源氏の念願であった明石の姫の春宮への入内、夕霧と雲居の雁の結婚、そして源氏自身の准太上天皇への昇進・・・・・と源氏の栄華の頂点を極めたところで物語の第一部が締めくくられます。



うめがえ


全巻で玉鬘の物語が一件落着し、明石の姫君に話題が移ります。明石の姫君は、11歳になっていました。
源氏念願の明石の姫君の、東宮への入内も間近になり、源氏はそのための裳着の準備に余念がありません。
二月には、東宮の元服が行われ、引き続いて姫の入内となる手はずとなっています。

正月末、源氏は「薫物合わせ」を計画します。多くの女君たちに依頼し、源氏自身も秘伝の調合を試み、二月十日紅梅の花の盛りに、蛍兵部卿宮を迎えて薫物合わせが行われました。
裳着の式には、秋好中宮が腰結役となり光をそえました。
姫の入内は、念入りな準備もあって若干遅れ、四月と決定されました。
明石の姫君の入内が近づくにつれ、内大臣は雲居の雁の中途半端な状態を悩んでいます。
源氏も夕霧がいつまでも独り身なのを心配し、縁談を持ち出します。しかし、雲居の雁のことが忘れられません。
内大臣は、夕霧の縁談の噂を聞いて落胆します。
夕霧は、雲居の雁に手紙を送りますが、彼女も噂を恨んでおり、誤解に困惑します。


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ふじのうらば


源氏の栄華の頂点ともいえる巻です。
内大臣は、夕霧の縁談の噂を聞いて、夕霧との和解の機会を探していました。
内大臣は、雲居の雁との結婚を全く反対というわけではなかったのです。ただ、源氏との確執から、意地ですぐ許すというわけにはいかなかったのでした。
三月二十日、母大宮の一周忌が催された極楽寺で、内大臣は、ようやくその機会をとらえ、夕霧とことばをかわし、四月はじめに夕霧を我が邸に招きます。
源氏は内大臣の心を察し、夕霧に自分の衣裳を与えて送り出します。
内大臣家では、夕霧を歓待し、その夜夕霧と雲居の雁はめでたく結ばれました。
四月二十日すぎ、明石の姫は、いよいよ入内します。
紫の上は、実母の明石の君の心の内を察して、彼女を姫君の後見役に推挙します。これによって母娘がようやく再会でき、紫の上と明石の君もはじめて対面し、たがいに相手のすぐれた人格を認め合います。
源氏は、来年四十歳になります。
冷泉帝はじめ世の中は、源氏の「四十の賀」の準備をはじめています。
そんな中で源氏は、夕霧の結婚、明石の姫の入内と、すべてが思い通りにかない、今では出家の考えを抱きはじめますが、秋に准太上天皇の地位を賜ることとなります。
内大臣も太政大臣に、夕霧も中納言となりました。

十月には、源氏の六条院に冷泉帝が朱雀院とともに行幸し、往年の桐壷院時代を回想して感慨にふけります。

まさに源氏一族の、まばゆいばかりの栄華の極致でした。


第一部は、源氏の誕生から、青春、流離、栄華にいたる、39歳までの半生を描いて終わりました。
ここまでの、主な登場人物の消息を整理してみました。

【 すでに亡くなった人たち 】
  • 桐壷院。桐壷の更衣。葵の上。夕顔。六条御息所。藤壷中宮。
【 この時点での主な人たちの身分と年齢 】
  • 光源氏(准太上天皇):39歳
  • 朱雀院:42歳
  • 冷泉帝:21歳
  • 頭の中将(内大臣)(太政大臣)
  • 夕霧(中納言):18歳
  • 雲居の雁:20歳
  • 柏木(右衛門督):23歳
  • 紫の上:31歳
  • 明石の君:30歳
  • 明石の姫君(明石の女御):11歳
  • 秋好中宮:30歳
  • 玉鬘:25歳
  • 髭黒大将:34歳

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