阿部勝吉・弘明 TEL 0234-72-5726携帯080-7657-5922
山形県飽海郡遊佐町大字吉出北小橋下44
阿部養魚場は別名出羽富士とも言われる独立峰の鳥海山(標高2.236m)の麓で、その清流を
取り入れて総面積1.2haの養魚池にて庄内金魚の保存育成に努めています、以前は市場出荷を
主体とした、金魚は養魚池にて管理し出荷時でないと生け簀では見る事が出来ませんでした。
現在は販売に向けて生け簀で常に見る事が出来ます。
当初、遊佐町は金魚生産の大産地であり、100戸以上を数えていた、阿部氏集落も40戸全部
金魚生産をやっていた、集落に金魚商人がいた関係が大きかった、現在は遊佐町では阿部氏
のみで親魚を伝承して庄内金魚保存に努めている。
阿部氏は、養殖初めて60年以上になる、息子さんと鳥海山から取り入れた冷水の温度差を
利用して年間4~6回も交配産卵を行っている、最も遅い交配は8月上旬の時もある、年間
20~30万尾生産していた、ただし純然たる庄内金魚は僅かしか出ないとの事。
庄内金魚に老成すると頭瘤(阿部系に見られるようだ)が見られることがある、
若魚より頭瘤が見受けられる個体がいたので現在、交配繁殖に努め固定化を進めている。
令和3年出羽竜庄内金魚と銘々する
庄内金魚の他にも数種の品種も繁殖している。
「庄内金魚」は昭和32年より始めた、同部落の故池田金蔵氏が余目町(現庄内町)西袋
より購入した庄内金魚(阿部系)を継承、それと数が少ない故伊藤卯之助氏にて生み出された
(伊藤系)も養殖している更紗主体で鮮やかな色彩を持つ、従来の池飼いで上より見る鑑賞
に適した金魚から水槽飼いの横からの鑑賞に適した従来の側線より上に赤をもってきていた
模様から側線より下がった変化に富む斑紋の金魚を作り出している。
次に他の品種ですが「和金」は繁殖してから25年、全国的に知名度がある点に着目して
主産地より導入し三尾・四尾の更紗を主体に育種しています、和金の中に2~3歳魚で
頭瘤が見られる個体を発見して現在固定化に努めており、成果が表れ始めています。
鳥海和金と銘々する
「玉サバ」地元では玉琉とも言っている新潟特産魚で新潟の養魚市場に息子弘明さんが
研修に行っていた折に、養殖依頼受けて親魚を譲り受けてから繁殖22年である、玉のような
琉金体型で、赤色が腹まで巻き、あざやかであり、鮒尾のため敏捷であり寒さにすこぶる
強くて丈夫である。
「玉錦」玉サバの透明鱗、玉サバ同様の体型特徴で玉サバの中より出現、その個体のみ
で別管理して交配重ねた結果、無鱗に固定化したので阿部氏本人「玉錦」と銘々した、
色彩が玉サバより鮮やかに浮き出るので、水槽飼育での観賞価値がでてきました。