音の干渉クイズの答え





 O点を除くA〜Yの各点において、平面波と球面波がそれぞれ単独でつくる変位は緑の矢印,実際に観測される重ね合わせた後の変位は赤の矢印で示しました。

 変位が小さ過ぎて見づらいかも知れませんが、これでも実際の変位に比べると極端に拡大しています。代表としてA点とX点の変位について拡大図を示しましたので、それぞれの矢印の相互関係については拡大図でご覧ください。

 この図から明らかなように、A〜Yの各点で観測される変位は場所ごとに異なっています。これらの点は2つの波の変位の「山」と「山」が重なった点という意味で同じ条件と考えてよさそうなのにも関わらず、です。意外に感じるかもしれませんが、これは「変位」が本質的にスカラー量ではなくベクトル量であることに起因します。

 さてクイズの答えですが,実は問題文の「A〜Yのうち、この瞬間に正の大きな変位を持っている点はどこでしょうか?」の文章には、重ね合わせ後の波の変位の正の向きをどの向きにとるかが定義されていないので、厳格な意味ではこのクイズは「解答不能」となるのですが、その点を大目に見たとして(笑)、「変位の絶対値が大きい点」を答えるとすれば正解はX点とY点ということになります。



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