星尋45

モデルは本田先生の“50センチ”

50cmドブソニアンと彗星捜索機材
 星尋45(口径45cmドブソニアン)のモデルは、本田実先生愛用の50センチ・ドブソニアンです。

 28ミリ・プレトリア接眼鏡で見る月面のまぶしさ、鋭さには、思わず声がもれました。

 月の海は、雪の肌に、細かな泡がちらばり、クレーターの周囲は、まるでガラスの破片がそそり立つように見え、球状星団、惑星状星団も色づいているかのようでした。

 「50cm」は、ほどなく倉敷市への寄贈が決まりました。
 いつでも使えて、比較的持ち運びが容易で、見え味がほぼ変わらないものをと、「星尋45」の製作を思い立ったわけです。



 「50cmドブソニアン」は、彗星捜索用の双眼鏡、カメラとともに、倉敷市の「ライフパーク倉敷」に展示されています。


50cmドブソニアンと彗星捜索機材

“星尋45”誕生

完成したばかりの星尋45
 口径45cm、焦点比4.5のクールター社製の主鏡を18点で支持、ステンレスベルトで鏡周をつり支えています。

 なんとか運べる重さにまとまりました。

 鏡筒は、排気ダクト(ブリキ製)の不要部分と、アルミパイプで製作。架台や耳軸などはベニヤ製です。

 接眼部は、本田先生からの拝領品。
 主鏡到着から2ヶ月後の1991年10月に完成、「星尋45」と名づけました。


 倉敷天文台構内での観望会を初デビューとし、各地の幼稚園や保育園、小学校などで活躍しています。

完成したばかりの星尋45
倉敷天文台内のミニドーム前で

進化つづける“星尋45”


 「自作の強み」というのは言い訳でしょうが、不便を感じる部分を次々に手直ししています。
アナボコだらけだ!
月面のもように見入る子どもたち=3月21日


 ■ 足はキャスターに変更。

 ■ 鏡胴は短かくし、主鏡セル底部にメンテナンス用ファン装備。

 ■ トップは、自転車用アルミホイル3本をベースに軽くし、光軸の再現性を改善。

 ■ 足部に重量戸車を装着し、鉄製レールに載せて、車に楽々収納。

 ■ 水平回転部を、スラストベアリングに変更。

 ■ 鏡胴部にバランスウェイト追加。

 ■ ファインダーの視野をLEDで照明。
 ■ 月面観望時に、はめ込み絞り。
 ■ 広視界型ファインダーに交換。

  月をのぞいて、「おっ、おっきい! 」と、喜ぶ子どもたちの前では、“星尋45”も脇役にすぎません。
 現在も進化を続けています。