24年度防衛講演会・懇親会を開催 

湘南水交会は、6月27日(水)、横浜のホテルにおいて、平成24年度防衛講演会・懇親会を開催した。

講師は、防衛ジャーナリストで、防衛省が主管する「防衛生産・技術基盤研究会(座長:白石隆氏(政策
研究大学院大学学長))」や「防衛問題を語る有識者懇談会(座長:森本防衛大臣)」
のメンバーとしても
活躍中の桜林美佐さんで、「日本の安全保障(国防と防衛産業)」と題し、現状と問題点を熱い気持ちで語
られた。

 特に、国民の自衛隊に対する期待と役割が東日本大震災における災害派遣での活躍で一気に高まったもの
の、自衛隊を災害派遣での便利屋として見るような風潮や、自衛隊の人員・給与・装備品購入費等が削減さ
れるなかで災害派遣での用途を前面に押し出したと思わざるを得ないような防衛省の予算要求姿勢には、本
来の国防に必要なパワーバランスも狂わせ、自衛隊を弱体化させてしまうのではないかという懸念を示され
た。その上で、「兵器の独立なくして国家の独立なし」の意味からも国産の優れた装備品の開発と生産は大
事であるものの、防衛を支えている防衛産業は、事業規模が小さい中で民需での利益を背景に防衛基盤を担
って来たが、リーマンショック以降の民需が陰る現状ではそれも困難になりつつあり、しかもオンリーワン
の中小企業が大半なため選択と集中による合理化を求めることは難しい。将来にわたって独立国家として防
衛産業を維持していかねばならないという意識で育成していくことが大事であると力説された。


 参加した100名の会員は、約1/4が一般会員であったにも拘らず共感しながら聞き入り、1時間30
分の講演時間を終えた際には盛大な拍手が沸きあがった。

講演に引き続いて懇親会が催された。清ア会長の挨拶の後、中島又雄会員(海兵73期)の乾杯の音頭で
始まり、終始、講師の周りには人垣が作られるとともに、海兵等出身者と海自隊出身者等との和気藹々とし
た懇談がテーブル毎に繰り広げられ、午後7時、光中副会長の中締めで盛会のうちに懇親会は終了した。

講師には、防衛問題に関する大きな発信力を発揮され、更なるご活躍を期待いたします。

                                (鈴木担当幹事 記)





  



                (武田、鈴木担当幹事 撮影)