さ・ん・ぷ・る
 六年間働き詰めの古ぼけたランドセルを両肩にかけたまま、背中から壁に寄りかかった夙は、すぐに半ズボンに手をかけ、それを足元まで下ろしていく。飛び出したブリーフの前は、既にこんもりと盛り上がっていた。そう、夙はデパートに来る途中から、既にペニスを勃起させていたのだった。
「んっ……」
 ブリーフの上からペニスをさすると、じんわりとした痛みのような快感が染み入ってくる。昂る気持ちを抑えられず、数度パンツの上からいじっただけで、夙は素早くブリーフも膝の辺りまで下ろした。ぶるんと揺れた弾力のあるペニスを愛おしそうに見つめる。
(『占い』より)

「よーし」
 無抵抗になった正詞のズボンを脱がし、パンツも脱がしてくる。正詞は恥辱に押し潰されそうになりながらも、じっと耐えていた。
「さてと」
 その人物の手が、正詞の前へと伸びてくる。正詞の縮こまったペニスを握ったのだ。
「んー!」
「まだ、ちいせーな」
 そう言いつつ、しばらくの間、正詞のペニスをいじくり回していく。正詞はあせった。何故なら、その刺激に反応してしまいそうだったからだ。
「お、固くなってきたな」
 正詞は、ここ何日か忙しくて抜いていなかったことを後悔した。そうでなければ、こんなやつに勃たされてしまうなんてことないのに……!
(『歩道橋』より)

「せんぱい……」
 その熱い感覚に耐えられなくなって、茅人は唇を離し、克尚を見つめた。
「もう、勃ってんのか?」
「う、うん……」
「だったら、わかってるだろ?」
 ニヤリと笑って、克尚は制服のズボンのベルトを外し、ズボンとパンツを下ろしてその下半身をさらけ出した。アーチ状に雄々しく反り返る克尚のペニス。
「しゃぶれよ」
 頷いて、茅人は克尚の股間に顔を埋めた。茅人が気持ちよくなるためには、まずは克尚を気持ちよくさせてあげなければならない──それは、知らず知らずのうちに二人の間で交わされた不文律だった。
(『先輩』より)