七里ヶ浜〜稲村ヶ崎〜由比ヶ浜


 ■ 鎌倉の海岸

鎌倉の海岸は、腰越から七里ヶ浜、稲村ヶ崎、由比ヶ浜を経て材木座海岸まで約7Kmです。

由比ヶ浜は海水浴場、七里ヶ浜はマリンスポーツの場として賑わいをみせており、稲村ヶ崎は「かながわ景勝50選」に選ばれるなど、全体として多様な魅力をもった海岸です。

海岸線に沿って国道134号線や江ノ電が走っており、夏は勿論、そのほかの季節でも休日には多くの人出があります。

鎌倉高校前駅


○ かながわ景勝50選 神奈川県観光協会の選定による景勝地50選であり、稲村ヶ崎のほか、湘南地域の海岸では森戸海岸、江の島稚児ヶ淵が選ばれています。

○ 材木座海岸 滑川を挟んで由比ヶ浜と接する鎌倉の代表的な海岸です。鎌倉時代に材木を扱う商人の組合があったため、材木座という名がつけられました。



 ■ 七里ヶ浜

小動岬から稲村ヶ崎まで約3Kmの海岸です。富士山、江の島、伊豆大島、三浦半島を一望できる景勝地です。事実かどうか確認はしていませんが、七里ヶ浜の砂は鉄分(砂鉄)が多いといわれています。鎌倉幕府が鉄製の武器を製造する際の原料になったという説もあります。

七里ヶ浜は日本の渚100選に選ばれています。今日では波が荒いため遊泳禁止となっていますが、若者がサーフィンを楽しんでいます。海岸沿いには県立高校が2校あり、体育の時間には砂浜を走ることもあります。生徒の間では「浜ラン」といわれる憂鬱な時間のようです。

戦前の風景

江の島と小動岬


 ■ 江ノ電の走行風景

藤沢と鎌倉を結ぶ江ノ電ですが、海岸沿いを走るのは腰越駅を過ぎたあたりから稲村ヶ崎駅の手前までです。距離にして僅か2Km程度に過ぎませんが江ノ電の車窓風景のハイライトです。


七里ヶ浜付近を走る江ノ電と江の島が写った絵葉書は戦前に数多く発行されています。当時から湘南地域の代表的な風景の一つであったと思われます。現在は国道134号線が走り、ドライブコースとして人気があります。

国道134号線と江ノ電

 七里ヶ浜付近を走る江ノ電(戦前)



○ 七里ヶ浜の名の由来

鎌倉と江の島の間に位置する七里ヶ浜は、小動崎から稲村ヶ崎までの浜の長さがおよそ7里あったことからこの名がついたといわれています。1里とは鎌倉時代の単位で600mです。

○ 日本の渚100選 1994年、「海の日」が国民の祝日として制定されたことを記念して「日本の渚・中央委員会」により選定されました。神奈川県からは、大磯町の照ヶ崎海岸(こゆるぎの浜)、葉山海岸、七里ヶ浜海岸が選ばれています。



 ■ 天然の要害・稲村ヶ崎

新田義貞が稲村ヶ崎から鎌倉に攻め入ろうとした時のエピソードはあまりにも有名であり、ここでは触れないことにしますが、「鎌倉の都」とは稲村ヶ崎以東であり、稲村ヶ崎は鎌倉の内と外を隔てる要害としての役割を果たしていました。稲村ヶ崎を越すと極楽寺、長谷など史跡が豊富になりますが、稲村ヶ崎以西にはあまりみられません。

七里ヶ浜からみた戦前の稲村ヶ崎

由比ヶ浜からみた戦前の稲村ヶ崎


 ■ ビューポイント・稲村ヶ崎

江ノ電に「稲村ヶ崎」という名の駅はありますが、稲村ヶ崎とは直線距離でも300m以上離れています。そのため、江ノ電沿いの散歩コースの一部として稲村ヶ崎を組み込んでいる人は比較的少ないと思われます。むしろ、湘南屈指のビューポイントとして国道134号のドライブ途中に立ち寄る人が多いようです。

七里ヶ浜から見た現在の稲村ヶ崎 稲村ヶ崎の岩場



 ■ 由比ヶ浜の昔と今

鎌倉時代には戦場や処刑場になるなど、悲惨なドラマの舞台となった由比ヶ浜ですが、近代以後は鎌倉を代表する海水浴場となりました。下の絵葉書は由比ヶ浜の海水浴風景ですが、和服と横縞の水着、パラソルと麦藁帽子など、砂浜で遊ぶ人々の姿に興味深いものがあります。

今日でも由比ヶ浜は海水浴場として人気がありますが、その他にも「初日の出」、「花火大会」、「マリンスポーツ」などを楽しむ場として多くの人出があります。

 由比ヶ浜(戦前)

 由比ヶ浜の海水浴風景 舟とパラソル


○ 鎌倉の海水浴場
七里ヶ浜や稲村ヶ崎が遊泳禁止になったため、現在、鎌倉の海水浴場は材木座、由比ヶ浜、腰越の3箇所です。ただし腰越海水浴場は片瀬東浜海水浴場と一体です。材木座海水浴場と由比ヶ浜海水浴場も一体的ですが、その境界は滑川です。

○ 鎌倉花火大会 毎年8月上旬に開催されます。打上場所は由比ヶ浜沖であり、海中の台船から2,000発以上の花火が打上げられます。目玉は「水中花火」です。


■ 参考文献

○鎌倉の旅・松本清張・樋口清之著・光文社・昭和42年発行、○鎌倉の散歩みち・富岡畦草著・山と渓谷社・昭和43年発行、○私のかまくら道・永井路子著・かまくら春秋社・平成13年発行、○江ノ電百年物語・湘南倶楽部著・JTB・平成14年発行



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