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すなみ耳鼻咽喉科甲状腺クリニック

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喜多町メディカルモール内

甲状腺THYROID


甲状腺について

甲状腺とは、どんな働きをしますか?

甲状腺は、のどぼとけの下あたりの気管の前面にあり、蝶が羽を広げたような形で、重さ約15グラムほどの小さな臓器です。この甲状腺は重要な役割を持っています。全身の発育を促進し、新陳代謝を調節したり盛んにしたりする甲状腺ホルモンを作っています。
活動するために必要なエネルギーを作り、快適な生活を送るためになくてはならないホルモン、それを合成しているのが甲状腺というわけです。




甲状腺の病気にはどんなものがあるか?

甲状腺疾患は大きく分けると3つになります
@血液中の甲状腺ホルモンが多い状態 ⇒ 血液中の甲状腺ホルモンが多すぎる病気(パセドウ病、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎、甲状腺機能性結節、その他)
A血液中の甲状腺ホルモンが少ない状態⇒ 血液中の甲状腺ホルモンが少なすぎる病気(橋本病、粘液水腫、その他)
B甲状腺のできもの⇒ 甲状腺の臓器内に腫瘤ができる病気(甲状腺腺腫、腺腫様甲状腺腫、甲状腺悪性腫瘍、その他)



甲状腺の検査

@甲状腺機能検査
1)TSH
TSHは甲状腺刺激ホルモンと言われ脳の下垂体から分泌される甲状腺ホルモンの生産を調節するホルモンです。
血液中の甲状腺ホルモンが多くなると、TSHは減少し、逆に血液中のホルモンが少なくなるとTSHは増加します。ただ、TSHは甲状腺ホルモンの増減に対して、4〜6週間遅れて反応します。このように病気ではない人は血液中の甲状腺ホルモンは一定の適切な濃度に保たれています。
2)T3(トリヨードサイロニン)、T4(サイロキシン)
甲状腺はT3、T4の甲状腺ホルモンを作り、血液中に分泌します。血液中のT3、T4を測定すると甲状腺機能が正常か、亢進か、低下か、又、使用している薬の効果があるかがわかります。


A甲状腺自己抗体検査

1)抗サイログロブリン抗体
甲状腺にあるサイログロブリンという蛋白に対する自己抗体です。
  抗マイクロゾーム抗体
甲状腺ペルオキシターゼに対する自己抗体です。
橋本病やバセドウ病では、この自己抗体が高く検出されます。
2)TSHレセプター抗体(TRAb)
甲状腺にあるTSHがくっつく所(TSHレセプター)に対する抗体です。このTRAbは甲状腺のTSHレセプターにくっついて、甲状腺を刺激し、甲状腺ホルモンをどんどん作らせてしまうので、バセドウ病の原因物質と考えられており、正常の人は持っていません。


基準値
これは検査の試薬や測定法、検査会社により多少ちがいます。
TSH(0.35〜3.80μu/ml)
フリーT4(0.7〜1.7ng/dl)
フリーT3(2.2〜4.1pg/ml)
TGHA(102以下)
MCHA(102以下)
TgAb(0.3以下)
TPOAb(0.3以下)
TRAb(15以下)


バセドウ病はなぜ起きるか

《原因》甲状腺臓器特異性自己免疫疾患の1つで、体質が変わり自分の甲状線を異物とみなして、甲状腺に対する自己抗体(TSHレセプター抗体、TRAb)をつくり、このTRAbが甲状腺を刺激し、バセドウ病になると考えられています。

バセドウ病はどんな治療方法があるか

《治療》3つの治療方法がありそれぞれ長所と短所があり、又治療法の適応もあります。
(1)抗甲状腺剤治療
長所
@外来治療
A治療効果が可逆性
B妊娠、授乳が可能

短所
@治療期間が長い
A實解率が低い
B副作用(白血球減少症、薬疹)


適応
@年齢の制限はない
A甲状腺腫の小さい人
B薬を規則的に服用できる人


(2)手術療法
長所
@短期に實解が得られる
A永久實解率が高い
短所
@入院が必要
A手術瘢痕が残る
B術後の反回神経麻痺や副甲状腺機能低下症はまれ
適応
@若年者から中年者
A甲状腺腫が大きい人
B甲状腺腫瘍の合併している
C薬の副作用がある人
D社会的事情(早期に確実に實解希望の人)
(3)アイソトープ療法
長所
@治療が簡単
A永久實解率が高い
短所
@晩発性甲状腺機能低下症の発生が多い
A妊娠、授乳時には不可
適応
@18歳以上の人
A3ヶ月以内に妊娠の可能性のない人
B手術後に再発した人


(1)抗甲状腺剤の内科療法⇒病気の軽い人、甲状腺腫が小さいひとなどですが1年〜数年間の服用が必要です。

(2)甲状腺亜全摘術の外科療法⇒甲状腺腫が大きく、早く確実に治したい人ですが入院し傷が残ります。

(3)アイソトープの放射線療法⇒18歳以上で、甲状腺腫が小さい人ですが将来甲状腺機能低下症になる可能性があります。

はじめは薬を服用し、個人差や病気の状態により経過中に治療方法を考えますのでよく医師と相談してください。
しかし、いずれも根本的な治療法でなく、甲状腺ホルモンの生成分泌を低下させたり、生成の場を縮小させることにより甲状腺機能を正常化しようとする対症療法があります。治療中何か症状が出現した時は、甲状腺ホルモンが変動した可能性があるので申し出て下さい。又、同じ自覚症状があっても、他の病気でも出現しますので検査や薬の追加が必要な場合があります。



バセドウ病の抗甲状腺剤の服用上の注意とは

1)バセドウ病の治療薬である抗甲状腺剤はMMI(メルカゾール)、PTU(チウラジールかプロパジール)の2種類しかありません。薬は甲状腺ホルモンの合成、生産を抑制する作用があり、病気により多すぎる甲状腺ホルモンを常に正常値内に入れるよう薬の量を調整します。

2)薬の効果が出て、甲状腺ホルモンが正常値内に入り症状が消失するまで約2ヶ月かかります。なぜなら、2ヶ月先までの必要な甲状腺ホルモンはすでに作られ、御自分の甲状腺に貯えているので、薬を飲んでもすぐには効果がでません。

3)甲状腺ホルモンが正常値内に入って自覚症状がなくなったからといって、服薬を中止すると数ヵ月で再発します。検査しながら甲状腺ホルモンの正常化により、薬を徐々に減量していき最後には1日おき1錠までになります。バセドウ病の原因物質であるTRAb(TSHレセプター抗体)の陰性化が数ヵ月続けば、薬は中止できます。

4)抗甲状腺剤を服用していても甲状腺ホルモンが高くなることがあり、その場合は薬を増量することになりますのでご了承ください。そのため時々検査が必要です。

5)再発防止のため1年以上の薬の服用が必要で薬を中止しても、再発する可能性がないとはいえません。薬を中止後、自覚症状がなくても必ず6ヶ月に一度ずつ血液中の甲状腺ホルモンが正常のままかどうか、検査が必要です。再発しましたら、薬が必要で早期に治療開始した方が早く良くなります。

6)薬は食事に関係なく指示通りにきちんと服用してください。抗甲状腺剤と一緒に飲んではいけない薬はありません。

<抗甲状腺剤の副作用>
@白血球減少症(咽頭痛や38℃の高熱がでます。その時はすぐ薬を中止し来院して下さい)
A肝機能障害 (バセドウ病のためにすでに悪い人もいます)
B蕁 麻 疹 (バセドウ病のためにすでに痒みのある人がいます)
C筋 肉 痛 (薬が急に効くと出現します)
いずれも、薬服用開始3ヶ月以内に出現する事が多く、その時は申し出てください。それ以外の副作用は、数十年薬を服用してもあまりなく又、薬が体のなかで蓄積されるようなことはありません。


バセドウ病の妊娠、授乳中の薬の服用について

「妊娠・授乳中の薬の安全性を心配なさる方は多いですが、抗甲状腺薬は、心配ありません。それよりも甲状腺ホルモンが多い状態のほうが問題です、母体、胎児に悪影響を与えかねないからです。
甲状腺機能の亢進した状態では妊娠しづらいうえ、早産や流産の危険性も高いのです。しかも妊娠中は、母体の有する自己抗体が胎盤を通して胎児の甲状腺を刺激し、胎児までもが、機能亢進状態に陥ることがあります。したがって母子どちらにとっても、抗甲状腺薬の服用が必要なのです」


橋本病はなぜ起きるか

《原因》甲状腺臓器特異性自己免疫疾患の1つで、体質が変わり自分の甲状腺を異物とみなして甲状腺に対する自己抗体(抗マイクロゾーム抗体)ができ、甲状腺を破壊していき徐々に甲状腺機能低下症になっていきます。


橋本病はどんな症状があるか

《症状》@甲状腺腫大⇒慢性甲状腺炎のため腫れてくる場合が多いです
A甲状腺機能が正常の場合⇒甲状腺ホルモンが正常値内にあるので身体に影響はありません。そのため、自覚症状は全くありません。甲状腺腫が大きい人はたまに喉の圧迫感、違和感を訴える人がいます。
B甲状腺機能が低下になると⇒必要量の甲状腺ホルモンが作りきれないため、全身の新陳代謝が悪くなり、いろいろな症状がでます。

□疲れやすい 
□元気がなくなり、ぼーっとしている 
□物を忘れやすい 
□ねむたい 
□脱毛 
□寒がり 
□汗がでない 
□皮膚乾燥 
□嗄声 
□徐脈 
□むくむ 
□便秘 
□コレステロール高値 
□肝障害 
□生理不順 
□その他以上の症状は甲状腺機能低下症以外の病気でも出ますので、治療により甲状腺ホルモンが正常値に入ってもまだ、症状がとれない時は医師に申し出てください。


橋本病はどんな治療方法があるか

《治療》@甲状腺が腫大し喉に違和感がある人⇒甲状腺ホルモン剤を服用し様子をみますが、非常に大きくなり気管を圧迫している時は手術も必要な場合があります。 A甲状腺機能が正常の人⇒甲状腺腫が小さい人は薬は必要ありません。しかし病気が進行し甲状腺の動きが低下して、甲状腺ホルモンが不足する可能性もあり3〜6ヶ月に1度ずつ、必ず診察を受けて下さい。 B甲状腺機能が低下の人⇒不足している量の甲状腺ホルモンを薬として、服用します。補充療法なので根本的に治らないため一生毎日薬を飲みます。


橋本病の甲状腺ホルモン剤の服用上の注意とは

《甲状腺ホルモン剤の服用上の注意》
@人工合成した錠剤のチラージンS(L-サイロキシン)と、豚や牛の甲状腺を摘出して、粉にした乾燥甲状腺末の2種類の甲状腺ホルモン剤があります。
A最初は少量ずつ投与し、徐々に増量して、その人の体に合った維持量を検査しながら決めます。体の調子がよくなかったからといって薬を中止してはいけません。体に足りない分を外から補充しているので毎日決められた量を服用し甲状腺ホルモン剤が適量かどうか時々検査が必要です。
B薬の効果がでて甲状腺ホルモンが正常値内に入り症状がとれるのに個人差があり、病気の程度などにより1ヶ月〜4ヶ月はかかります。
C薬の効果がでて甲状腺ホルモンが正常値内に入り症状がなくなったら運動、仕事などなんでも普通の人と同じようにしてかまいません。しかし、薬の服用は医師の指示通りに行ってください。
D適量の薬を服用している限り薬の副作用は特になく妊娠中や授乳中でも安心して飲めます。
Eこの薬と一緒に飲んではいけない薬はありません。ですから、他の病気で治療を受けている時も服用を続けて下さい。
Fヨードを多く含む昆布は甲状腺機能低下を助長するので普通以上に食べないでください。昆布以外の海藻はヨードはあまり含まれないので気にしないでください。
G甲状腺に痛みや動悸や発熱などがまれに出る場合があり、一時的に甲状腺ホルモンが過剰になることがあります。いつもと違う症状が出たら医師に申し出て下さい。


甲状腺のできものについて

@甲状腺良性腫瘍(腺腫、腺腫様甲状腺腫、嚢胞)
A甲状腺悪性腫瘍(乳頭癌、濾胞癌、髄様癌、未分化癌、悪性リンパ腫)
B甲状腺機能性結節(プランマー病)
《原因》不明
《症状》@甲状腺腫瘍⇒甲状腺の働きは正常で甲状腺ホルモンは異常ないので身体に影響は全くありません。そのためよほど大きくならない限りは自覚症状はまったくありません。
A甲状腺機能結節⇒甲状腺ホルモンを必要以上作っており、いろいろな症状(バセドウ病と同じ)がでます。


甲状腺のできものの検査目的について

《検査目的》@甲状腺超音波エコー検査⇒最も有効な検査の一つです。甲状腺内の腫瘍の大きさ、形、症状、性質などやリンパ節への転移などがわかります。
A甲状腺MRI、CT、レントゲン⇒甲状腺腫瘍の食道や気管へに影響がわかりますが、良性、悪性の鑑別には不向きである。。
B甲状腺シンチグラフィー⇒甲状腺の形、腫瘍の大きさ、性質がわかります。
C穿刺細胞診⇒腫瘍内に細い針をさし細胞をとり、腫瘍に悪性細胞があるか検査します



甲状腺のできものの治療方法

現在は出来るだけ手術をしないでいくことが多くなっています。良性腫瘍の場合4cm以下では経過観察することが多くなっています。
この場合、TSH抑制療法といって甲状腺ホルモン剤を投与することにより腫瘤が縮小することがあります。
また、腫瘍の中に液体がたまっているような嚢胞ではPEITといって嚢胞内にアルコールを注入することにより嚢胞を縮小させれことが出来ます。

ただし、悪性の疑いがあれば当然手術療法が選択されます。

手術適応は
@腫瘍が大きく、食道や気管への影響がある方。だいたい4cm以上
A腫瘍が小さくても、悪性の疑いがある方
B腫瘍から甲状腺ホルモンが過剰に作られている方
甲状腺ホルモンが正常で腫瘍が小さく良性のようなら3〜6ヶ月に1度ずつ診察を受けて頂きます。


甲状線の病気を自己チェック

バセドウ病
□疲れやすい 
□だるい 
□体重の増加または低下 
□暑がり
□微熱がある
□発汗
□のどが腫れる
□脈が速い
□息切れ
□手足が震える
□眼球突出
□下痢ぎみ、または便の回数が増える
□体のかゆみ
□イライラ感□不眠
□のどが渇く
□脱毛
□筋力低下
□皮膚が黒くなる
□生理不順

橋本病
□全身(特に顔)がむくむ
□体重増加
□やる気がない
□寒がり
□皮膚が乾燥する
□汗が出ない
□のどが腫れる
□のどに違和感がある
□脈が少ない
□声がれ
□物忘れしやすい
□便秘
□頭がボーとする
□動作が鈍くなる
□眠い
□脱毛
□生理不順
□高コレステロール血症
□肝機能障害
□貧血
○4つ以上あてはまるものがあったら、1度血液検査を!