氷 願(ひがん)



息は自分から 止めた

それは 毒を飲むのと同じ気分だったから



                      花が咲き

                      コーヒーは キャラメルと抱き合う

                      風が彼女の髪を 巻き上げ

                       ふいに

                       あるいは じんわりと

                       弱く 愛しい 貴方を 殺したくなって

呼吸を 再開させた。



毒を この体で 包み込んで



貴方を 浸けてやろうと 想った。

20020810発行詩集Baroque Or Lilyより


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