護衛艦「しらゆき」母港横須賀最後の出港 

 平成23年2月7日(月)、護衛艦「しらゆき」(艦長平川 崇2等海佐(防大36期)、乗組員144名)は年度末の転籍計画に伴い呉へ向け出港した。当日は、晴天そして風もなく、時期にしては極めて温暖の中、艦長から高嶋横須賀地方総監、松下護衛艦隊司令官への出港挨拶および出港報告が岸壁にて行われた。0752、出港ラッパとともに最後の舫が放たれ、静に船越のF−11の岸壁から離れた。岸壁には、横須賀在籍の各級指揮官、隊員多数が、そして近くに係留中の護衛艦の甲板には別れを惜しむ多くの乗員が大きく帽を振り見送った。「しらゆき」はこれに応えるように「左帽振れ」とともにロングサインの汽笛を残しながら港外へ針路を向けた。

 護衛艦「しらゆき」は艦暦28年を迎えたところであり、昭和58年(1983年)2月8日日立舞鶴造船所で就役、横須賀を母港にして活躍した。一時、7年間大湊に転籍となったが、その後横須賀へ再度転籍となり通算21年間横須賀を母港として活躍した。今回就役記念日の前日に横須賀を出港し新しい母港となる呉へ向かった。現在も立派に手入れされている76ミリ砲、シースパローミサイル、ハープーンミサイル、アスロック、短魚雷発射管、ヘリコプター搭載の各装置そして速力30ノットのガスタービン主エンジンの能力を持つ2950トン型“ゆき型護衛艦”の2番艦(1番艦「はつゆき」は昨年退役)である「しらゆき」は、呉にて新しい任務に就く計画であり今後益々の活躍を祈りつつ船越を後にした。

                 (元「しらゆき」艤装員 清崎忠圀副会長 記)





                              (元「しらゆき」艤装員 清崎忠圀副会長 撮影)