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2003年7月20−21日 日本吸盤協会なる組織をご存じだろうか?誰も知るまい。簡単に云えば、沢登りも楽しむ釣り師の会と言えば、聞こえはいいが・・・、マニアックな遡行ルートを楽しむ怪しい集団なのである。 会の活動は、黒板に一日の活動予定を記入することから、始まる。実は、この黒板、ただの黒板ではない。これは、イタコ師の「予言の黒板」と呼ばれ、書いたことが事実となると云われているのである。 しかし、それを知らなかった怪長は、お戯れに 「設計寸法 尺二寸」 「実測寸法 八寸」 と書いてしまったのである!! 知〜らないっと・・・。 |
さて、黒板の事など忘れ、我々は会津の某沢に入渓した。この沢は、個人的に非常に思い出深い沢である。あれは、4年前・・・オニ・・・あ〜!思い出したくもない!! いや、2年前なら・・・セミ・・・あ”〜思い出したくもない!! とにかく、ちょっと個人的にはここを制覇しないと気が済まないのである! 梅雨時というのに、渇水している。メンバーは、暫く、釣りのまねごとをするが、いっこうに魚が姿を見せない。怪長が真剣モードでえぐれから、岩魚を引きずり出すが、チビである。大場所釣りしかできないオレは、チビの顔さえも見ることができない。 となれば、会本来の目的である、マニアックな遡行訓練しかあるまい。早速、副怪長がマニアックルートに挑む。蜘蛛男の異名に相応しく、僅かな足がかりを器用にへつって行く。 |
それにしても、背筋の伸びた姿は、安心感を与える。このような、素晴らしい遡行術を持ちながらも、まだ、手には吸盤が無いとご謙遜されているのである。 怪長が、手足を有効に使う遡行術の基本技の一つを披露してくれた。 「ダックジャニエル吸盤の舞1脚3点支持」 である。C難度の技だが極めて美しい!審査員の判定は9.8であった。 (足のつま先まで、ピッと延びれば10.0) |
真面目な話、怪長の吸盤の舞は構造力学的に見ても、完璧な形である。へそがほぼ重心であるから、それに注意して見て欲しい。 腕と足に均等に体重が分散されていることが判る。この状態なら、3点支持で均等に加重が分散され、絶対に滑り落ちることは無い。従って、写真の様に、片足を上げても全くバランスは崩れないのである。 さすが、怪長である。 ただし、腕力に自信が無いと、この技は危険だ(苦笑) オレも挑戦してみた。 「バボ〜ン吸盤の舞1腕3点支持Vサイン」 これは、B難度だが、キメのポーズがイマイチで、判定は8.5だった。 写真は掲載する程のモノではないので、ボツ(笑) |
それでも一年以上単独修行を積んできたオレである。 怪長達と別のルートをとってみたりする。 本人はうまくへつってるつもりだったが、こうやって見ると・・・・ 腰が引けてる(苦笑) その為に上半身が大分前屈みになっている。もうすこし、上体を起こし、腰を前にすべきだ。 まだまだ、修行が足らん! |
てなことで、遡行を楽しんだのはいいが、肝心の釣りはさっぱりである。結局、魚止めの滝まで全員「ぼ」である。この沢を知り尽くしている怪長、副怪長も首をひねるが、支沢に入れば、大丈夫だろうということで、全員、支沢に突入。 しかし、出てくるのはチビのみ・・・怪長の表情が厳しくなる。大分奥まで行って、やっと怪長に7寸が出る。しかし、それっきりである。もう、オレは釣りはどうでも良かったのだが、ここに連れてきた怪長は、沽券にかかわると思ったのか、足早に先に進んでいき、見えなくなった。 そして、支沢の魚止めに怪長の姿を見つけたとき、ニヤニヤと良型の岩魚を掲げた。 サイズは・・・26.3cm!八寸だ! 八寸?もしかして??? 予言の黒板は真実となったのである!略図に書いた、ポイントまで正確に当たってるではないか!その事実に気がついたとき三人の引きつった笑いが渓に木霊した。 これは、フィクションではない。事実なのだ。チミ達は、この「予言の黒板」を信じるかな?信じるわけない??・・・あっ、そう・・・ その後、真面目に釣りをしようと本流のヤマメ狙いに出かけたのだが、本流も渇水のせいか、さっぱり。結局、本流でもマニアックな遡行を目一杯楽しみ、一日を終えた。釣果が芳しくなく、特に怪長は不満そうだったが、オレは今回は遡行を楽しみに来ていたので、本当に満足していた。会の基本理念である、ノーアシスト、ノーザイルを確実に達成できたからだ。 あっ、ところで、この本流で「殺人未遂事件」があったらしいが、そのうち、犯人が、自白書を提出するでしょう(爆) |
一日の遡行プログラムを終えた我々は、渓にある無人天然温泉で、汗を流させていただく。さっぱりしたところで、久し振りの渓泊まりだ。たまたま、二つあった大岩を利用して焚き火用の天幕を張ったので、雨が降っても焚き火を囲んで宴会できるのだ。渓に来て焚き火が出来ないと3割は損した気になるのはオレだけではあるまい。 食通の我々はKgあたり1680円の高級豚肉を持ってきた。それがまた美味い! (おいおい!ドッカで見た文章だぞ?(盗作爆) |
酒に酔い、一日を振り返り大笑いし、楽しい夜が過ぎていく。疲れが心地よい眠りを誘い始めたところで、楽しかった一日を思い浮かべながらそれぞれ眠りについた。 翌朝は雨だった。渇水していた渓に嬉しいお湿りである。オレと怪長で早朝のヤマメ釣りに出かけたが、残念ながら、下手くそのオレに釣れるようなヤマメはいなかった。オレの餌を分けてあげた怪長だけが、笑顔を絶やさず、ヤマメ釣りを楽しんでいた。 もちろん、出発前「予言の黒板」にはヤマメの希望サイズを書いてあったのだが、邪念があると、予言は事実にはならないのである。 まっ、それでも、最後に7寸の岩魚が釣れ(本来はヤマメ釣りなので外道)、今回の釣行が「ぼ」に終わらず、ほっとする。 テン場に戻ると、副怪長も起きてきた。遅めの朝食を済ませ、テン場を片づける。楽しかった渓にお別れの時が来た。天は俺達に代わって泣き続けた。またのプログラムを誓い合い、それぞれ北と南に別れてたのである。 で、次のプログラムって・・・それまで会があるのかな?(笑) (完) |
オマケ画像 へつりと違って、腰が入って様になってる(自爆) |