『鶴岡八幡宮雪洞(ぼんぼり)祭り「吹奏楽の夕べ」に協力』

 

  鶴岡八幡宮雪洞(ぼんぼり)祭り初日の86日(木)1730から1820の間、本宮を臨む舞殿の前で海上自衛隊横須賀音楽隊「ブルー・シャークス」による第33回吹奏楽の夕べが開催された。この奉納演奏は、昭和50年、鎌倉水交会主催で行われ、平成14年、鎌倉水交会の湘南水交会への合同加入に伴い湘南水交会がこれを引き継ぎ、平成15年からは鎌倉商工会議所と鎌倉市観光協会の共催となり、湘南水交会と鎌倉防衛協会が協力してきた。
 当日は、功刀会長、清崎副会長、中村理事長ほか
3名の理事がこの演奏会を支援した。

 ぼんぼり祭りは、毎年8月の立秋の前日から9日まで行われる鎌倉の夏の風物詩ともいえる祭りで、期間中、立秋の前日には夏の祓いである夏越祭、立秋当日は秋の訪れを奉告する立秋祭、そして源実朝公の誕生日である9日は実朝祭が執り行われる。ぼんぼり祭りは、鎌倉を訪れる人たちに少しでも鎌倉の文化に触れてもらうため、高浜虚子、里見クなどが発起人となり、鎌倉ペンクラブをはじめ、鎌倉在住の名士の協力を得て昭和13年から始められたもので、祭りの期間中、鎌倉近在の文化人をはじめ各界の著名人に揮毫をいただいた書画がぼんぼりに仕立てられ、参道に奉納、展示される。今年は、約400のぼんぼりが奉納され、平山画伯、朝丘雪路、石原慎太郎氏等の寄贈した書画も奉納されていた。

 午後2時過ぎに境内に到着した音楽隊長の河邊2等海佐ほか3名の女性隊員を含む19名の隊員と11名の支援要員は、猛暑の中、舞殿前に演奏会場を設置し、夏の邪気を祓う「夏越の舞」奉納に続いてリハーサルを行い演奏会に臨んだ。演奏が始まる30分も前から会場周辺と本宮へ続く大石段は大勢の市民と観光客で埋め尽くされた。1730から鶴岡八幡宮の吉田宮司の挨拶に続いて総合司会の浜田さんが、横須賀音楽隊は岩手県から三重県までの1都15県で活動していること、隊員は遠洋練習航海の部隊にも派遣されて、訪問国は66ヵ国124寄港地に上ることなど紹介された。本年の音楽隊は、ジャズを主体とした演目のためビックバンド編成とされ、カウント・ベイシーの「ヤ・ガッタ・トライ」をリメイクした「ヤ・ガッタ・トライ・ハーダー」のオープニングで演奏は開始された。早川海曹の軽快な司会進行のもと、モンキー・パンチ作の人気テレビアニメ「ルパン3世のテーマ」、ベニー・グッドマンの代表作「シング・サング・サング」、アヴェレージ・ホワイト・バンドのヒット曲「ピック・アップ・ザ・ペーセズ」が次々と演奏され、最後は河邊音楽隊長自らが作曲した「静」が早川海曹の詠唱、昆野海曹の舞とともに奉納された。静御前は文治2年(1186年)48日この境内で源頼朝に白拍子の舞を命ぜられたという。静は、

「しづやしづ しづのをだまき くり返し 昔を今に なすよしもがな」

「吉野山 峰の白雪 ふみわけて 入りにし人の 跡ぞ 恋しき」

と命を懸けて義経を慕う歌を唄い、舞ったという彼女の想いが800年以上の時を経て甦った。すばらしい演奏にアンコールの拍手が鳴り止まず、最後は行進曲「軍艦」が聴衆の手拍子と共に演奏され、吹奏楽の夕べは幕を閉じた。

 演奏会終了とともに、薄暗くなりかけた境内のぼんぼりに巫女さんが一つ一つローソクを灯しはじめ、夜の帳に包まれると立ち並ぶ数百のぼんぼりの明かりが境内にゆれて、幻想的な風情を醸し出していた。

                                    (武田常務理事 記)



                                   (中村理事長、武田常務理事 撮影)