砕氷艦「しらせ」出港見送り

海上自衛隊の第3代目砕氷艦として今年5月に就役した新「しらせ」(1万2,650トン、艦長・小梅三津男1佐以下179人)が、11月10日、文部科学省の第51次南極地域観測協力のため、東京・晴海から観測隊員や家族ら約1,000人に見送られ、南極の処女航海に出発した。

 出港行事は、後部ヘリ甲板で行われ、小梅艦長以下の乗員が整列する中、高嶋統幕副長が、「一人ひとりが自衛隊の代表として、これまで培った技能を十分に発揮し、新『しらせ』で新たな歴史の1ページが開かれるようまい進して欲しい。」と、統幕長訓示を代読した。

 河村海幕副長も「諸官は、新しい艦・ヘリという新装備を駆使して、限られた期間内に各種任務を成し遂げることが求められている。緩急自在な対応と、一致団結して任務遂行にあったてもらいたい。」と、海幕長訓示を伝えた。

 その後、見送りデッキで、文科省主催の出港行事が行われ、花束贈呈を受けた小梅艦長は、「皆様のご期待に沿うべく、観測隊員と一致団結して任務を全うしてまいります。」と挨拶し、行事参列者からの拍手の中、「しらせ」に乗艦し、長い汽笛を残して出港した。

 本行事に、湘南水交会からは、中村理事長が参列した。

 新「しらせ」は、海洋の汚染防止などにも配慮した最新のエコシップであり、先代より一回り大きく、コンテナ化などで搭載量も1割増の約1,100トンが搭載できるようになった。

 「しらせ」は、11月24日から29日まで、オーストラリアのフリーマントルに寄港し、空路オーストラリア入りした観測隊員ら69人と生鮮食品などを乗せ、南極に向かう。
 昭和基地には来年1月上旬到着予定で、現地では、新型
CH101輸送ヘリで物資を陸揚げする。また、観測隊員の各種観測活動にも協力する。
 総行動日数は、151日(南極圏99日)で、総航程は、約4万キロ。4月9日、晴海に帰国の予定である。

                              (星常務理事 記)





                                                       (中村理事長 撮影)