かたちどる  砂の上  柔肌は 汚され

よりそう影を  残った優しさで 殺してく

遠く見つけた お城は 見なれた おうち

もう でむかえる  パパも ママも いないけれど

道はほんとうに 長く 長く  くるしくて

いくつもの あい や ゆめ をすてて いきてきた

幼いやくそくを交わした  ちいさな王子さまが

冷たいめで 渡した金貨は

吐き気が  とまらないほど 闇の味

さまよいます   今も 昔も そして未来も きっと

きっと はだしのままで

たくさんの 景色が  繰り返し めぐっても

どんなに  何かを 愛しく想う日が  再びきても

わたしは  急に くつをぬいで

音のない夜を 抱きかかえながら  沈むでしょう

海を 空を 大地を  走り疲れ

きれた いきで ただ 自分だけを よび

そんな おなじ日を  くりかえして

こすれた傷ばかりの この からだも

どこかにすてて   きっとすてて

はだしのままで  つよく つよく はばたく

こころ ひとつの ままで



20000319発行詩集Ipheionより。


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