◆感情鈍麻性反応◆
特徴:精神活動の萎縮・感情が鈍くなる 侵入性症状は思い出したくないのに思い出させてしまうというものですが、回避性症状(狭窄・反応麻痺)は健忘のように トラウマとなった体験を思い出させないようにするものです。 一見正反対ともいえるような状態が同居していることをどう理解すればいいのでしょうか。 この事を理解するためには、先に述べた「体験の瞬間冷凍」という考え方が役に立つと思われます。 回避性(狭窄)の症状はトラウマ体験を思い出させるきっかけとなりうる刺激を避けようとするものであり、 瞬間冷凍されたトラウマが解凍されて自己を抑制したり、あるいは解体してしまうような状態を避けようとする 意味が含まれています。 一方、侵入性の症状はある意味ショッキングな体験に対する通常の反応と類似したものであると言えましょう。 このようにしてみてみると、一見正反対にみえる回避性症状(狭窄)と侵入性症状はいづれもトラウマから自己を守ったり、 あるいはトラウマを解消しようとするこころの動きが固定化し、何らかの不適応をもたらす症状になったものと理解できるでしょう。 (「子どものトラウマ」西澤哲)
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