あかときの月を映せる潮だまり 磯よする波に乱れずもあり
あざみ咲く春の名護浦しずもれる ゆるる光りにアオサはゆれて
うららかに春陽は射せる小庭(さにわ)べに 薔薇の葉はじく光りのまぶし
春寒の小庭に咲ける薔薇の緋のうららの空に吸はれゆくまで
春三月きらめく海に踏み入れる 足よりつたふ水のつめたさ
五月雨に流れは速し谷川の 音に隠るる音の聞こゆる
五月晴れ 狭きグランドに球児らの ボール捕りあふ音の軽(かろ)しも
波寄するさざれ珊瑚の砂浜に ハマボッズの花の白さひろがる
春の日に目玉をぱちくりムツゴロウ ぴょんと跳びては辺り見まわし
春の日の干りゆく潟の蟹穴のポッポッと開くる音のかろしも        
春日和 アブの羽音の細ければ水面に映ゆる蓮のみだれず
小庭べのこぶしの梢の柔らかき葉脈の透けて空にとほりぬ
春池はめざめやらずや微風の渡るも波の立つることなし






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