なる四角い岩で、写真で見たのとは全然違う(苦笑)そして、また地形図とにらめっこ。やっと、地形図と実際の景色が重なった。間違いなければ、朝日沢は目と鼻の先
「今度は間違いないでしょ!こうみえても読図には自信ありますからね(笑)」
「みんな、そういうんだよね。わははは」

元気を出して50M程進むと、ついに見えました。朝日沢!テン場にかけあがり、万歳三唱!めでたし。めでたし。なんと5時間掛かってしまいました。(苦笑)

テン場は狭く、ゴミもあったが、とにかく一安心。雨も上がり気分は上々である。早速ねぐらを造り、先ずは昼飯だ。腹ごしらえが終わったら、待望の釣りタイム。いばらさんが、テン場前で竿を出す。しばらくして、竿がしなる。おおぉ〜釣れたか?と思ったら、ビヨ〜ン(笑)じゃあ、オレがいばらさんのばらしたヤツを釣ってあげますよと、軽口を叩き、竿を出す。ポイントは別だったが、7寸が釣れた。わははは。岩魚がいることを確認したので、本格的に上流に出かけることにした。オレは8寸クラスがでたら、塩焼き、いばらさんは尺がでたら刺身ということで、キープを予定していたが、2時半頃からまた雨が降り出し、結局手ぶらで帰る事になった(苦笑)大物は出なかったが、釣り欲のそれほど強い二人ではないので、まずまず満足。

増水の為、ポイントは限られたが、それでも、釣りは堪能できた。

シャチアシ沢まで行きたかったが、また雨が降り出しここで撤退
テン場に戻れば、後は焚き火をして宴会だ。前日確かめた予報では、夕方には完全に晴れるはずだったのに、焚き火の火種を造り始めた頃から、雨足が強くなる。折角燃え始めた火が天然スプリンクラーによって消されてしまう。大粒の雨のなか、また小枝を集めるのも、面倒くさく、結局諦めてしまった。渓道楽たかさんの歴史に残る名台詞を思い出す。「焚き火がなきゃ3割損した気がする」まさしく、その気分だった。
「ほんと、3割損した気分だよね」
「でも小熊小屋よりはいいでしょ。わはは」
「そりゃ、そうだ。わはは」

しょぼい炎を見つめる姿が寂しすぎる・・・
焚き火も無し、岩魚も無しの、ビールと簡単なつまみだけのささやかな宴会となった。それはいいとして、心配なのは雨である。ラジオ持ってくれば良かったね、などと話したが、晴れる事を祈るしかない。まだ7時前だったが、適度に酔ったところで、二人とも早々に寝てしまった。だって、やることないもんね(苦笑)

夕暮れ時、うなりをあげて流れるテン場前の堀内沢
一夜明けると、雨は完全に上がっていた。木漏れ日が心地よいではないですか。二人ともにっこりである。荒れていた流れもおとなしくなっている。二人で、一日ずれてれば、最高だったのにと、天気の神様をちょっと恨むが、それでも、嬉しい。ご飯を炊き、朝飯を食べて帰路につく。

一夜明けた堀内沢は明るく穏やかに輝いていた


【左】明るい日差しで心も明るくなる。 
【右】テン場前の偽三角岩(笑)次回は本物に登るぞ!

いざ下り始めると、昨日あれほど、怖かった渡渉も苦にならない。それどころか、泳ぎたいくらいの感じだった。昨日は苦労して探した巻き道も、覚えているので、快調に下る事が出来た。来るとき5時間もかかった行程がぴったり4時間ですんだ。4時間以内なので、オレの足も攣らずにすんだ(笑)後は新装開店した秘湯夏瀬温泉に浸かり、疲れをとる。今回で感触を掴んだ我々は次回は絶対に奥の二股まで行こうと、誓いあった。
(しかし、オレの4時間リミッターは????アハハハ(^^;)、誰かリミッターはずしてくれ〜(自爆))