† 裏切り者からの手紙 †
去年の今頃も ちょうど咲いていた
転がるように 嘲るように
どうしても 消せない記憶なら
いっそ身体ごと 失くしてしまいたい。
裏切り者はだぁれ
裏切られたのは…
花の香りが 運ぶ思い出
楽しかったことさえも 苦痛に変えてく。
そうね
こんな日が来るなら
やっぱり あの時に死んでおけばよかった
貴方と一緒に。
汚れた腕
バラバラの心
私は どこへ行くの
こんな姿で
一体どこへ。
花弁で窒息なんてできない
手首を切ったって 止まらなかったもの
短い夜
もっと もっと 長ければいいのに
朝なんて 来なければ
罪さえ知らず
傷跡だって 残らないのだから。
短い夜
明日も 素敵な日で
ありますように。
|
20000319発行詩集Ipheionより。
|