第 2 章
出 合 い
 結婚して3年目、何の解決策も見つからずに一人で悩み、ただ借金だけを支払う日々に疲れ切っていた私に転機が訪れる。あるHP(ホームページ)との出合いである。そこには私と同じ様に借金問題に悩んでいる人が多数訪れ、問題解決に向かって前向きに取り組む姿があった。
 そしてそこのHPを見る事によって私が借金問題に関してあまりにも無知である事、そして私が借金を早く減らそうとしてとった行動が誤りであった事を知る。
それ以来、私は会社のお昼休み等を利用して毎日このHPを見て勉強するようになった。
決  心
 債務整理は多重債務者本人の反省と自覚が必要である。少しだけ債務整理について知識がついた私は妻にその内容を簡単ではあるが説明する。しかし、返事がない・・・それから数日間は少しずつ妻に説明しながら妻の返事を待つ。
 ところが妻が又新しく借金をしているのに気付く・・・しびれを切らした私は半強制的に債務整理をすることを決心する。

◎債務整理をする事によってブラックにし、借金できない環境を作りその間に妻の意識改革が出来るか?

◎それとも借金できない環境がゆえに
闇金融にまで手を出しさらに泥沼化するか?

 これは私にとって大きな賭けであった。
予  約
 債務整理をするにあたって何処かに相談しに行く事を決める。その時の選択肢は@弁護士会A司法書士会Bクレ・サラ被害者の会C役所の無料相談の4つであった。
電話にて相談の予約をしようとすると@〜Bまでは予約が多く、相談予定日まで半月ほど待つとの事だった。結局、相談日の早い役所の法律相談に予約を取った。
相  談
 相談の日、私は役所の無料法律相談をしてくれる弁護士だからという事で安心して相談しに行った。ところが、私の予想とは違った展開になった。たしかに、その弁護士は相談を聞いてくれた、そして「債務整理をしないと駄目な状況だね」とも言ってくれた。しかし、すぐにお金の話になる・・・「弁護士にお願いして借金の整理をして貰った人の中には料金を支払わずに逃げる人が多い、そうだなぁ、最初に70万位、最低でも50万位用意できるのだったら逃げないとみなして引き受けてもいいよ。」と言ったのである。さらに「沖縄の弁護士は皆分割に応じないようになっている」との事だった。

 私は正直耳を疑った、しかしそう言ったのは間違いない。私はこんな大金すぐには用意出来ない事を弁護士に説明した。すると・・・
弁護士:「親や親戚からお金を借りる事は出来ないか?」
 私 :「それは出来ません。」
弁護士:「それじゃあ、旦那さんがどこか金融機関から借りてきたら?そうだなぁ、労金あたりは金利も安いし、行ってみたら?労金は○○○にあるから。」

 私は再度耳を疑った、しかもいますぐ行って来いと言わんばかりに労金の場所まで教えたのである。

 この弁護士にお願いした多重債務者の中で過去に逃げた人がいたのだろう・・・しかし、私達のような人は藁をも掴む思いで相談しに来るのである、そして弁護士を信頼出来てこそ相談者は安心してお願いする事ができるのである。私の思い描いていた相談内容がボロボロと崩れ去っていった・・・。
 とりあえず、万が一お金を用意する事が出来た場合はすぐに受任して頂けるのか、そしてすぐに任意整理に取り掛かってくれるのか、という2点だけ確認しその日の相談は何の進展もないまま終わった。
融  資
 弁護士との相談の後いろいろ迷いはしたが、今から又相談の予約を入れると更に半月程掛かる事などから結局労金に行ってみることにした。労金に事情を説明し相談すると、前は多重債務者の債務一本化等をしていたが今はもうやっていないとの事、そして特定調停を進められる。沖縄で特定調停を専門にやってる司法書士の先生がいるからそこに相談してみたらとの事だった。事務所名と電話番号を聞くとそこは先日相談の予約を入れようとした、クレ・サラ被害者の会がある事務所であった。

 労金が駄目だった私は次に、私がよく利用する地元の銀行に相談しに行った。その銀行のHPに気軽にかりれるフリーローン(使い道自由)などが宣伝されていたからである。しかも主婦やアルバイトの方も気軽に相談下さいと書いてあった。
相談してみる・・・なかなかいい感触だった、店員もニコニコ顔である、これは貸してくれそうだと思った。相談も最後に差し掛かり店員がお金の使い道を聞いた。使い道自由とのうたい文句だったので私は正直に事情を説明した。ところが借金という言葉を聞いた途端に店員の表情が一変する。出てきた言葉が難しいとの事、もし融資が受けたいのであれば保証人を探してきてくれと言われた。・・・何故?使い道自由ってあるじゃん!?私は心の中でこうつぶやき、こんなとこでお金なんて借りるものかと思いながら銀行を後にした。

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