たまご。

思い出せない
靄のかかった海と空に居る貴方は
空想でもいい存在になって

ばら撒いた種は世界中で花を咲かせてる
誰が誰の種になるの
誰かが誰の花になるの。

傷つけるのを恐れる余りに 貴方を壊したよ
だから私を憎んで欲しかったのに
貴方も私と同じ様に 最後には自分だけを壊す人だったんだ
種が一個消えて
私は頭の中 卵ひとつ抱え始める。

咲かない。
卵は殻を破らないから。
裂かない。
もう二度と心の奥までは
そう願うだけで 武器は私の片手から離れないんだ

止めて欲しい だけど止めないで
本当はこのまま愛して
そんな事言い続けて 私は何処へ行けるんだろう

夢の中で
誰もが優しい
現実の場所ですら 本当に私を咎めない
罪じゃないの?
ねぇ 私が殺したと誰か訴えて
沢山の後ろ指で 私を刺して。
誰も信じてくれていない気がして眩暈がするの
事実すぎて頭が痛くなる私の方が馬鹿みたいじゃない
優しくしないで
優しくてもいいから咎めて

そう言って私はまた泣いている。


2005年3月5日即興詩*Sea-la*