『平成20年度海軍神雷隊慰霊祭の実施

 

3月21日(土)午後、北鎌倉建長寺正統院において平成20年度神雷隊慰霊祭が湘南水交会により執り行われた。当日はやや風が強かったものの晴天に恵まれ、また、気象台からは平年より1週間早い桜の開花が発表され正に慰霊祭にふさわしい日和となった。
 「神雷戦士之碑」の前には、ご遺族、神雷隊の隊員及び関係者約30名と湘南水交会会員20名が参列し、午後三時半、落合湘南水交会会長の挨拶に続いて、
(すずき)文庸建長寺正統院住職の読経の流れる中、御霊安かれと全員の焼香が捧げられた。
 例年になく多くの参列者が集まったため、記念撮影は2回に分けて行われた。次いで、本堂に移動して懇親会が開かれ、雪住職のお言葉をいただいた後、神雷会代表の湯野川守正氏(兵71期)から謝辞が述べられ、零戦搭乗員会長の岩下邦雄氏のお話へと続いた。亡父の命日ということで兵庫県から遥々出席された遺族の方もあり、神雷隊の隊員及びご遺族を囲んで往時の思い出に話が弾んだ。懇談会は午後5時に終了し散会した。

 

神雷隊とは、特攻兵器「桜花」を主戦兵器として昭和19年10月編成された第721及び第722航空隊の別称である。「神雷隊戦士の碑」は、昭和40年3月21日「神雷隊戦士の塔」として生残りの旧隊員と旧隊員で建長寺寮頭正統院住職であった竹谷行康氏(一飛曹)の尽力により同院墓地背後にある洞窟の中に建立されたもので、最初の特攻が行われた3月21日に除幕式が行われた。式典には当時海軍の従軍記者であった作家の川端康成氏や山岡荘八氏も参列した。
 平成5年10月には829名の戦没者総員の氏名、出撃年月日、出身県名等が彫りこまれたステンレス製の碑に改修された。鎌倉水交会は昭和48年の総会を正統院で開催したのを機に毎年3月21日に慰霊参拝を行っており、平成14年4月湘南水交会に合同加入した後は湘南水交会が受け継いでいる。

                                                         (武田常務理事 記)

                         





                                        (武田常務理事 撮影)