波の間を抜けて届きし夏の陽の 結ぶ水輪の消えては結び
たゆたふる水面を抜けて射し入れる 夏陽のゆれて止まらざりしも
ちぢん山 山肌おほう松樹林 見ればはるかに東支那海
山肌をおおひて広し松樹林 見れば支那海 陽の没らんとす
山肌を這ふがに生ふる松の樹の 道を閉ざせば通られもせず
吹き飛ばされまいとせしや松の樹の 背丈低くは回り道をし
古の伊是名に生れし金丸の 目指せし先は首里の都か
古の伊是名に生れし金丸の 首里を目指して発つるは凛々し
砂浜をはふがに下るハマヒルガオ 汀の近くで立ち往生をし
砂浜をおほうばかりのハマヒルガオ 下れど止まるところを知るらし
サンサンと熊蝉鳴くを岩陰に 見上ぐるごとき蟻が一匹
ようようと広がる海は果てもなし 茅打バンタ宙に突き出し
昇りゆく陽に照らさる安田の海(み)の 底なる石の影の濃かりき
伊江川の流れは細くなりゆけど 波よする辺には届かざり
伊江川の流れの果ての荒れし里 人影見えず風のとよみて




次 頁